日別アーカイブ: 2019年9月19日(木曜日)

夏バテって夏が終わってからくることもあります

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

今年の夏も非常に暑い日が続きました。少し涼しくなってきましたが、まだ蒸し暑い日が続きそうです。体調を崩された方もなんとか乗り越えられた方もいらっしゃると思います。ぜひ、みなさま、9月中も夏バテに気をつけていただきたいです。そこで、漢方の考え方を用いながら夏バテについて解説したいと思います。

夏になると、私たちの体は「暑い夏を乗りきろう!」と張りきり、体全体を元気に動かすパワー「気」をたくさん消費します。とても暑い日が続くと、「気」を消費しすぎて不足し、気虚(ききょ)という状態になります。なんとなく調子が悪い、元気が出ない・・・そんな状態の時が気虚であり、だんだん食欲も減ってきます。これは「気」が不足して胃腸を十分に動かす元気もなくなっているからです。夏バテの方は気虚という状態になっています。食欲が出ずご飯が食べられない日が続くと、栄養分が不足します。すると、血を十分に作れなくなるので血が不足し、血虚(けっきょ)という状態になります。血虚は血が少なくなった状態で、貧血(血液が薄くなった状態)よりも広い意味を持っています。血虚になると体の様々な部位に症状が現れます。例えば、顔色が悪い、髪につやがない、めまいや動悸、不安や不眠、疲れ目などがあります。

そして、暑い日は汗をかき、のどが渇きます。水分をこまめに取らないと、体中の水分が不足します。すると、血の水分も減り、血がドロドロとして流れが悪く滞る瘀血(おけつ)という状態になります。瘀血でも体の様々な部位に症状が現れます。例えば、肩こり、頭痛、胸が苦しい、ひどい生理痛、顔のくすみなどがあります。夏が終わると気温が下がってきて、涼しく感じるようになります。じつは、その涼しさによって全身の血管がほんのわずかに収縮します。暑い夏を過ごした方で瘀血の状態になっている方は、このわずかな血管収縮によって血栓(血の塊)が血管に詰まってしまう恐れがあります。

ですから、9月中も夏バテに気をつけていただきたいです。ぜひ、食事と水分をほどよく取って健康で過ごし、寒く乾燥した冬に備えましょう。

薬剤部 KK