日別アーカイブ: 2018年7月7日(土曜日)

栄養科通信 vol.131「減塩で高血圧を予防、改善しましょう」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

血圧は季節によって変動があることをみなさんご存じでしょうか。血圧が上がりやすいのは冬だと
思われている方も多いと思いますが、実は夏にも血圧が上昇しやすいと言われています。冬には、暖房の効いた部屋から寒い風呂場に入ったときなど、血管が収縮し血圧が上昇します。それと同様に
これから暑くなってくると、気温の高い外から急に冷房の効いた部屋に入ることで血管が収縮し血圧が上昇しやすくなります。
高血圧予防のためには適度な運動や気温差を減らすことなど挙げられますが、食事の面では減塩が
世界的に推奨されています。今回は食事の面から高血圧の予防についてご紹介します。2017年の
国民健康・栄養調査によると、日本人の食塩の摂取量は平均で1日あたり約10gですが、実際の
摂取量はさらに多いと言われています。日本人の塩分摂取量が多い理由として、外食の頻度が増えて
きていること、加工食品に使われている塩分が思っているよりも多いこと等が挙げられます。
厚生労働省の「食事摂取基準(2015年版)」では、食塩摂取量の目標を、男性は8.0g未満、女性は7.0g未満、高血圧患者は6.0g未満に定めています。カツ丼や天丼には約4g~5g、ラーメンには
約5~6gの塩分が含まれていて、この1品だけで1日の半分以上の塩分を摂取したことになります。また、家庭でよく食べられている塩鮭には約4g、たくあん3切れで約1.3g、梅干で約2gとなって
おり、塩分が多く含まれています。

【減塩のコツ】
うまみのある食材を使う
昆布、かつお節、きのこ類、煮干しなど うまみを多く含んだ食品や
だしを上手に利用しましょう。

●香辛料や香味野菜を使う
 わさび、しょうが、しそ、ねぎなど香りのよい素材を使うと
その香味が効いて薄味が気にならなくなります。

●香ばしい焦げの風味をつける

焼き目をつけたり、揚げるなどしてついた焦げの風味は、香ばしさをプラスしておいしく食べられます。

●酸味を利用する
レモン汁、ゆず、酢など酸味を加えるとすっぱさがアクセントになりさっぱり感を楽しめます。

これから暑くなってくると、素麺やそばなど簡単に食べられるものが多くなりがちです。麺類は塩分が多いですが、野菜に含まれているカリウムは、食塩の成分であるナトリウムを体外に排泄する作用があるので、麺類だけで済ませることなく毎食野菜を食べるようにしましょう。また麺類のつけだれにしょうがやねぎ、わさびなどを入れることで塩分控えめでもおいしく食べられます。日常的に塩分を過剰摂取することによって、血圧が上昇すると言われており、高血圧が続くと動脈の壁が厚く硬くなり、血液が流れにくくなります。減塩を心がけることによって、高血圧の予防、改善が期待でき、動脈硬化の予防にも繋がります。

管理栄養士 A.T