日別アーカイブ: 2015年9月29日(火曜日)

慢性の咳・痰の症状に対する鍼灸治療

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

先日、1か月前から咳・痰で悩まされている50歳台の男性の方が来院されました。
話を聞いていくと、ちょうどその頃に風邪を引いて、風邪症状は治まりましたが、それ以降、のどの症状が現20150929れるようになりました。症状が現れるのは夜間の睡眠時のみで、のどの奥に痰が溜まり、切れにくいのでしばらく咳が続き苦しく、痰が切れてもその後はなかなか眠れません。もともと寝つきも良くないので睡眠の妨げにもなり、とても困っている様子でした。
痰は無色で、夜中寝ているうちに鼻から降りている感じもあり、右鼻はよくつまります。以前から鼻炎はあったかもしれないと教えてくれました。顔色は白っぽく、舌質は暗く、舌苔は白く厚い、腹部・手足は冷たい。脈は右緊脈、左弱脈。ここ数年、冬になると足指が霜焼けができるということでした。
以上の症状や舌・脈から「胃寒証」と「腎陽虚」という証を考えます。
胃腸の冷えで飲食の消化・吸収が悪くなって、痰が生じやすくなり、腎陽虚により腹部と手足の冷えが現れ、さらに脾胃の運化機能に影響して痰を形成しやすくなるので、今回のような症状が長引いていると考えました。
治療は胃経の足三里・豊隆、大腸経の曲池・合谷などのツボで胃腸機能を改善し、腎経の照海というツボで腎を補い、風池、天突などのツボを使い咽喉部周囲の循環を促し、腹部の中脘、気海というツボに温灸を行い、胃腸の冷えを取り除くことにしました。
1回目の治療直後は鼻づまりが軽減しましたが、夜間の症状に変化はありませんでした。2回目の治療後に症状の改善が見られ、夜間の咳は時にはありますが、ほとんど気にならない程度で目が覚めてもすぐに再入眠できるようになりました。まだ鼻づまりは時々感じ、手足の冷えもあるので、継続治療をしていく予定です。
ヘイセイ鍼灸治療院 MK