日別アーカイブ: 2019年11月4日(月曜日)

インフルエンザについて

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

11月に突入し、本格的に冬が近づきますます肌寒くなってきました。みなさん体調管理はしっかりできているでしょうか。今回は、毎年秋から冬にかけて流行を迎えるインフルエンザについてお話します。

一般的な風邪は1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。一般的な風邪は様々なウイルスによって起こり、その多くはのどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こり、高熱を伴って急激に発症し、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振など全身症状が現れます。併せて一般的な風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を発症し、ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど、重症化することがあります。

2018年、インフルエンザ治療薬として8年ぶりに「ゾフルーザ」という薬が新しく発売されました。従来の「タミフル」、「イナビル」、「ラピアクタ」といったインフルエンザ治療薬は、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に広がるのを防ぐことで効果を示します。一方、「ゾフルーザ」は細胞内でウイルス自体の増殖を抑制することで効果を示し、1回服用するだけで治療が完了するなど、これまでのインフルエンザ治療薬とは異なる作用を有しているのが特徴です。

当院では、10月上旬からインフルエンザの予防接種が開始となりました。ワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかり、一度できた抗体による免疫の持続期間は5ヶ月ほどです。インフルエンザは、咳やくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に侵入することで起こります。ワクチンによる抗体でウイルスの侵入そのものを阻止できるわけではないため、感染を完全に防ぐことは出来ません。しかし、重症化を抑え、比較的軽症で回復することが期待できるため、ワクチンを接種しておくことは大いに意味のあることです。 特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、流行する前に毎年受けることを推奨します。

今年もあと2ヶ月となり今後ますます寒い季節となりますが、普段から十分な栄養、睡眠をとり免疫力を高めておくことが大切です。手洗い・マスク着用を基本とし、しっかりと予防を心がけましょう。

薬剤部 KF