日別アーカイブ: 2017年5月25日(木曜日)

第1回DBS(脳深部刺激療法)説明会開催のご報告

5月20日(土)、倉敷在宅総合ケアセンター4階多目的ホールにて、第1回DBS(脳深部刺激療法)説明会を開催しました。事前にお申込みいただいた3組5名の患者さん、ご家族がご参加くださいました。

会の最初に、上利センター長より「パーキンソン病の脳深部刺激療法について」と題して、30分間の講義をしていただきました。この治療法の特色、また、パーキンソン病でもどのような方を対象として、どのような現象を対象としているのかということの説明がありました。

パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞の脱落を生じる変死疾患であり、ドパミンが不足することにより、運動の指令がうまく伝わらず、スムーズに動けなくなる病気です。50~60歳代で発症することが多く、日本人の約1000人に一人に発症しています。

パーキンソン病の4大症状は、振戦(ふるえ)、筋強剛(こわばり)、無動(動きがおそい)、姿勢保持障害(バランスがとりづらい)です。
治療は基本的に薬物療法になりますが、長期間内服することにより問題症状が出現する場合があります。その代表的なものに「ウェアリングオフ現象(くすりを内服してもすぐに効果がきれてしまう現象)」と「薬剤誘発性ジスキネジア(くすりを内服すると不随意運動が出現する現象)」があります。
脳深部刺激療法は、脳の運動野を司る部分に電極を埋め込み、電気刺激を実施することによりこれらの現象を抑える治療法です。近年は技術の進歩で埋め込む刺激装置が小型化されたことや、充電式の場合は1個でよいこと、また、具体的な入院治療のスケジュール等も紹介されました。

今年4月に開設された「倉敷ニューロモデュレーションセンター」ですが、毎週の外来予約・手術予定共に予想を上回るペースでの運営・実施となっています。今後もこの治療法の普及と啓蒙に努めていきたいと思っております。ご質問やご不明な点等もお気軽にお問い合わせください。
地域連携室 森