日別アーカイブ: 2017年5月19日(金曜日)

妊婦と薬

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

「妊娠中に薬を飲んではいけない!」
なんとなくそう思っている方は多いと思います。確かに妊娠中の薬の使用は慎重にしたいものですが、すべて使用してはいけないわけではありません。また時期によって赤ちゃんに及ぼす影響も異なるので、正しい知識を持っておくことが大切です。

まず、妊娠2~4か月は赤ちゃんの体が形成されはじめるため、催奇形性において最も薬の影響が大きいとされます。

次に、妊娠5~7か月では赤ちゃんの重要な器官の形成は終わっており、催奇形性を引き起こす可能性は低くなります。しかし、薬によってはかえってこの時期から体の成長や機能に悪い影響をおよぼすことがあります。


妊娠8~10か月の妊娠後期になると、薬が赤ちゃんに移り、直接的な作用を受けやすくなります。この時期に薬がもたらす悪い作用のことを「胎児毒性」といいます。その代表的な例が鎮痛薬です。鎮痛薬には血管を収縮させる作用があり、新生児肺高血圧症の要因となるおそれがあります。鎮痛薬の中には一部の湿布薬も含まれるので注意してください。

妊娠中の方、また妊娠を考えている方は、薬を使用する前に、医師や薬剤師に相談してください。また、厚生労働省による「妊婦と薬情報センター」という妊娠中の薬に関して相談できる機関もあります。いざというときにこのような機関があることを知っておくだけでも心強いですね。

 

薬剤部 K.Y