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栄養科通信vol.165「聴覚に影響される“味”」

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何かを食べて、美味しい・甘い・からい・酸っぱい・・・などの味は、そのときに聞いている音によって変化することをご存じですか?

☆音からの影響
例)ベーコンエッグ・・・鶏の鳴き声を聞きながら食べると、卵の味を強く感じる
豚の鳴き声を聞きながら食べると、ベーコンの味を強く感じる
シーフード  ・・・波の音を聞きながら食べると、塩味など海の風味を強く感じる
機内食が美味しくないと思う原因に、飛行機特有のガーッと言うノイズをずっと聞いているため、特に甘みを感じにくくなり全体的に薄味に感じてしまうよう。

☆音楽からの影響
高低 ・・・高い音を聞くと、苦味を強く感じやすくなる
低い音を聞くと、甘味を強く感じやすくなる
リズム・・・リズムが良くビートがわかりやすい音は、酸味や苦味を感じやすい
ピアノやフルートのような滑らかな音は、甘味や舌触りが良く感じる

味は、聴覚以外にも視覚や触覚など五感をフル活用した体験であるため、今までの人生経験に左右されます。そのため、幼児が同じことをやってもほとんど効果がないそうです。
いわば、連想ゲームに近いのかもしれませんね。
もしあなたのお近くに食事がすすまなくて困っているという方がいたら、その日のメニューに合わせた“音”を工夫してみてください。

栄養科 H.S

栄養科通信vol.164 「お酢パワーを活かした食生活へ」

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酢は日本で最初に生まれた発酵調味料であり、その歴史は深く世界にはなんと4000種類の酢があるといわれています。「酒のあるところ、必ず酢あり」という言葉があるようにどんな酒でも発酵させれば酢になるため、酒の種類だけ酢の種類があるわけです。古くからワインを飲む習慣のあるヨーロッパではワインビネガーやバルサミコ酢が一般的です。また、ビールで有名なドイツではモルトビネガーが愛用されています。酒と食文化が切り離せない関係にあれば、酢はその国の食文化を象徴する調味料ともいえるでしょう。最近ではテレビや雑誌、SNSなどで酢の健康効果が取り上げられていますね。実際に普段の食事に取り入れられている方も多いのではないでしょうか。ここでは酢の主な効果をいくつか紹介します。
①内臓脂肪の減少
酢には酢酸やクエン酸などの有機酸を含んでいます。これらは中性脂肪を燃焼させる働きがあり、運動と合わせることでさらなる効果が見込めます。
②血圧上昇を抑制
酢に含まれる酢酸が細胞内に取り組まれることで、血管を拡張させるアデノシンに働きかけ、血圧の上昇を抑える効果があります。
③腸内環境を整える
酢に含まれるグルコン酸は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やします。善玉菌は悪玉菌の増殖を抑え、腸の運動を活発にする働きがあります。また、抗菌作用が腸内の悪玉菌を減らすのに役立ちます。
近年ではこれに加え、便秘改善、疲労回復、血糖値の抑制などの効果が研究で科学的に検証されています。

健康効果を得るためには1日あたり15mL(大さじ1杯)程度を継続して摂取すると効果があるといわれています。空腹時にそのまま飲むと胃に負担をかけてしまうため、毎食ごとのメニューに酢を取り入れてみましょう。さっぱりした料理には穀物酢、こってりした料理には黒酢、洋風料理には果実酢がおすすめです。酢の効果は上記にもあったように酢酸によるものです。酢酸は穀物酢と果実酢どちらにも含まれており、作用の違いはありません。

しかし、糖質が添加されたお酢ドリンクには注意をしましょう。ご家庭にある商品の原材料名の欄に「果汁」「果糖ぶどう糖液糖」「はちみつ」の文字はありませんか?これらは血糖値を上昇させる糖質にあたります。血糖値が高めの方はこのような糖質が添加されたお酢ドリンクには注意が必要です。酢には、他の食品の栄養素の破壊を防止、消化吸収上昇などの働きがあり、相乗効果も期待できますが、バランスのとれた食生活と正しい情報により摂取することで酢の効果が最大限に発揮されます。健康にも役立つ酢を無理なく食生活に活用していきましょう。

管理栄養士 MA

栄養科通信vol.163 「キムチについて」

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キムチは、主原料である白菜、大根、きゅうりなどの野菜を塩漬けにし、様々な薬味(唐辛子粉、にんにく、生姜、ねぎ、大根、塩辛など)を混ぜて漬け込み発酵させた食品です。
今では白菜キムチが定番ですが、季節や風土、材料などにより、韓国には200種類を超えるキムチがあると言われています。
⾃然発酵したキムチには生きたまま腸に届きやすい、ラクトバチルス乳酸菌(植物性乳酸菌)が豊富に含まれており、腸内の酸度を下げて有害菌の生育を抑制、または死滅させる整腸作用を持っています。さらに食物繊維と乳酸菌の相乗効果で便秘改善にも期待ができます。その他にも唐辛子の辛味成分であるカプサイシンにはアドレナリンを分泌する働きがあり、代謝を⾼め、⾎流を促し、体を温める事で、免疫⼒を⾼める効果が期待できます。また、発酵することで作られるビタミンB1・B2・B12・ナイアシンなどのビタミンB群も豊富に含まれています。

日本のキムチと韓国のキムチとの違いは、韓国産が「熟成型」 であるのに対し、日本産の大部分は、「浅漬け型」だという点です。日本では発酵していない韓国キムチ風の浅漬も、発酵させたものもキムチと定義します。その為、スーパーに並んでいる大半のキムチが発酵風調味料に白菜と唐辛子を漬け込んだ浅漬となります。
熟成発酵されているキムチを見分けるポイントとして「キムチくんマーク」があります。キムチくんマークは韓国産キムチにのみつけられており、韓国政府認定の証です。
それ以外にも

 

・国産でも韓国の製法で作られたもの
・植物乳酸菌を加えて作られたもの
・熟成発酵されているもの

を選ぶようにすると上記のような効果が得られます。
そのまま食べても美味しくいただけますが、きゅうりやアボカドと和えたり、うどんやスープにトッピングするなど、他の食材と組み合わるだけで簡単に韓国風ピリ辛料理になります。キムチに含まれる植物性乳酸菌は熱に弱い為、効率良く取り入れたい方は加熱せずそのまま食べることをおすすめします。

管理栄養士 MS

参考:韓国農水産食品流通公社、韓国農協

【岡山県病院協会を通じJAグループ岡山より「おかやま米」をご寄贈いただきました】

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2月19日(金)、JAグループ岡山より送られた岡山米が、当院に届きました。

 これは、新型コロナウイルスと最前線で戦う医療従事者やコロナの影響を受けている大学生や子育て家庭への支援を目的に送られたものだそうです。
 また、『今回、医療従事者らに贈呈した「きぬむすめ」は同県で初めて食味ランキングの最高ランク”特A”を取得した品種で、現在4年連続で特Aに選ばれている。その中でも地域ブランド米として展開している「里海米 きぬむすめ」は、”牡蠣のから”を砕いたものを栽培肥料として活用しており、海のミネラルや栄養分が豊富な米となっている。なお、この資源循環型で栽培される「里海米」の売り上げの一部は、「瀬戸内かきがらアグリ基金の基金」として積み立て、「食べて守る!瀬戸内海」をスローガンとした里海再生活動を支援している。』とのことです。

皆さんの善意のお米、美味しくいただきます。大変ありがとうございます。

秘書広報課

栄養科通信 Vol.162 『チョコレート消費量と景気』

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2/14はバレンタインデーです。1月中旬を過ぎるとバレンタインに向けてチョコレート商戦が活発化していきます。チョコレートの国内消費量は年々増加し2018年は276,589t、一人当たりの年間消費量は2.19kgと過去最高でした。

右記は1980年代からのグラフで、日本でバレンタインデーが一般的になった頃です。徐々に増加し1990年194,649tから1991年207,824tへと消費量が急増します。1990年~1991年といえば日本はバブル絶頂期でした。その後景気後退とともにチョコレートの国内消費量は1994年、196,195tまで減少します。

その後、2000年代に入りチョコレートは女性から男性へ愛を告白するためのアイテムとしてだけではなく、友達同士でチョコを送り合う「友チョコ」や自分へのご褒美として「自分チョコ」の文化が生まれます。これは同時期に海外から高級チョコレートが入ってきたことが影響しています。
2001年、銀座で高級チョコレートを展開した先駆けとして絶大な人気を誇る「ピエール マルコリーニ」がオープン。翌年の2002年には「ジャン=ポール・エヴァン」が新宿伊勢丹に日本1号店をオープンし、日本最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がスタート。これ以降、日本で高級チョコレートのブームが巻き起こりました。チョコレートの輸入量も2001年17,331tから2002年19,091tと大幅に増加しています。

2008年リーマンショックの影響により国内消費量も落ち込みますが、景気の回復とともに消費量は再び増加に転じます。
嗜好品であるチョコレートは景気の影響を受けやすいですが、流行にも大きく左右されます。
2021年はコロナ禍でのバレンタイン商戦となるため消費量への影響も大きいでしょう。

管理栄養士 S.N

 

栄養科通信Vol.161「2月1日は『フレイルの日』~サルコペニア・フレイル指導士に合格しました~」

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フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。
健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態、つまり筋力などが低下し始め、心身が弱ってきた状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずに元気な状態に戻れる可能性があります。

「フレイル」と2(ふ)、0(れ)、1(い)の語呂合わせから、日本老年医学会、日本老年学会、日本サルコペニア・フレイル学会と連携し、2月1日が「フレイルの日」と制定されたのをご存知ですか。
2020年4月から、75歳以上を対象に生活習慣や認知機能などをチェックする『フレイル健診』が実施され、国のフレイル対策が本格的に始まるなか、対象となる人だけでなく、あらゆる世代に認知度を高める必要があります。

そこで、「サルコペニア・フレイル指導士」という資格制度が出来ました。
高齢者が自立して生活できる健康寿命を延ばすために、サルコペニアやフレイルの評価に加えて、それぞれの専門性を生かした適切な評価を行い、多職種と連携しながら運動や栄養、環境や習慣に指導介入計画を立案し、安全に実施していくことを目的としている、できたばかりの資格です。

私も講習に参加し、WEBテストを受けて試験に合格しました。
現在は暫定認定期間ではありますが、しっかり勉強して本認定を受け、皆さんのフレイル予防のお役に立ちたいと思っています。

管理栄養士 A子

栄養科通信vol.160 「別腹って本当にあるの?」

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お腹いっぱいに食事をした後でも、美味しそうなデザートや好きなものを出されると、食べてしまったという経験はありませんか?「甘いものは別腹」といいますが、本当に「別腹」は存在するのでしょうか?

別腹とは、これ以上は食べられない満腹状態でも甘いものなら食べられることをいいます。
別腹の仕組みは詳しくは解明されていないようですが、大きく2つ知られています。

1つ目はオレキシンというホルモンによるものです。甘いものを目の前に出されると脳内の快楽物質が分泌され、もっと欲しいという欲求が生じます。すると、食欲を増進させる作用があるオレキシンが脳内で分泌され胃の運動が活発になり、胃の内容物が小腸に送り出されて新たに食べ物を受け入れるスペースがつくられるというわけです。

2つ目は味の変化によるものです。人は同じ味のものを食べ続けているとその味に飽きて、満腹感を早く感じるといわれています。味覚の基本となる味には「甘味、塩味、苦味、酸味、うま味」の5つがあるといわれていますが、一般的に料理を構成するのは、このうちの塩味、酸味、うま味の3つの味です。そのため、食事で満腹になったとしても甘味に対してはまだ飽きていないため、お腹がいっぱいでもデザートは食べられてしまうのです。
別腹=甘いもののイメージが強いですが、実は自分の大好物であれば甘いものでなくても脳が刺激され、別腹が出現してしまうようです。

満腹状態なのにさらに食べてしまうことが習慣になれば、カロリーオーバーになり生活習慣病につながるのはもちろん、満腹感を感じにくい体質になりかねません。
別腹対策のポイントは見ないことです。食事が終わったらすぐ片づけるようにしたり、食事で満腹感を得られたら自分にお腹いっぱいと言い聞かせるようにして、別腹の誘惑に負けないようにしましょう。

参考:山本隆:化学と生物Vol45,21-26.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/45/1/45_1_21/_pdf

管理栄養士 Y.M

 

栄養科通信vol.159「貧血予防の食事」

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 最近疲れやすい、顔色が悪い、そんな悩みを抱えている方はいませんか?それは貧血が原因かもしれません。今回は貧血予防の食事についてご紹介します。

貧血のほとんどが鉄の不足によりヘモグロビンの産生が低下して起こる「鉄欠乏性貧血」です。体内で鉄が不足する原因は、鉄の摂取不足、胃切除や胃酸分泌低下などによる鉄の吸収低下、月経過多、潰瘍、痔など失血による鉄の排泄増加など様々ですが、体内で不足した鉄は補わなくてはなりません。そこで基本となるのが食事療法です。今回は、貧血の食事療法のポイントを紹介します。

①鉄をとりましょう。
食品に含まれる鉄は、肉・魚・レバーなど動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜・海藻・大豆など植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります
非ヘム鉄は吸収されにくいですが、
ビタミンC(果物、いも類)、動物性たんぱく質(肉類、魚類、卵類、乳製品)などと
組み合わせることで吸収が促進します。
②たんぱく質をとりましょう。
たんぱく質は、赤血球やヘモグロビンの材料となる栄養素なので鉄と同様に大切です。
③ビタミン、銅をとりましょう。。
ビタミンB2、B6、B12、葉酸、ビタミンC、銅なども造血や鉄の吸収に欠かせない栄養素です。食事量が少なかったり偏食してしまうとこれらを十分に摂取することができません。3食バランス良くきちんと食べることが大切です。

胃液の分泌が高まると鉄の吸収が促進されるため、酸味、香辛料を効かせた料理を積極的に取り入れるなど調理の工夫をしましょう。
また、食事で鉄を補うことが難しい場合は、鉄のサプリメントも上手に利用しましょう。

鉄不足が原因ではない貧血もありますので、鉄をとっても改善がみられない場合は早めに受診しましょう。

管理栄養士Y.N

栄養科通信vol.158 「予防めし」

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日本栄養士会は、毎年8/4を栄養の日と定めており、8/1~8/7の前後一週間を栄養週間と定めていて、2020年の取り組みとして行っているのが、「予防めし」です。

栄養と食のチカラで感染症を乗り越えるために管理栄養士・栄養士から国民に向けて情報発信をすることを目的としています。
以下、日本栄養士会ホームページ 予防めし特設サイトより引用

予防めしとは、免疫機能を低下させないで感染症の予防に役立つ食事を提案すること。
現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の脅威を身近に感じながら「新しい生活様式」を受け入れなくてはいけません。「新しい生活様式」の実践例の中には、「一人ひとりの健康状態に応じた運動や食事、禁煙等、適切な生活習慣の理解・実行」があります。このような状況下で、管理栄養士・栄養士が「食事」について、さまざまな情報を発信することが求められています。栄養と食の「チカラ」で感染症を乗り越えるために、 管理栄養士・栄養士だからこそ発信できる情報として「予防めし」を開発し発信していきます。

<「予防めし」の具体的な考え方>
免疫機能は、多様な成分が複雑な代謝を営むことによって成りたち、その仕組みには、多くの種類の栄養素が関与していることが分ってきました。 食事からとる多くの成分が総合的に作用しながら、免疫機能を支えているのです。ある特定の栄養素や食品に限定するのではなく、いろいろな食品から構成される栄養バランスのとれた食事を継続的にとり、免疫機能に関与する全ての栄養成分を摂取することが大切です。
今回の「予防めし」は、継続して適正な食生活を送るための一助となるような食事例を具体的に伝えることを目的に2つの提案から構成します。

1つ目は、さまざまな栄養素を摂取できるように、「注目栄養素」を示し、その栄養素が豊富に含まれる料理とそのレシピを紹介します。
2つ目は、その料理を組み込んだバランスの良い食事を管理栄養士・栄養士が提案します。

注目栄養素の中に含まれる食物繊維やビタミン類には免疫を高める効果があります。それらを豊富に含んだ食材を取り入れつつ、偏りなくバランスの良い食生活を心がけたいですね。Instagramでは1000件を超える投稿数となっているようです。全国の栄養士が工夫を凝らしたレシピの数々を提案してくれているので、ぜひ「♯予防めし」で検索してみてください。また、Instagram以外にも、TwitterやYouTubeでも情報発信しているのでご覧ください。

H.S

栄養科通信vol.157「ストレスと肥満」

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「ストレス太り」という言葉をよく聞きますが、ストレスでなぜ太ってしまうのでしょうか?

ストレスを感じると、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールは闘争・逃走反応と呼ばれるホルモンで、身体活動を活発にするために体内に蓄えられていた糖をエネルギーとして利用する働きがあります。現代では、家庭や職場での問題や睡眠不足などの「慢性的なストレス」が多いので、コルチゾールは大量に分泌され、血糖値が上昇します。一方で糖が必要なほど身体活動を行うことはありません。血液中の糖が増えると肥満ホルモンと呼ばれる「インスリン」の分泌が促進されます。インスリンは糖を肝臓・筋肉の細胞内に取り込んで血糖値を下げる働きがありますが、貯蔵量を超えた糖は脂肪細胞に蓄えられ、肥満を引き起こしてしまいます。また、血糖値が急激に上昇するとインスリンは過剰に分泌されるので、血糖値が急に下がり空腹感が刺激されます。そのため、ストレスを受けると血糖値を上げようとする働きから、甘い炭水化物が無性に欲しくなってしまうのです。睡眠不足の時も同じようなことが起こります。

ストレスを軽減するには「運動」と「睡眠」が重要になります。活動的になることがストレスの緩和につながることは、数々の研究で証明されています。定期的に運動することが大切で、週に2回以上運動している人はストレスや不安とほぼ無縁と言われています。ランニングなどの有酸素運動を20分ほど、もしくは散歩に出かけるだけでもストレスを抑える効果は望めるとのことです。
睡眠不足も慢性的なストレスのもとです。日本人の平均睡眠時間は減り続けていて最近では30~64歳の成人の30%以上が、睡眠時間6時間未満となっているそうです。7時間以上の睡眠時間と、完全に暗くして寝て朝は太陽の光を浴びる、寝る前には食事をしたりスマホを触らないなど身体も脳もしっかり休息できる質のいい睡眠を心がけることができればストレスを軽減できると言われています。

コロナ禍で不要不急の外出はあまりできず運動不足になりストレスが溜まっていき「コロナ太り」という言葉も出てきています。まだ日中の暑さは続きそうですが、定期的な運動と質の良い睡眠でストレス太り、コロナ太りを予防しましょう。

参考:厚生労働省e-ヘルスネット
管理栄養士M.S