栄養科通信 Vol.162 『チョコレート消費量と景気』

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2/14はバレンタインデーです。1月中旬を過ぎるとバレンタインに向けてチョコレート商戦が活発化していきます。チョコレートの国内消費量は年々増加し2018年は276,589t、一人当たりの年間消費量は2.19kgと過去最高でした。

右記は1980年代からのグラフで、日本でバレンタインデーが一般的になった頃です。徐々に増加し1990年194,649tから1991年207,824tへと消費量が急増します。1990年~1991年といえば日本はバブル絶頂期でした。その後景気後退とともにチョコレートの国内消費量は1994年、196,195tまで減少します。

その後、2000年代に入りチョコレートは女性から男性へ愛を告白するためのアイテムとしてだけではなく、友達同士でチョコを送り合う「友チョコ」や自分へのご褒美として「自分チョコ」の文化が生まれます。これは同時期に海外から高級チョコレートが入ってきたことが影響しています。
2001年、銀座で高級チョコレートを展開した先駆けとして絶大な人気を誇る「ピエール マルコリーニ」がオープン。翌年の2002年には「ジャン=ポール・エヴァン」が新宿伊勢丹に日本1号店をオープンし、日本最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がスタート。これ以降、日本で高級チョコレートのブームが巻き起こりました。チョコレートの輸入量も2001年17,331tから2002年19,091tと大幅に増加しています。

2008年リーマンショックの影響により国内消費量も落ち込みますが、景気の回復とともに消費量は再び増加に転じます。
嗜好品であるチョコレートは景気の影響を受けやすいですが、流行にも大きく左右されます。
2021年はコロナ禍でのバレンタイン商戦となるため消費量への影響も大きいでしょう。

管理栄養士 S.N