16)支援をする人の負担について

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

前回は、より良いかかわり(生活習慣・体調管理)についてという内容でお話ししました。
今回は、支援をする人の負担についてお話したいと思います。介護にまつわる負担には、身体・心理・経済、社会・時間の要因がかかわっています。さらに、要因の重なりが多いほど、負担は倍増していきます。

認知症を有する方への介護について、その大変さがどのようなものかといった報告があります。

1.同じことを何度もきかれる大変さ
わすれ易い・憶えられないという認知症の症状を理解していても、さんざん繰り返されると、特にこころや時間の余裕が持てないときほど、よくない事だとわかってはいてもつい、返す言葉や表情がだんだんとトゲトゲしいものに変わっていくのは無理もないことかもしれません。
2.目を離せない大変さ
道に迷ってしまう方や、ふと家を出て行かれる方など、万が一の危険性がある方の介護は、夜寝ている時でも、常に気を張り続けなければならなくなるケースが多いようです。そのような環境におかれると精神的・肉体的な疲労が蓄積し易くなることは想像に難しくありません。
3.介護者のペースでできない大変さ
介護者の方が「ちょっと待って!」と感じること、またはご本人に伝えることは非常に多いのではないでしょうか。しかしながら、この「ちょっと」という時間の間隔は、認知症では障害されやすい部分になります。周囲の人から見ると、あたかも「待てない」ように見え、介護を行う場合では自分のペースで出来ない
=振り回されるような状況につながりやすくなります。
4.ありがとうと言ってくれない大変さ
ご本人からありがとうと言ってもらえないことというよりは、介護者の周囲の人(例えば家族や親類など)から自分の大変さを理解してもらえない、感謝されない、介護してあたりまえ、という状況がより大変さを感じるかもしれません。介護者が孤立感をつのらせ、負担をひとりで背負ってしまうという悪循環につながりかねません。
次は、認知症を有する方のご家族の多くが経験する心理的ステップをご紹介します。ステップは4段階ありますが、第1から第4ステップまでの間を行きつ戻りつしながら、だんだんと認知症を有するご本人を受容していくと言われています。この各ステップの行きつ戻りつのしかたは、ご本人の症状や、ご本人・ご家族の性格、年齢、身体状況、これまで培ってきた家族関係、地域・社会的状況、経済的状況、医療・福祉スタッフとの信頼関係などの影響を受けると言われています。

各ステップでの心理的な負担感は周囲からの有効な支援を受けることで軽減されます。次の図ではその有効な支援にはどのようなものがあるのかについて説明しています。

この上の図で極めて重要なことは、支援する人が一人ですべてを背負わないということです。介護を受ける側⇔介護をする側という2者関係のつながりは非常に強いために、その関係性があたかも殻に閉じこもるような孤立した状態におちいるリスクが非常に高いと言えます。そのような状態ではお互いがお互いのストレスを増幅しあうような悪循環が起こらないとも限りません。そのような負担感をできるだけ軽減するには、みんなで支えるという視点が必要です。
 この上の図のような関係をどのようにして築くかということですが、多くの方は言うは易し、行うは難しといった印象を抱かれるのではないでしょうか。この図のような関係を築きやすくするために、極めて重要な相談・支援機関があります。それは全国の各地区に設置されている「高齢者支援センター」と呼ばれる機関です。負担の強弱にかかわらず、このような相談窓口を確保しておくことは、現在や将来の負担感・ストレスのコントロールを上手く行うために必要となってきます。「私だけで支えないようにする」「みんなで支えてそれぞれのメリットを上手に生かす」ことが、支える人だけでなく、認知症を有するご本人にとっても笑顔で生きるためのキーポイントの一つになります。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには、地域のかかりつけ医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけ医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP阿部

通所リハビリの共同作品「朝顔が咲いたよ」(平成30年8月)を飾りました

カテゴリー: 通所リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

7月豪雨で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
一か月前には思いもよらなかった事態になっており、復興に向け私たちも微力ながら取り組んでいきたいと考えております。
 さて、8月の作品を外来に飾りました「朝顔が咲いたよ」とタイトルを付けました。
今回の作品は、花びらの感じが出るように、朝顔の花の部分を障子紙で作りました。丸く形どって、切り、折って、絵の具に浸して染めるのですが、絵の具に浸した後、紙を開くのが大変でした。実物をご覧いただくと花びらの曲がり具合などが立体的になっています。背景は、すだれにみえるように塗ってみました。
是非外来にお越しの際はご覧いただければと思います。
現在、倉敷平成病院では10月28日開催の「のぞみの会」の手作りポスターなど様々な作品が飾られています。猛暑を吹き飛ばす元気な配色のものが多く、楽しんでいただけるのではないかと思っています。

通所リハビリ 介護福祉士 K

倉敷ニューロモデュレーションセンターにおける臨床心理士の役割

倉敷ニューロモデュレーションセンターが平成29年4月に開設し、あっという間に1年が過ぎました。倉敷ニューロモデュレーションセンターでは、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなどに対する脳深部刺激療法(DBS)、慢性疼痛に対する脊髄刺激療法(SCS)を行っております。当院のセンターは本年度より日本定位・機能神経外科学会の技術認定施設となりました。
今回は臨床心理士のセンターでの役割・仕事について述べたいと思います。臨床心理士と聞くと「何をする人?」と思われる方も多いかもしれません。当センターにおいて臨床心理士は【検査、手術後の心理療法(カウンセリングなど)】を主に行っています。
臨床心理士はリハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語療法士)と協力して手術前後の患者さんの検査を実施しています。手術前の患者さんの認知機能や精神面の検査を行い、DBSやSCSの手術適応や治療効果、手術のリスクについて検討します。また、手術後においても認知機能や精神面の検査を行い、手術の効果、副作用の出現などをチェックしています。
また、SCSを受ける患者さんに対してはうつ・不安などの精神症状を合併しやすい方が多いため精神面の検査も行っています。
手術後においては、入院のストレスが強くなる方、せん妄や認知機能低下が出現する方、精神症状(うつ、意欲低下)の増悪を伴う方に対して個別に話をしたり、気分転換になる活動の提供、脳トレ(脳活性)などを行っています。
この1年間でも医療機器は進化しており、DBSでは細かい刺激調整が可能になり、SCSでは刺激方法が増えました。今まで以上に、治療効果は高くなっているように感じています。日々アップデートしている環境の中で遅れないように勉強を行い、患者様に喜んでいただけるようなセンターを目指したいと思います。

リハビリテーション部ST課CP

訪問時も暑さに負けず

カテゴリー: ケアプラン室 | 投稿日: | 投稿者:

みなさんこんにちは!ケアプラン室のNOと申します。
厳しい暑さが続いていまね。日差しが「暑い」というより「痛い」と感じることもあり、今年の夏は今までに無い暑さを感じています。日中に外出する時には特に体調管理に気をつけたいものです。

私達ケアマネジャーは月に1回利用者さんのご自宅に訪問しているため、日中も外へ出ることが多くあります。
訪問する理由は、利用者さんの状態・状況に変わりは無いか?
新たなニーズはあるか?利用しているサービスは適切か?等々を確認させていただく為です。
そのため暑さに負けている場合ではないのですが・・・

いざ一歩外に出ると、それだけで冷房の効いた室内との温度差にビックリ。湿度にビックリ。日差しにビックリ。ちょっと歩いただけで汗が出て疲れてしまうこともあります。

ケアプラン室ではそんな暑い夏に負けないため、サンバイザーや帽子、サングラス、タオル、アームカバー、日傘等々大活躍中です。日焼け予防の為の日焼け止めも欠かせません。

利用者さんの中には、昔から扇風機やクーラーが苦手で、今年もつけることをためらっている方もおられますが、今年の暑さは異常です!体調管理を最優先し、お部屋の中を適温に保つように気を付けていただきたいです。

まだまだ猛暑日は続きそうです。温度調節と水分補給、そして規則正しい生活に気を付けて、暑い夏を乗り切っていきましょう。

ケアプラン室はお盆期間も営業しております。何か介護に関するご相談等ございましたら、お気軽にお電話・ご来所ください。

ケアプラン室 NO

水分補給と歯

カテゴリー: 歯科 | 投稿日: | 投稿者:

今年の夏はとにかく暑い!!
毎日何人もの患者さんが「今日は暑い!!」と言いながら診察室に入って来られます。

そんな夏に欠かすことができないのが、スポ-ツドリンクです。
スポ-ツドリンクの中には糖分・イオン・ミネラル・塩分が含まれています。

夏場に大量に汗をかいたときなどに適した飲み物である事は間違いありません。
喉を潤すだけでなく、排出されたマグネシウムやカルシウムを素早く補う事ができます。

しかし、過剰に摂取したり、「ダラダラ」と飲み続けると、お口の中に糖分が残り続けてしまう事になります。これが虫歯を招く原因となります。

暑い夏にはこまめな水分補給が大切です。ダラダラ飲まないようにしたり、就寝前はできるだけ水 やお茶を飲むなど上手な水分補給に心掛けて、今年の夏を乗り越えましょう!!

 

歯科  こば子

第29回倉敷ジュニアフィルハーモニーオーケストラ演奏会

カテゴリー: お知らせ, 秘書・広報課 | 投稿日: | 投稿者:

毎年、夏の恒例行事で定着している「倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ」の皆さんによる演奏会。今年は8月16日(木)15時~16時で開催することとなりました。
演奏曲目は、ビゼー作曲「アルルの女」第1組曲よりアダージエット・鐘(カリヨン)他です。
入場無料で、お子様連れも参加いただけます。
是非ご来場ください。                         秘書広報課

平成30年西日本豪雨ボランティアに参加して

カテゴリー: 看護部, 事務部 | 投稿日: | 投稿者:

このたびの西日本豪雨で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 7月13日私は、健康調査のためボランティア活動に参加しました。市役所でボランティアの登録を済ませサンワーク総社へ向かいました。避難所は1階と2階に分かれており私は1階の避難所の方々を担当させてもらいました。まず避難者一人一人の申し送りを受けたあと避難者に関わっていきました。日中は自宅の片づけなどで被災地へ出かけておられているかたもおられました。避難所はご高齢の避難者が約半数以上で、夫婦や家族で過ごされている方が多くおられました。
健康調査をしながらお話を聞くと、今後の不安から涙を浮かべる方や歯がゆい現状に怒りを訴える方もいました。
私が関わった避難者の方で週3回人工透析を受けながら生活されている方がいました。その方はASOと足の潰瘍のため疼痛が強くなんとか歩行ができる状態でした。病状的にも自宅の片づけには行くことができずご家族が毎日タクシーで片付けへ行かれていました。
前回の透析の時は避難所の送迎で透析に行かれたようですが、その日は送迎は依頼されておらずどのような手段で病院まで行ったか確認するよう申し送りがありました。透析から戻って来られ話を聞くと病院まで歩いて行ったとのことでした。病院までは100mほどの距離でしたが、下肢の疼痛のため歩いて、休憩をしてを繰り返しながら30分以上かけ行ったと話されていました。足の痛みに耐えながら猛暑の中歩いて行ったことを知り、何かいい方法はないかと考えながら、その時は話を聞くことしかできませんでした。
ボランティア終了前の最後の申し送りでそのことを伝えるとボランティアに来られていた医師が「車椅子やスタッフが車でどこかへ移動するときに一緒に病院まで送迎してもらうとか何か方法を考えますね」と言ってくださいました。

日々仕事をしながら分かっていたことではありますが、若い人や健康な方には大丈夫なことが高齢者や健康障害がある方には難しいことがあることを目の当たりにしました。

アムダのスタッフを中心に、たくさんある問題を少しずつ解決できるよう全員で連携を図っていました。今回の活動を通してたくさんの学びや人の温かさを感じました。
復興には時間がかかると思いますが微力ながらできることに取り組んでいきたいと思います。まだまだ暑い日が続いているので熱中症など体調管理に十分ご注意してください。

2階病棟 看護副主任 A

※写真はアムダよりご提供いただきました

倉敷老健は排泄支援に力をいれています

カテゴリー: 倉敷老健 | 投稿日: | 投稿者:

高齢や虚弱になると、排泄になんらかの支援を必要とする方がいらっしゃいます。倉敷老健にも、排泄に見守りが必要な方、一部介助の方、なかにはおむつの着用が必要な方が入所されています。

今年5月にブログで排泄支援の一部を紹介しましたが、今回は倉敷老健で使用しているおむつは、どのようにして選定されているかを紹介致します。
 おむつ用品には、主としてテープがついているタイプ(アウター)、尿を取るパッドタイプ(インナー)があり、大きさ、吸収量、吸収速度、形状、肌触り、通気性など様々です。また毎年新製品も出ています。少しでもおむつ使用者に良いものを提供するため、常に新しい情報をキャッチするよう気をつけています。新製品の紹介は、業者の方がサンプルを持参し行ってくれます。

試験的に使用してみることもありますが、特徴を理解しやすいように新規採用や変更を検討したいおむつ類を取り寄せて、時期を見て使用中の物との比較を行います。

方法は、同量の青水を一斉に一定時間おむつに流します。青水を吸収したおむつをスタッフが素手で触り、肌触りや逆戻りなども含めて評価します。評価は評価用紙に各自記入したものを集計し、更に絞り込んでいきます。排泄支援には多職種が関わります。

老健内のスタッフが一同に集まりおむつ類を選定したり、特徴を理解することは、排泄支援をしていく上でのコンセンサスに繋がると思います。これからも排泄の自立支援だけでなく、おむつ使用の方が少しでも快適に過ごせるように、多方面から取組んでいきたいと思っています。

※写真は平成30年7月6日に撮影したものです。

倉敷老健 K

 

第53回のぞみの会だより-5-

カテゴリー: のぞみの会 | 投稿日: | 投稿者:


8月になりました、豪雨災害の復興を応援しています。
とにかく暑い日が続いています。
テレビで熱中症のニュースを耳にすることが多いですが、こまめな水分補給を行い、エアコンを上手に使い夏を乗り切りましょう

「第53回 のぞみの会」の準備も着々と進んでいます。
院内にポスターが掲示されています。美容センターも、スタッフみんなで協力してポスターを作成しました。ポスターのぜっとくんは、折り紙で作ったたくさんのハートで出来ています。全仁会のスタッフ一人一人と地域の方々との絆を折り紙で作ったハートで表現しました。また、輝く未来への希望に満ちあふれたぜっとくんのキラキラした目も特徴です。院内へお越しの際は是非見つけてみてください♪
そして、毎年恒例のスタンプラリー。今年の景品はどれも欲しくなるものばかりの案が出ていましたよ♪当日お楽しみにしていてください。

のぞみの会は、患者様、地域の皆様あっての会です。皆様にご満足していただける様、職員一同、全力で会に向けて準備しております。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

★第53回のぞみの会 平成30年10月28日(日) 9時30分~14時『地域へ、そして未来へ ~これからも共に生きる全仁会~』★
★ポスターはローズガーデン倉敷が作成したものです

第53回のぞみの会実行委員 総合美容センター Y

「エレクトーンの会」開催報告

カテゴリー: グランドガーデン南町 | 投稿日: | 投稿者:

梅雨も明け、本格的な夏がやってきました。暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、今回は7月13日に開催されたエレクトーンの会についてご報告いたします。

当日、4台のエレクトーンが設置され、(暑い中重い機材を運んで頂きありがとうございました)あっという間にエレクトーンのコンサート会場に!最初の曲は『ふるさと』でした。
何とも言えないとても優しい音色でした。皆様昔を懐かしむように歌われていました。
その後、『ダイアナ』『思い出の渚』『君といつまでも』とわくわくする曲が続き、自然と波のように皆様の肩が揺れてリズムを刻んでいました。“キーボードでリズム体操”など様々な演目を用意して頂いており、とても楽しい会となりました。中でもエレクトーン体験が印象的でした。先生が会場に向けて「どなたか私と一緒に弾いてみませんか?」と声をかけて下さいましたが、もちろんシーン・・・。先生がクスクス笑いながら「では、指一本でも良いのですが・・・。」と言われると、恐る恐るといった様子でS様(80代後半・女性)がステージへ。1分程先生とS様が何やらひそひそと打合せされ、さて早速、披露タイムです。皆様が見守る中、S様は指1本で軽快にリズムを刻む音を出されその横で先生がメロディーを奏でます。それはそれは素敵な発表会となりました。
貴重な体験ができ嬉しかったとS様は大変うれしそうでした。
エレクトーンって楽しいな、私も習ってみたいな、なんて感じた楽しい時間でした。
エレクトーンの会の先生そして生徒の皆様楽しい時間をありがとうございました。

グランドガーデン南町 M・S