来年の春は快適にお花見!今から始める「花粉症治療」

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

こんにちは、暑い日が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
冷たいものが美味しくなってきました。日中の水分補給はしっかりとして熱中症対策に努めましょう。

さて、今回は春の花粉症を少しでも軽くするために今から始めるお薬のお話です。「今から花粉症治療?」と思われる方も多いと思いますが、この治療はスギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。これを「免疫療法」といいます。
そもそもアレルギーとは、抗原(アレルゲン)が体に入って過剰に反応することです。その抗原にダニ、スギなどがあります。その抗原を少量から体内に投与して体を慣れさせる(体質改善)のが「免疫療法」になります。以前は注射でされていましたが、近年、ダニとスギに対して口腔内(舌下)に投与することが可能になり、病院でなく、自宅で服用できるようになりました。
この治療方法はスギあるいはダニによるアレルギー症状を治したり(根治)、症状を抑える可能性のある治療法です。しかし実施するにあたりご理解していただく点が6つあります。
① 長期間(3~5年)に渡って行う治療です。
② 即効性はありません。根気強く続ける必要があります。
③ 長期間頑張っても全員に効果が出る訳ではありません。
④ スギ、ダニに対しての治療です。その他の抗原に対するアレルギーには効果は期待できません。
⑤ 抗原を投与するので局所や全身にアレルギー反応が生じることがあります。
⑥ 1ヶ月に1回の受診が必要になります。

正しく治療が行われると、初めてのスギ花粉飛散シーズンから効果が期待され、年単位で継続することでより効果が得られると報告されています。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙目、目のかゆみの改善、アレルギー治療薬の減量、生活の質(QOL)の改善が期待できます。
2020年、オリンピック前に花粉症を気にせずお花見が楽しめるかもしれません。気になる方は、舌下免疫療法を検討してみてください。

参考:よくわかるスギ花粉症の舌下免疫療法(鳥居薬品株式会社)

薬剤部 MM