「ユニバーサルデザインフード」という言葉を聞いたことがありますか?
まず、ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍の違いや老若男女といった差異、障害の有無を超えて多くの人にとって使いやすい施設・製品・情報の設計のことをいいます。食事の分野でも、介護用加工食品として、日本介護食品協会が「ユニバーサルデザインフード」を作成しました。規格は、軟らかさや滑らかさによって「容易に噛める」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「噛まなくてよい」の4つに区分されます。各商品のパッケージには、ユニバーサルデザインフードのロゴマークと、区分形状が表示されています。この他にも飲み物や食べ物に加え混ぜるだけで簡単に適度なとろみをつけることが出来るとろみ調整食品もあります。病院から自宅へ退院される患者さんで嚥下機能の低下がある方には適した食事の作り方や食品の選び方を指導することがありますが、毎日手作りで適した硬さや形状の介護食を作るのは大変だと思われる方も多いと思います。そんな時にドラッグストアやスーパーマーケットで簡単に用意できる「ユニバーサルデザインフード」の紹介もしています。レトルトパウチで常温で保存ができ、賞味期限も長いため買っておいていざという時に使用することができます。
●容易に噛める
噛む力の目安:かたいものや大きいものはやや食べづらい
飲み込む力の目安:普通に飲み込める
●歯ぐきでつぶせる
噛む力の目安:かたいものや大きいものは食べづらい
飲み込む力の目安:ものによっては飲み込みづらいことがある
●舌でつぶせる
噛む力の目安は:細かくてやわらかければ食べられる
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらいことがある
●噛まなくてよい
噛む力の目安:固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらい
このように噛む力や飲み込む力によって区分されており、形状が分かりやすくなっています。咀しゃくや嚥下状態にあったユニバーサルデザインフードをみつけて、毎日の食事が楽しくなるように活用してみるのもいいですね。噛むことや飲み込むことが難しく、食事が進みにくいということがあれば、まずはかかりつけの病院を受診して、嚥下の状態を診察してもらい、適した食事の形態を知ることが一番重要となります。何を選んだら良いか分りにくい、低栄養や食事が進まないなど、お困りの際は当院管理栄養士までお気軽にご相談ください。
栄養科 管理栄養士 MS
※画像:日本介護食品協会より