日別アーカイブ: 2022年10月22日(土曜日)

マンモグラフィの乳腺濃度 ~デンスブレストとは~

カテゴリー: 放射線部 | 投稿日: | 投稿者:

マンモグラフィ検査は乳房内の石灰化や腫瘤(しこり)などの病変を見つけることができ、乳がんの早期発見に有効な検査です。しかしながら、マンモグラフィ検査を行っても、病変が見つかりにくい乳房があることをご存じでしょうか?

乳房は、主に乳腺組織と脂肪組織で構成されており、乳腺組織はマンモグラフィでは白く写ります。そして、マンモグラフィで見つけることができる病変も白く写ることが多いです。乳腺の量は人それぞれ違いがあり、乳腺が多い乳房(乳腺濃度が高い乳房)では、乳腺と病変が重なってしまい、わかりづらくなってしまいます。

マンモグラフィでは、乳房の構成を、乳腺濃度が高い順に「極めて高濃度」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」の4種類に分類し、この内、極めて高濃度と不均一高濃度のことを「高濃度乳房」、英語で「デンスブレスト」といいます。
40歳以上の日本人の約40%がデンスブレストであるといわれており、デンスブレストは正常な乳腺に乳がんなどの病変がかくれてしまう危険性があるため、注意が必要です。デンスブレストの方は、乳腺エコー検査を受けることで、マンモグラフィでは見つけられない病変を見つけられる可能性が高くなるため、マンモグラフィ検査と乳腺エコー検査を併用することをおすすめします。

私たち放射線技師は受診者一人一人の乳房に合わせてマンモグラフィ検査を行い、特にデンスブレストの方の検査時には、できるだけ乳腺が重ならないようにしっかり広げて撮影するように心がけています。
デンスブレストであることに過度な不安や心配はいりませんが、自分自身の乳房の状態を知り、気にかけること、また自宅でのセルフチェックや定期的に検査を受けることが大切だと思います。マンモグラフィ検査の際、気になることがありましたら、ぜひお声がけください。

                                放射線技師 MT