日別アーカイブ: 2015年4月14日(火曜日)

性格タイプに合わせて

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

20150414暖かい春の日差しが降り注ぐ新緑の季節になりました。先月になりますが3月1日(日)中四国糖尿病研修セミナーに参加してきました。毎年参加していますが、糖尿病診療・療養指導について最新の情報を糖尿病治療に携わる多くの職種に提供することで日々の診療における知識や技術の向上に寄与することを目的に、今回のテーマは、「チームで取り組む薬物療法とそのリスクマネジメント」をテーマにした講演・セミナー・シンポジウムでした。13演題あった中で、自分の療養指導の中に取り入れることができそうな「●患者さんを楽しくやる気にさせる糖尿病療養指導」について紹介したいと思います。講師は京都医療センター 臨床研究センター予防医学研究室 坂根直樹先生でした。以後、抜粋です。食生活やライフスタイルの近代化や高齢化に伴い、糖尿病患者が増えている。糖尿病は「血管の病気」であるとともに「自己管理の病気」と言われる。しかし、食事や運動など自己管理ができている患者は3割に過ぎない。患者に正しい医療情報を提供して行動変容を促そうとしても、TVやマスコミの情報に左右されている患者は多い。また、過去の不健康なライフスタイルを質すと「仕事で、夕食が遅くなる」「カロリー計算は面倒」などと言い訳する患者も多い。心理学ではこれは「抵抗」と呼んでいる。そういたった、なかなか行動変容しない患者に「このままの生活をしていると、将来大変なことになりますよ。誰が貴方の面倒をみるのですか!」といわゆる医学的おどしで、動機づけを図ろうとすると、「おやつを制限するとストレスがたまる」「仕事を辞めなければできない」などと抵抗が強くなることもしばしばである。また、高齢糖尿病患者は「もう年だから」と訴え、なかなかモチベーションもあがらない。これらの抵抗を減らすのがコーチング、動機づけ面接、生きがい連結法といったコミュニケーション技法である。患者の夢や生きがい、なりたい姿や望む状態は患者によってそれぞれ異なる。また、患者の性格タイプの強みや弱み、ストレスサインを知り、患者の性格タイプに合わせて、病態や検査結果の説明、目標設定、褒め方などを変えると療養指導が楽になるそうです。
1)患者さんとの間に協働関係を築く、2)患者さんの性格タイプ(赤色:外向・論理型。親分肌で目的に向かってどんどん進んでいく人。時に攻撃的になることもあるかも…。黄色:外向・感情型。明るく楽観的で、あまりくよくよしない。反面ルーズな面も。緑色:内向・感情型。穏やかで争いを好まない。いい人の反面、優柔不断な面も。青色:内向・倫理型。論理的で、計画的に物事を進める人。真面目な反面冷たい人と思われることも。)を見極める(ユングの性格類型参考)、3)患者さんの目指すゴールは何か?4)今回のテーマを選び、成功への作戦を一緒に考える、5)実行してもらい成功していたら大いに褒め、失敗していたら、そこから学ぶ、6)よい生活習慣法を習慣化する(自己管理)のが療養指導を成功させるステップの例である、とのことです。各々の色を意識した効果的なアプローチ法→赤色タイプ:ポイントや結論を先に提示する。決断力があるので自分で治療を選択してもらう。挑戦を好むので検査結果を短期目標にして競争させる。黄色タイプ:早いペースで指導する。おもしろい内容や教材を提供して飽きさせない。誰かと一緒に楽しくやってもらう。緑色タイプ:患者のペースに合わせてゆっくりと話を聞く。リラックスしてもらい患者さんの意見を聞き答える時間を十分に与える。思いやりや謙遜した態度をとる。青色タイプ:十分な情報を提供し体系的熟考してもらう。教科書的な内容を踏まえ現在のデータをきちんと説明する。ということだそうです。糖尿病患者さんが楽しくてためになる療養指導が提供できるように性格タイプを知り、それにあわせてアプローチすることが患者さんの満足度を上げ、行動変容につなげていくことがコツだと思いました。今回学んだことを活かしていきたいと思います。
糖尿病療養指導士 看護師 H・T