50代の女性で、肩こりで月2回程度、長年当鍼灸院に通っている方がおられます。
ある日の治療中、火鍼(かしん)の話になり、「火鍼を使って帯状疱疹、皮下脂肪腫やイボなども治療できますよ」とお話ししましたら、彼女は「では、こんな症状でも治療できますか」と言いながら衣服をずらしました。
すると、両側の前腸骨棘のあたりの皮膚に、左右対称的に直径3センチほどの丸い発疹が見えました。色が赤黒く、やや盛り上がって表面がサラサラした感じでした。
発疹の様子から見れば、以前に見た神経性皮膚炎の様子に非常に似ていることから、私は「これは神経性皮膚炎ですね」と言いました。
詳しく聞いてみたら、実はこの患者さんは長年この皮膚の症状に悩まされていました。かゆみが強くて、度々睡眠中にかゆみによって目覚めるそうです。特に病院で診てもらったことはありませんが、まさか鍼灸で治療できると思わず、今までこの症状に関して相談されることもありませんでした。
私は初めに普通の鍼灸鍼で発疹の周りに数本刺してみましたが、あまりかゆみの改善が見られなかった。そして患者さんと相談して同意を得たうえで火鍼を使って治療してみることにしました。
一回治療した後、少しかゆみの軽減が見られ、さらに3回治療した後、かゆみはほとんど消えました。局部に増厚した皮膚も薄くなり、色も黒ずんだ赤みから薄い暗紅色に変わりました。夜にかゆみで目覚めることもなくなり、長年の悩みはなくなり、患者さんからは大変喜ばれました。
火鍼は古代に使われていた九種類の鍼灸鍼の一種です。耐熱金属で作られたもので、治療する際に、アルコールランプで鍼を赤くなるまで焼いて、熱いうちに瞬時に皮膚に刺入してすぐ取り出します。一部の難治性の病症に非常に良い効果が得られる場合があります。
ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学
ヘイセイ鍼灸治療院 電話:086-427-6688



10月に入り、日中も涼しく過ごしやすい季節になりました。暑い時は食欲が減っていた方も秋になると元々の食欲に回復することが多いと思います。
めまいで当鍼灸院を来院された30歳代の女性がいます。
脈診で取れた「脈位」、「脈形」、「脈勢」などの情報は、病気の位置、邪気の種類、体力の強弱、臓器機能の盛衰などを判断することに役に立ちます。古代の脈診は顔、頚部、腕、足など体表から触れる動脈の拍動部の多箇所を取っていましたが、後世になると、主に手首の橈骨動脈を取るようになりました。
す。
ほど水を抜きましたが、繰り返し水が溜まるので鍼灸を受けてみようと思って当鍼灸院に来られました。患者さんの訴えによれば、子供のころから疲労を感じやすく、大人になってからも耳鳴りや車酔いなどで悩まされることが多く、時に気分不良や嘔吐などの症状も現れるそうです。
鍼灸院に最初ご来院された時には、「全身の倦怠感で一日中横になっていることが多く、瞼が重く、物をいつもぼやけて見える、体温は35度台、汗をかきやすく、手足が冷えやすい」などを訴えられました。以前には喘息、アトピー性皮膚炎などもあったそうです。
様はお変わりなく過ごされていますでしょうか。