カテゴリー別アーカイブ: ヘイセイ鍼灸治療院

春の出会い

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厳しい冬が過ぎだんだん春の気配が近づいてきていますね。こんにちは、鍼灸院のブログです。皆様はお変わりなく過ごされていますでしょうか。
さて、今回は来年度のお話をしようと思います。春といえば出会いの季節でもありますが、倉敷平成病院にも新しい顔ぶれが4月から多く増えます。色々な業種の方々が入職する予定ではありますが、なんと鍼灸院にも鍼灸師が1名増員予定です。詳しくは入職後、慣れてきた頃に本人が自己紹介をする事でしょう。楽しみですね!!
思い返せば私にも新入職員で入職が決まり、期待と不安でドキドキした事がありました。何年か経つとその時に感じたものを忘れてしまいがちではありますが、今回、鍼灸師が増えることでまた気持ちをフレッシュにして頑張りたいと思います。
令和3年度は新体制のヘイセイ鍼灸院をどうぞよろしくお願いします。

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

ヘイセイ鍼灸治療院 電話:086-427-6688

下半身のしびれへの鍼灸治験

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下半身のしびれで鍼灸院を来院された40歳代の女性がいます。

半年前から症状を感じ始め、下腹部から両側の下肢にかけてじんじんとしびれるような違和感が現れるようになりました。最近では下肢へのしびれ感が強くなり、時には両腕や顔にもしびれ感の症状が現れます。病院で検査をしても異常はなかったので、神経内科の医師の紹介で鍼灸院に来院されました。

この患者さんは細身な体形で、もともと手足が冷えやすく、尿の出が悪いなどの症状があり、最近は食べても体重が減少していることを悩んでいました。日常生活で、以前は冷たい飲食を好んでいましたが、症状が現れてから控えるようにしていると話してくれました。舌診では舌体は薄く、舌色は暗い、脈診では弓が張ってるような脈で、腹部の打診では高音調のガス音あり、腹部全体にガスが張っています。
以上のことから、この患者さんの体質は「脾気虚(ひききょ)」で、さらに「血虚」「瘀血(おけつ)」があると考えました。

漢方医学の理論では、脾には運化作用の働きがあり、運化作用の中には飲食物を消化しその中の営養物質を吸収し、全身に巡らせる働きがあります。この営養物質が気血をつくる素になるので脾は気血生化の源とも言われています。脾の消化吸収機能が弱ることで腹部の張り感などの症状が現れ、気血の生成にも影響が現れます。また寒邪により気血の運行が停滞、血行不良を起こし瘀血を形成しやすくなります。この患者さんの場合、血不足により体を十分に養うことができず、瘀血により血行不良の状態が続いて、しびれるような症状が現れていると考えました。

これに対して治療は、胃腸の働きを促す中脘、天枢、気海、曲池、足三里のツボ、血液循環の改善に血海(けっかい)、地機(ちき)などのツボを用い、寒邪に対して腹部のツボに温灸を施しました。
施術後ほんの少しですがしびれが軽減していたそうで、その後週1回で4~5回治療を続けていくと、しびれ感はほとんど気にならなくなりました。食欲も以前より増しているということで、美味しく食事ができると喜んでくれました。患者さん自身、症状が現れてから体力つくりや飲食にも気を付けるようにしてくれていたおかげで、症状の改善が早く見られたと思います。

 

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

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伝統医学から疫病の予防を考える

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新型コロナウイルスによる疫病が、世界規模で蔓延しすでに1年以上になります。今までこの病気の予防や治療において各国が実施した様々な方策は、目立った効果が得られていません。期待されているワクチンの接種は、既に始まっていますが、短時間で開発されたワクチンの安全性に関して、多くの不安の声がある一方、変異しつつあるウイルスに対する有効性も疑問視されています。

世界の人々が毎日不安の中で生活している現在、現代医学の奇跡を期待しながら、伝統医学の知恵を借りて努力してみる価値があるかもしれません。

疫病の対策において、現代医学は感染源の病原体の制御を重点に考えているが、伝統医学は個人の体質状況をより重要視しています。つまり、人々は同じ感染源が存在している環境の中において、同じ予防対策を取っていても、必ずしも全員同じように感染するわけではありません。その違いを生じる原因は、つまり個人の体質状況である。

体質の形成には様々な要素が関わっています。先天的な要素(生まれつきに物もの)があれば、後天的な要素(生まれてから生命力に関わるもの)もあります。先天的な要素は変わらなくても、個人の努力によって、後天的な要素を有効に生かせれば、疫病に強い抵抗力を持つ体質を作ること可能です。そのために、以下の方法は参考にしてください。

1、精神の集中力を高める。2千年前にできた中国伝統医学の古典である『黄帝内経(こうていだいけい)』の中に「精神内守、病安従来」という言葉が記載されています。その意味は「精神を煩労させず、常に体内に集中させて安定した状態を保てば、病気になるわけはない」ということです。精神を煩労させているのは、人間の欲望です。欲は少ないほど、精神の煩労が少なくなり、より集中しやすくなります。座禅、瞑想、気功修煉などの方法も補助的な効果があります。

2、正気を強める。同じ『黄帝内経』の中にまた「正気存内、邪不可干」という言葉があります。つまり「体内の正気が強ければ、邪気に侵入されにくい」と言う意味です。伝統医学の理論では、病気とは正気と邪気の戦いによるものであり、正気が強ければ、邪気が体内に侵入しにくく、侵入しても排除されやすい。正気を強めるために、栄養バランスの良い食事、規則正しい生活リズム、程よい労逸(ろういつ)の体の使い方などの面に気を付けるべきです。

3、経絡(けいらく)の通達を保つ。中国伝統医学の理論では経絡は体の正気(エネルギーや栄養物質)の通路です。経絡の通りが良ければ、正気が邪気のある所に届きやすく、速やかに邪気を排除したり、消滅したりしやすいです。経絡の通達を保つために、適切な運動や気功、漢方、鍼灸などの方法が有効です。実証されていませんが、経験から言えば、膏肓(こうこう)、気海(きかい)、足三里(あしさんり)などのツボに鍼灸を実施すれば、新型コロナウイルスの感染予防に効果があると思います。

さまざまな方法がありますが、正しい信念を強く持ち、安定した精神状態を保つことは一番重要かもしれません。「病は気から」ということはここにも通用します。

ヘイセイ鍼灸治療院  甄 立学

鍼灸院からの感謝

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だんだん寒くなり冬らしくなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。鍼灸院スタッフは現在のところ風邪にもコロナにも負けておりません。
さて、これが2020年最後のブログになります。今年が始まった時には、オリンピック楽しみだなと呑気に浮かれておりましたが、残念ながらコロナ一色の1年になってしまいました。そのような1年の中、無事に鍼灸院で施術が行えたことは当然ではなく、患者さんの協力があり成り立ったと、感謝の気持ちで今年のブログを締めくくりたいと思います。
まず、確保が難しい中マスクの着用をしていただきました。現在では入手しやすくなりましたが、当初は品薄で大混乱の中でも確保してくださったり、手作りでの対応など大変ご迷惑をかけました。当然、こちらの勝手なお願いにお叱りがあるかと身構えておりましたが、世間でニュースになっていたような着用拒否などで騒ぎにもならず、患者さんの協力がとても嬉しかったのを思い出します。
次に空調です。夏場の時期はマスク着用で、更に暑い思いをしている中窓を開けさせていただきました。近年の殺人的な暑さには当然冷房が効くわけもなく、辛い思いをされた方もいらっしゃっるのでは無いでしょうか。現在の冬にも言えますが、窓を開けると寒いです。気持ちの良い温度でお迎えしたいと心がけていますが、このような環境でも理解してくださり、患者さん各々に対応してくださって感謝をしております。
挙げ続けると長くなってしまいますのでそろそろ最後にします。スタッフや病院の心配、個々の独自対策での防衛など、我々鍼灸院は患者さんの心遣いに大変救われました。来年もどうなるかは誰にも解りませんが、皆様も我々も元気に、そしてノビノビ活動ができるよう願っています!!
それではよいお年をお迎えください!!

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

 

胃の不快感の鍼灸治験

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胃の不快感を訴える患者に鍼灸治療で症状が改善されました。

患者さんは40歳代の女性で、以前から疲労が溜まると胃のムカムカ感や体がふわふわする感があり、さらに症状が悪化すると食欲もなくなり、時には腹満、下痢になることもあったそうです。

この患者さんの舌は淡白色で大きく舌周囲には歯痕があり、腹部の触診では胃のあたりに冷たくて、打診では高音調のガス音があり、腹部全体にガスが張っているようです。

漢方医学の理論では、脾は消化器の機能を管理する臓器であり、脾の働きが正常であれば、飲食物の消化吸収がうまくできますが、脾が弱ければ消化吸収はうまく働かなくなります。腹部の張り感、軟便などの症状が現れます。さらに水分代謝の異常で、水湿停滞を招きむくみや冷えなどを引き起こすこともあります。以上のことを踏まえて分析してみれば、この患者さんの場合は脾の機能低下による水湿停滞が考えられます。

これに対して、治療は、脾経の「陰陵泉」「三陰交」「公孫」などのツボを中心に、胃腸を整える「足三里」「曲池」「内関」「中脘」「天枢」、冷えに対して「陰交」などのツボを合わして鍼と灸を施しました。

治療直後から胃のムカムカ感は軽減し、腹部の張り感も緩和されました。しかし、日にちが経てば、また症状が現れます。週一回治療しているうちに、胃の症状は現れにくくなり、延べ5-6回治療した後、症状は再現しなくなり、毎日胃がすっきりしていて日常生活が過ごしやすくなったと喜んでくれました。

慢性の胃腸症状で悩まれている方が多くいると思いますが、薬などの治療法以外に、鍼灸治療も選択肢の一つであるかもしれません。

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

初秋に多発する筋肉痛の鍼灸治験

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春先及び秋口、寒暖交替の時期によく急性筋痙攣による強い筋肉痛の患者さんは鍼灸院に訪れます。今年も何人かこのような患者さんはいました。
発生する部位は様々、頚部、肩甲骨の内側部、脇腹、腰背部、大腿部、下腿部などがよく見られます。

多くの場合、症状は急に発生し、最初は僅か一部の筋肉が痙攣して強く痛み出しますが、徐々に範囲を広げて、広範囲の筋肉痛になります。殆どの患者さんは強い痛みによって運動が制限されて、日常生活の動きにも困難が感じます。

このような患者さんに対して、鍼灸院では筋肉痛の部位にあるツボに鍼を刺したうえ、モグサをつけてお灸を行い、更に痛い部位に関連する経絡のツボに鍼をすれば、筋痙攣が緩和され、痛みがすぐ改善できます。

ある30代の女性、飲食業に勤めていますが、9月下旬に仕事中、急に脇腹に強い痛みを感じ、暫く体が動かなくなりました。
近所の整骨院や鍼灸院で治療を受けましたが、改善されないため、知り合いの紹介で発症後の三日目に当院に来られました。その時、右側の脇腹に強い痛みを感じ、治療のベッドに上がることも大変困難でした。
これに対して、強くこわばっている筋肉部に鍼とお灸(灸頭鍼)を実施し、関連する経絡のツボに鍼を刺して暫くそのまま休みました。そして、鍼を取り、スムーズにベッドから起きて動いてみたら、痛みはかなり緩和され、随分楽に歩けるようになりました。
このまま一日おきに三回治療した後、症状は消え、仕事に復帰しました。

このような筋肉痛は急性発症で、症状もかなり強いですが、診断と治療が適切に行われると症状の改善も早く、早期に回復できます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学

膝の手術後の鍼灸治療について

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今回は膝の手術後に対しての鍼灸治療のお話をしたいと思います。

この患者さんは膝に人工関節を入れるため手術を受けました。しかし手術後に腫れが出てきたので鍼灸での対応を行いました。


元々、別の症状でご来院されていたのですが、人工関節を入れて、長く歩けるようにするため手術を受ける決意をしました。当然、僕も応援する内容でしたし、リハビリが終わったら、再来院していただく予定でした。

しかし、手術後に腫れが出るのは解っていましたが、リハビリから3カ月ほど経ってもひかず、思ったより治りが遅く困っておられました。何か手立てが無いかということで、早く良くなるように鍼灸院に来院していただきました。

今回の治療としては、人工関節の部分は一切触らずに、その周囲から少し離れた4隅に灸頭鍼を行いました。温かさが感じられるまで灸頭鍼を行い、シンプルですがそれだけで様子をみました。

週1回のペースで、3回目の施術で腫れ、血色とてもよくなり歩きもスムーズになりました。患者さんも僕もとても喜んだのをおぼえています。

この経験は他の手術後の患者さんにも、良い効果が期待できるかもしれないですね。

鍼灸治療院 shima

慢性腰痛の鍼灸治験

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20歳代の女性が腰痛症状で来院されました。2か月前から前屈みの姿勢や長く座っていると腰仙部に電気が走るような痛みが現れ始め、症状が徐々に悪化し日常生活に支障が出るようになりました。また患者さんの自覚症状で手足の冷えは感じますが、その他はとくに症状はないとのことでした。冷え性もあったことで症状の改善が遅れたようです。

治療は局所の循環改善を目的に腎兪(じんゆ)、関元兪(かんげんゆ)、上仙穴(じょうせんけつ)に鍼灸を行い、経絡巡行を考え風府(ふうふ)、大杼(だいじょ)、委中穴(いちゅうけつ)に鍼を行いました。
1回の治療で電気の走るような痛みはなくなりましたが、軽い腰痛症状は残ったので、数回治療して症状はほとんど治まりました。患者さん自身の体力もあったので、比較的早く症状が改善してくれたように思います。

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

片側顔面痙攣の鍼灸治験

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患者さんは60代の女性、「片側顔面痙攣」で令和2年1月末に当鍼灸院に訪れました。
1年前に発症、まず右眼の下方に痙攣が発生、その後次第に右顔面部全体に痙攣が広がりました。病院の眼科を受診し、脳のMRI検査を実施しましたが異常無しとのことでした。ボトックス療法(手足の拘縮などを和らげるA型ボツリヌス毒素を薄めたものを顔の筋肉に少量注射し、筋肉を麻痺させて痙攣を起こりにくくする治療法)を受けて3か月間は症状が緩和しましたが、その後再発。鍼灸治療を試してみたいと思い、当院に来られました。

片側顔面痙攣の原因に関して、現代医学の認識では、顔面の運動を司る「顔面神経」の付け根に血管が圧迫することが直接的な原因だと考えられています。また血管の圧迫を起こす原因は、ストレスや疲労などに関係があるといわれています。

漢方と鍼灸医学の理論から原因を分析してみると、筋痙攣は「肝風内動」の症状ですが、肝血虚や肝気鬱滞が「肝風」を生じる原因になっています。
肝血虚を起こす原因は様々ありますが、眼精疲労や睡眠不足などがあげられます。
一方、肝気鬱滞を起こす原因は、精神緊張などのストレスが多く関与していると考えられます。
このように比較してみると、現代医学の認識と鍼灸医学の認識とは部分的に一致しています。

ただ顔面部は主に陽明胃経が分布している区域であり、胃と脾は腑と臓の表裏関係なので、顔面部の痙攣が陽明胃経や太陰脾経にも関係していると鍼灸医学は考えています。
まとめて言えば、顔面痙攣に対する鍼灸医学の診断は「肝気鬱滞」、「肝脾不調」だと言います。

この患者さんの体質から言えば、既往歴に胆石の手術を受けた以外、特に問題はなかったそうです。事務仕事で、パソコン使用が多いので、目の疲れを感じます。顔の表情はやや硬いですが、精神的なストレスは特にないと訴えられました。

関連症状から「肝気鬱滞」、「肝脾不調」の証を立証できるものはあまりないので、治療は理論分析に基づいて行いました。

肝気鬱滞に対して、膻中(だんちゅう)、気海、期門、内関、肝兪などのツボを使い、肝脾不調のために足三里、三陰交、曲池、合谷、脾兪、胃兪などのツボを使いました。顔面の局部に人中、承漿(しょうしょう)、地倉、頬車(きょうしゃ)、下関、糸竹空(しちくくう)などのツボを使いました。

以上のツボを使って週1回程度の治療を始めてから、顔面の痙攣が次第に軽減し、4月の中旬まで計15回の治療が終わってから、痙攣の発作は殆どなくなりました。顔の表情も前よろ柔らかくなり、治療は一旦中止し、様子を見ることにしました。

これは漢方(鍼灸)医学の理論に基づいて治療を施した症例です。
原因判断が難しい時には、病症の特徴から理論分析を通じて治療方針を定めることもできます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学

舌痛症(ぜっつうしょう)の鍼灸治験

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舌の痛み を訴えた50歳台の女性が来院されました。
1年前に喉のつまり感が現れ、舌の左側にピリピリと痛みが走るようになりました。症状が現れる頃から、環境が変わり常に気が張った状態で寝ても疲れが取れないなど慢性的な疲労感やストレスもあったそうです。既往歴で、10年前に左顔面麻痺を罹ったことがあり今も軽度の麻痺が残っています。また子供のころから胃が弱かったそうです。舌質は淡紅色で、舌体には白苔があり、脈は弱く、腹部は全体的にガス音が強いので、この患者さんの体質は「脾気虚」と「気滞」があると考えました。

漢方医学の理論では、体内の気血が滞りなく運行することで体の健康状態を維持していると考えます。舌は五臓六腑の栄養を受けており、とくに血絡が豊富で、血脈を主る「心」と気血生化の源である「脾胃」が密接に関係しているので、臓腑・気血の病変が舌に反映されます。また「心」は精神活動を担っている臓器でもあるので、過度なストレスが「心」に影響を与えることもあります。
この患者さんの場合は、脾胃が弱く気血の生成が不十分で、長期的なストレスにより気の運行が滞って舌を栄養できず、もともと麻痺が残っていた左側の気血循環の弱いところに症状が現れたと考えました。

これに対して、膻中、期門、中脘、天枢、気海、足三里、地機、豊隆、合谷、胃兪、脾兪、心兪などのツボで、脾胃の機能を改善し、気の巡りを促すようにしました。
施術を開始して数回ではあまり効果は現れませんでしたが、週1回の施術で1か月経つ頃には症状に変化が現れ、半年経つ頃には症状がない日も増えてきました。ただストレスを強く感じる時は違和感が現れることもありますが、現在も治療を続けてくれています

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

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