カテゴリー別アーカイブ: 認知症疾患医療センター

認知症 家族教室グループワークの報告~睡眠編~

皆さんこんにちは!最近は心地よい気候に落ち着き、少しずつ秋が深まっていますね。皆さんはいかがお過ごしですか。
いつもならこの頃に、わくわくカフェ(認知症カフェ)や認知症の方のご家族を対象とした家族教室を開催している時期になります。しかし現在はコロナの流行もあり、開催を検討している段階です。

本日は、過去の家族教室のグループワークで話し合った対応方法について、このブログを読んでくださっている皆さんにも共有できたらと思います。

今回は「(認知症のご本人が)夜よく眠れていません」という問題について①眠れない要因についてどんなことがあるか、②どんな対応ができそうかという2点について参加者の皆さんから挙がった意見をまとめてみました。

まず、【①眠れない要因について】です。
挙がった意見としては、「昼寝をしすぎたかな」「トイレの回数が多いのかも」「騒音などの環境」「運動不足」「なにか心配事があるのかも」「寝酒・コーヒーが多い」「痛みがある」など様々な意見が出ました。皆さんはどのような考えが浮かびましたか?

そして、【②どんな対応ができそうか】についてです。
挙がった意見としては、「昼寝を短くする」「運動をする」「入浴時間を検討する」「安心感が持てるように」などの意見が出ました。
1つの問題についても、様々な要因と対応策が挙がりました。1人で考えるより、他の参加者の方の意見も聞けることで、「勉強になった」という感想が聞かれました。

今回は【夜よく眠れていません】という問題についてでしたが、日々のもの忘れ外来でも様々な困り事をうかがいます。

もの忘れ外来には医師、看護師、精神保健福祉士、心理師などのスタッフが在籍していますので、抱え込まずに気軽に認知症疾患医療センターのスタッフまでご相談いだたけたらと思います

そして家族教室が開催された際には、皆さんも是非ご参加くださいね。

認知症疾患医療センター 心理士 N

貸し出し本のご紹介

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まだまだ残暑が厳しいこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
9月は初秋。「○○の秋」と良く言われますが、読書の秋を楽しまれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、認知症疾患医療センターの貸し出し本『認知症を楽しく生きる』を紹介させていただきます。この本は著者の姑が多発性脳梗塞による老人性の認知症に罹り、92歳で亡くなるまでの十五年半に渡る闘病生活について書かれています。千葉県で暮らす著者と茨城県で暮らす姑。当初5年半は茨城県での生活を望み、周囲の温かい協力のもと独居生活を送りますが、その後十年間は著者の家へ引き取られます。初めての神経内科受診、介護サービスの利用、そして老人ホームへの入所に至るまで、家族の日常の様子が細かく描写されています。
著書はあとがきで、驚くまいとしても驚くことばっかりだった、姑は認知症とはどういう病気なのかと実演して見せてくれているようだったと語っています。認知症の人の家庭での介護に少しでも役に立てば、そんな著者の願いがこめられた1冊です。一見500ページ近い分厚い本にはなりますが、一つひとつのお話が4ページ程で書かれており、とても読みやすくなっています。

認知症疾患医療センターでは他にも認知症に関する本の貸し出しを行っています。ご興味のある方はお気軽にお声かけ下さい。

精神保健福祉士 A

認知症予防って?

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最近,認知症の「予防」ってよく見聞きすることがありますよね。

「○○予防」というと、その病気にならないための「予防」と考えがちです。認知症の場合、もちろん認知症にならない!という予防の考え方も大切です。でも、年齢を重ねれば重なるほど、言い換えれば全身の老化が進めば認知症になる可能性はだんだん高まるので、現時点では絶対に認知症にならない!!という予防法はありません。

医学的にいうと「予防」という言葉は、一次、二次、三次に分けられます。
一次予防は、前記のようにその病気にならないための予防です。
二次予防は、医学的にいうと早期発見・早期対応・早期治療のことを表します。
三次予防は、病気になったとしてもリハビリに取り組んで機能の回復・維持を図ったり、病気の再発をできるだけ防ぐことを表します。


世界的な研究によると、認知症発症の危険因子がだいぶんわかってきています(図1:認知症の12の危険因子)。

認知症の危険因子は、世代によって重み付けが異なっていることもわかってきています。図にあることで思い当たることがあって、将来認知機能をできるだけ維持したいなあという方は、ぜひ生活習慣を見直しましょう。

私個人としては、とてもざっくり言って認知症予防(一次、二次、三次とも)に大切なのは、「ヨボヨボ予防」だと思います。
よぼよぼには、「体」のヨボヨボと「心」のヨボヨボの2つの面があります。
体のヨボヨボは、すぐに想像がつくように手の動きや足腰の動きをしっかり保つことです。膝が痛かったり腰が痛かったりいろいろあるかもしれませんが、そうであっても動かせるところはしっかり動かして、痛みも軽減できるようにお医者さんとも相談していきましょう。

心のヨボヨボは、「あれもたいぎいこれもたいぎい」、「あれもしたくないこれもしたくない」という気持ちをできるだけ遠ざけることが基本です。そんな気持ちが増えていくと、笑顔も減っていくことが多いように思います。
でも、高齢になったり認知機能が衰えたりすると、その気持ちを遠ざけるために周囲の方々の理解とサポートが必要になります。周囲の方々も、思いやりが「重い槍」に、労り(いたわり)が「板割り」にならないように、お互いが心地よく笑顔になれる工夫が必要です。
その工夫がうまくわからない時は、病院や介護スタッフに遠慮なく尋ねましょう。

もう1つとても大切なのは、食事のいろどりです。塩分を控えたいろどりある食事は、体と心のヨボヨボを防ぐのにとても効果があります。暑くて食欲がないからと言って、今日もソーメン明日もソーメン(とつゆ)にならないように、色々な食材を食べましょう。

暑くて暑くてしかもコロナコロナの日々ですが、皆様どうぞ健やかに過ごしましょう!

認知症疾患医療センター センター長 涌谷 陽介

七夕に願いを

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本日7月7日は七夕です。
七夕といえば短冊に願い事を書いたことがあると思いますが、今年はどんな願い事を思い浮かべますか?健康や家族の幸せ、世界の平和等など人それぞれ色んな思いがあると思います。
願い事をする時はなかなかないので、今日はちょっと自分のためにお願いしてみるのも良いかなと思ったりします。
認知症疾患医療センターは、「コロナウイルス感染症退散!!」を願います。
また、笹に飾る色とりどりの折り紙を折るのも、脳活性化にもつながりますし、また落ち着いた時間が流れ家族や友人などと楽しむことができますね。言葉にできない方も、きっと自分の心の声を少しでもよいので書き留めてみるという時間になると思うので、七夕のこの日を楽しんで過ごしましょう。

医療秘書 S.U

ありがとうとごめんなさいは無敵です

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もうそろそろ梅雨入りですね。近くの公園の紫陽花は、梅雨入りをいまかいまかと待ちながら蕾をすこしずつ膨らませているところです。 梅雨前のこの時期は、まだ蒸し暑さになれていない上に時折肌寒く感じる日もあり 体調管理がたいへんですが、皆さまはお元気にされていますでしょうか?
さて私の母の話です。
高齢の母は今年満90歳を迎えます。幸い、足は丈夫で杖もなく歩くことはできていますが、段差などがあれば、ふらつく事もあります。

母に「手すりをしっかりもって、段差をよく見て、回りもみて、もし、こけたら骨折して入院し手術する事になるよ。手術になんかなったら寝たきりになって、家に帰ってこられなくなるよ・・」と余計な事まで言ってしまい、自己嫌悪に陥る毎日です。

そんなある日、母と近くのスーパーへ買い物に行きました。
買い物を済ませ、母がトイレに行きたいと言うのでトイレまで連れていき、車の中で待っていました。
その時助手席のドアが開くので、お帰りと振り向くと、見知らぬ高齢の女性が車に乗り込んで来ました。
そして、「はい、大丈夫です、行ってください。大丈夫です・・」と同じ事を繰り返し言ってます。
びっくりした私は、「あの、車を間違えていますよと声をかけたのですが、大丈夫です。行って下さいと・・

母も車に戻ってきて、あら、この方お知り合い?と私に問いかけ私が全然知らない人よ、家族が探がされていると思うので見てくるわと母と見知らぬおばあさんを2人残し、家族の方を探しに行きました。

駐車場に私と同年代の息子さんらしき人が車の中や回りを探されていたのですぐこの方の家族だと分かり声をかけました。

私:もしかしてお母さんを探されていますか?
息子さん:そうです。探しています。私が買い物を済ませ車に帰ってきたら母の姿がないのでびっくりして、警察にお願いしようかと思っていました。
私:もしその方であれば、私の車で待たれていますよ
息子;そうですか?有難うございます。本当に困ったものです。
私:いえ、大丈夫ですよ

車に帰ってみると、母とおばあさんが声をあげて大笑いしています
何の話をしているのかこっちが困って探し回って心配しているのにいい気なもんだなと思っていると、息子さんがおばあさんに

息子:おかん、いい加減にしてくれ、他人の車に乗って何をしとんな。車で待ってろって言っただろう。頼むから言うことを聞いてくれ もう、どこにも連れて行けなくなるぞと・・怒鳴なられる。

私:あの~気持ちはよく分かります。うちの母も同じですから・・白い車を見たら娘の車と思い知らない車に近寄って行きます。何で、こうなってしまったのかと思いますよね

息子:20年前に父が亡くなり母と2人で暮らしています。少し前までは家事も出来ていたのですが・・男の私では至らない事もあり母には可哀想な思いもさせていると思います。でも、つい怒鳴ってしまいます。

私:あまり頑張りすぎないでくださいね。と言いおばあさんと息子さんと別れました。

まるで、自分自身を見ているようで他人事の様には思えない体験でした。

仕事では、患者さん家族に寄り添い、声掛けをして患者さんや家族の方の気持ちになれるようにと、接していますが、いざ、自分の親や、家族だと不安や焦りもなどもあり、優しくしたいのについ声を荒げてしまう事があります

昔の様に働き者で、厳しかった母はどこに行ってしまったのか・・・今では、同じ話を繰り返し、同じことを聞いてくる母と接しているとストレスを感じる時があります。

そんな母との付き合い方について最近読んだ本があります

著書は脳科学者の黒川伊保子さんです。
その本では、高齢な母との付き合い方は「有難う」と「ごめんない」のサンドイッチは無敵である。
そして会話は「情報交換」ではなく「情を交わすもの」と書かれています。

本の最後に、母との会話にゴールは必要ない。会話の目的は母を癒す事。
無理して、介護と仕事を両立させ完璧にこなさない。

上手に周囲の力を借る。一生懸命やりすぎない事が、介護のポイントと書かれています。

最近は母と接する時、情報や理解ではないと自分に言い聞かせて接するようにしています。
私のような高齢な親を持たれている方、是非実践してみて下さい。

認知症疾患医療センター看護師 K

 

 

 

 

マインドフルネス

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新年度を迎え約1ヶ月が過ぎました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近では少しずつ気温が上昇し、夏の準備が始まりつつありますね。また一昨年から流行している新型コロナウイルス感染症により、“マスクの着用”“密を避ける””などの新しい行動様式を意識する生活に大きく変わりました。そのような生活はいつまで続くのかといった不安を感じ、ストレスをためがちになっている方もおられると思います。今回はそういった負の感情を少しでも軽減する方法の1つとして、“マインドフルネス”をご紹介します!

マインドフルネスとは、自分の身に起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識することをいいます。仏教の瞑想法が起源であり、イライラや怒り、ストレスの軽減など、感情のコントロール力が向上すると言われています。心身の健康などの向上のためのプログラムとして、多くの企業でも取り入れられているようです。現在感じる必要のない過去や未来のストレスから離れ、“今この瞬間”に注意を向け、余計な思考や感情にとらわれないようにすることが、マインドフルネスの考え方です。

では、皆さんもやってみましょう。やり方について説明します。
①イスに腰掛け、背もたれから離して、足は組まずに座ります。目は閉じましょう。
②接触の感覚(足の裏と床、お尻と椅子、手と太もも)や重力の感覚に意識を向けてみましょう。
③呼吸に注意を向けます。鼻から吸って鼻から吐き出し、腹式呼吸(吸うときにお腹が膨らむ、吐くときにお腹がへこむ)でゆったり行いましょう。

マインドフルネスは実感できるまでに個人差があり、瞑想を始めると雑念がわくと思いますが、「雑念がわいたらだめ」と思うのではなく、雑念に気づき、受け止め、今の呼吸に集中することを繰り返していくことが大事です。
そして理想は毎日5~10分程度行うのが良いとされていますが、忙しくなかなか続かない方は、1分行うだけでもいいです。1番習慣づけしやすいタイミングで、まずは継続してみましょう。

今回はマインドフルネスについて簡単にご紹介させていただきました。「ちょっと疲れたかも」と思うことが増えたら、身体や心が疲れているサインかもしれません。日々の生活に取り入れていただき、皆様の心が少しでも軽く、明るい気持ちになれる手助けになれば幸いです。
公認心理師 N

一年間を振り返り

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桜の蕾がちらほら咲き始めて、「春がきたな~」とコロナ禍ながら四季を感じほっこりする季節になりましたね。新型コロナウイルスのワクチン接種も3回目が始まり、より一層、早期の収束を願いたいところです。

 

私事ではありますが、認知症疾患医療センターの一員として今年の3月で1年が経過致しました。

もの忘れ外来を初めて受診される患者様・ご家族に対して事前問診をさせていただいてますが、「もの忘れ」と言っても、多種多様なケースがあると実感しております。

認知症疾患医療センターの一員として、精神保健福祉士の知識と技術をもって、微力ながらお力になればと思っております。

より多くの方に当院の認知症疾患医療センターを周知していただき、より信頼出来る、センターを目指していきたいと思います。

 

自身のスキルアップも含めて、学ぶべき事は多いですが、「日々、勉強。」と思い、業務に努めていきたいです。

 

随時、ご相談お待ちしておりますので、お気軽にご連絡下さい。

 

認知症疾患医療センター 精神保健福祉士 K

ある日の診察室から

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W:こんにちは.初めまして

Oさん:こんにちは(緊張気味)

W:Oさん,この病院は初めてですか?

Oさん:5年ぐらい前に来たことがあるはずです.人間ドックだったかな?

W:あ〜〜,確かに胸のレントゲンとか頭のMRIが6年前の分がありますねえ.それで,今日はどんなことが気になって?

Oさん:この人たちがわすれ物が多いとか記憶が飛んでるとか言うんです...

W:この人たちっていうと?

Oさん:こっちが息子でこっちが娘です.

W:みなさんご一緒にお住まいですか?

Oさん:いえ,お父さんと二人です.

W:そういえば,旦那さんは?

Oさん:今日は家で留守番です.

W:旦那さんからは,何か言われるんですか?

Oさん:あの人はなんも言わん

ご家族:父は,ぼーっとしていることが増えたと言っていました.

Oさん:そんなことお父さんから言われたことないわあ

W:なるほど.そういえば今日は先に物覚えとか判断力の検査を先にしてもらったんだけど,どうでした?

Oさん:初めてだったから緊張しました.日付とか覚えておいてくださいとか,やっぱりボケの検査なんですよね.

W:確かにそうとも言えますが...でも今日は特に極端にもの忘れがひどいわけではないみたいですよ.30点満点の認知機能検査で28点でしたので,よかったですよ.頭のMRIでは,脳の萎縮は目立ちませんが,いわゆる「かくれ脳梗塞」がありますねえ.

Oさん:いつ起こったんでしょうか?

W:断定はできないけど,多分1年以上経ってるかもしれませんねえ.

ご家族:私たちも特に気がつきませんでした.

W:ちなみに旦那さんが言われる「ぼーっとする」というのはいつ頃からですか?

ご家族:確か父は1年半ほど前からだと言っていました.

W:お二人が「もの忘れ」が気になり始めたのはいつ頃からですか?

ご家族:特に気になり始めたのは,ここ半年ほどです.

Oさん:そうかなあ

W:突然ですけど,最近気になるニュースはありますか?

Oさん:そりゃ先生,東京オリンピック でしょう.

ご家族:お父さん,オリンピック 一緒に見ててもぼーっとして,次の日には忘れてることがあるって言ってたよ.

Oさん:そうかなあ

W:お二人は,その「ぼーっとする」を実際に見られたことがありますか?

ご家族:ないですけど,一回だけ電話をしていて20秒ぐらい急に会話が止まったことがありました.

Oさん:なるほど

W:「ぼーっとする」とき,何か他に気になることはないですかねえ.

ご家族:わかりません.父は家にいるはずなので,電話してみましょうか?

W: ぜひぜひ

・・・・・・・

ご家族:父に尋ねたら,難しそうな顔をして口を尖らせたりすることがあるようです.

Oさん:そうかなあ

W:なるほど,なるほど....

 

いきなりですが,この方の診断は「高齢者てんかん」でした.
「てんかん」は,子供や若い人の病気と思われがちですが,実は加齢自体や加齢に伴う脳の病気(例えば脳梗塞や認知症など)に伴って増えてくる病気です.
Oさんのように,「もの忘れ」「記憶が飛ぶ」「ぼーっとする」と言った表現となるてんかん発作のタイプも多いです.その時には,顔をしかめたり,口を鳴らしたり,体を揺らしたり,手をもぞもぞしたり,何かしらいつもはみられない変化を伴うこともしばしばです.
Oさんは,「てんかんなんて信じられない!」という感じでしたが,脳波をとったりして病気のことを理解していただきました.幸い「抗てんかん薬」がとてもよく効いて,「ぼーっとする」のも気にならなくなり,生活を楽しんでおられます.

脳神経内科部長・認知症疾患医療センター長 涌谷陽介

節分豆で脳トレーニング

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2月3日は節分でした。
豆まきをや恵方巻きを食べた方も多いと思います。

豆まきにちなんで、余った節分豆で脳トレーニングをしみませんか?
豆をお皿にのせて、お箸でつかんで別のお皿に移動させる、ちょっとした簡単なゲームです。
コロナの環境で、外出や大勢で、デイサービスなどの交流が難しい中で、お家で簡単にできて楽しいです。

集中して手を使うため,脳が刺激され、家族と楽しむことができて盛り上がりますよ!
楽しく、認知症トレーニングができることがとても効果的です。

医療秘書 U.S

 

認知症介護 5つの心得と7つの原則

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みなさまお元気で新年をお迎えの事と存じます。

今回は、ハッピーな認知症介護のための7つの原則についてお話したいと思います。

はじめに、私がこの題材を選んだきっかけは、母がもの忘れ外来に通院しはじめたことです。コロナがきっかけで買い物に行かなくなり、洗濯も裏口に段があるため転倒の恐れがあり、させなくなったことが原因で、昨年のお正月に認知症が進んでしまいました。
そして、認知症のせいだと分かっていてもつい感情的になってしまう、そんな自分が情けなく疲れ果ててしまったのは決して不思議なことではありません。そんな認知症の方のご家族がその介護のストレスを少しでも軽くするためのヒントや工夫を挙げていきます。

認知症介護 5つの心得と7つの原則

5つの心得

1.頑張りすぎない
過度な頑張りの裏には元気なままのご家族であってほしいという愛情とそれが叶わないかもしれない悲しみが横たわっていることもあるかもしれません。その気持ちを見つめ、あるがままを受け入れ、頑張りすぎなくていいんだと、まずは患者ご本人よりも自分に優しくすることが第一です。

2.抱え込まない
認知症が進むにつれて、患者さんご本人もご家族も周囲とのつながりが薄れていく傾向もあります。初期のころから同じ悩みをもつ仲間や家族会などと繋がりを持ち、抱え込まない意識を持ち続けましょう。

3.弱音を吐く
弱音や愚痴を少しずつ、でも「きちんとこぼす」ことも実は認知所う介護にはとても大切なのです。

4.比べない
介護に正解はありません。介護者ご本人が、自分らしくいられる介護がもっとも素敵な介護だといえます。

5.終わりを考える
目の前の苦しみがいつ終わるのか、本当に終わるのか、分からない辛さは確かにありますが、「いつか終わるもの」と気を長く持ち、その終わりを迎える時に患者さんご本人もご家族も笑っていられるように今を過ごしましょう。

7つの原則

1.ゆったり、ゆっくりを心がける
介護者が会話も動作もゆったりゆっくりを心がけましょう。

2.五感をいかしてコミュニケーションする
声に感情や表情をつけ、質・大きさを工夫しましょう。顔をしっかり合わせ豊かな表情で対応しましょう。身振り手振りを交えたり、接触時は優しく触れましょう。

3.共感し感情を合わせる
表情や感情の共有を意識すると、安心感を与え、介護がスムーズになります。

4.認識や心の世界を理解する努力を
介護者が心の世界を尊重し、理解しようとする態度は信頼や安心を生み出します。

5.分かりやすく調整する
分かりやすい言葉で声をかけ、集中できる環境を整え、慣れ親しんだものは変えないようにしましょう。

6.かけがえのない、有能な存在であることを感じてもらう
役割や仕事などを通して自分も役に立つ存在であること、他人のために何か力になれる存在と感じることはとても大切です。

7.外部との繋がりをもつ
自宅でリラックスするのとは別に、よそ行きの顔も大切。外出し、よそ行きの顔を使うことは患者ご本人の社会性を保つ大切な機会です。

おわりに
患者ご本人だけでなく、介護者であるご家族ご自身が様々な支援をうけて、頑張りすぎない。無理をしない。それが認知症介護の一番の秘訣なのです。

看護師 Y.A