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【本日 9月20日(火)18:15~放送の KSB瀬戸内海放送「News Park KSB」に倉敷平成病院管理栄養士小野詠子科長が「食欲の秋はほんと?」について取材協力しました】
2022年9月20日(火)18:15~放送の KSB瀬戸内海放送「News Park KSB」に倉敷平成病院管理栄養士小野詠子科長が「食欲の秋はほんと?」について取材協力しました。
管理栄養士の視点から「秋」の食生活で気を付ける点についてお話いたしました。
9月16日(金)に取材を受ける様子。
秋になると、サンマや果物など美味しいものが沢山。食欲の秋はホントなのでしょうか?管理栄養士がお答えします。
是非ご覧ください。
秘書広報課
栄養科通信vol.181「災害時の食品の備え」
9月は防災月間です。地震、台風、水害など災害はいつどこで起こるか分かりません。災害発生からライフラインの復旧までには1週間以上かかることが多く、スーパーが機能しない、災害支援復旧物資が届かないなど、食品が手に入らないことが考えられます。そのため長期保存ができる食材を用意しておく必要があります。食品の備蓄方法として、災害用の非常食だけでなく日常で使用でき災害時にも使えるものをバランス良く備える、ローリングストックという方法がおすすめです。
ローリングストックとは普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限が切れる前に古いものから消費し、消費した分を買い足すことで常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つ方法です。メリットとして、普段の買い物の範囲でできるので時間がかからないこと、買い置きのスペースを増やすだけで出来ることが挙げられます。
家族の人数×3日分~1週間分を目安とし蓄えておきましょう。
ローリングストックに適しているものは常温保存ができ、期限が1年程度のものです。
災害直後の支援物資はおにぎり、パンなどの炭水化物が多いことが想定され、たんぱく質(魚、肉など)、野菜類の摂取が難しい状態になると思われます。大きな災害ではビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素がとれず、便秘や口内炎などを起こしやすかったようです。不足しがちなたんぱく質、野菜を摂取できるよう、水やパックご飯、カップ麺などだけではなく、ツナ缶や鯖缶などの缶詰やレトルト食品、切干大根やひじきなどの乾物がおすすめです。
いつ、もしものことが起こっても大丈夫なように普段から食品の備蓄をしておきましょう。
参考:農林水産省Webサイト
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html
管理栄養士 Y.M
【小児がん経験の小中高生を対象にした食育イベントに倉敷平成病院 管理栄養士が講師をつとめました】
8月28日(日)、就実大学(岡山市中区)にて、小児がんを経験したお子さんの成長過程で問題となる生活習慣病など晩期合併症を知り、予防しようという食育クッキングイベントが開催され、当院小野栄養科科長(管理栄養士)が講師をつとめました。
小児がん患者家族会「あゆみの会」の小中高校生計6名が参加され、栄養バランスの取れた昼食メニューを考案し、共に調理することを通じて、規則正しい食事や生活を整えることが予防には大切だということを紹介しました。
生活習慣病予防のために、魚と野菜を食べる・バランス良く・減塩に慣れるをテーマにしたメニューとして、【おにぎらず・味噌汁(塩分濃度測定)・サバ缶ハンバーグ・サラダチキン・フルーツ寒天】の5品を紹介されたそうです。
「おにぎらずはご飯と肉、卵、野菜をまとめて食べられ、フルーツ寒天もラップで包んで一緒にお弁当として持って行けます。将来一人暮らしをした時のために、簡単に作れてバランスよく食べられるものを考えました。子どもたちは手際よく調理でき、驚きました。作った味噌汁の塩分濃度を測ってみると、0.3~0.7%と薄味で(標準0.8%)、自分の身体は自分で守るという意識があるのだと思いました。」とお話されていました。
料理は子どもたちだけで作り、出来上がりをお弁当箱に詰めて親御さんに見てもらい、一緒に食べられたそうです。
このような活動を通じて、子ども達の力になれればと思います。
この様子は、8月29日(月)の山陽新聞にも紹介されました。
※晩期合併症とは
現在、⼩児がんは治癒する病になってきました。しかし、子どもは発育途中であることなどから、成⻑や時間の経過に伴って、がん(腫瘍しゅよう)そのものや、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって合併症が起こることがあります。これを「晩期合併症」といいます。晩期合併症は、⼩児や若年のがんで特に問題となる現象です。
(国立がん研究センターHPより)
秘書広報課
栄養科通信vol.180 「紫外線に負けない食事」
肌が露出している部分に紫外線がさらされて、赤みや痒みを伴う発疹などの症状がでることがあります。これを光線過敏症といいます。
原因はアレルギーや遺伝、代謝異常などがありますが、原因不明なものが多いとされています。紫外線の対策は外側だけでなく、体の内側からもとても大切です。ここでは食事でケアできる方法をお伝えします。
◎体内から紫外線に負けない肌作り
紫外線は皮膚のタンパク質にダメージを与えて皮膚炎を起こします。皮膚組織を丈夫にしておくことが大切です。皮膚炎は乾燥肌の一種でもあるので、対応食で予防や改善ができます。
●タンパク質食品
肌の材料でもあるタンパク質が不足すると、紫外線によるダメージを補修できません。たんぱく質には動物性と植物性があり、動物性は肉、魚、乳製品。植物性は卵、大豆製品です。
●ビタミンC
シミを薄くする働きやコラーゲンを作ります。水に溶けやすいので、生のまま食べる方がより効率的に摂取できます。
●ビタミンE
血行を良くすることで肌の生まれ変わりを促進します。ごまやアーモンド、油に含まれます。
●カロテノイド
抗酸化力があるので紫外線が強い夏場におすすめです。パプリカ、ほうれん草、人参やトマトに含まれます。
●ムチン(ネバネバ成分)
オクラ、モロヘイヤ、なめこ、もずく、納豆、長芋などがあります。
光線過敏症は痒みや痛みも生じることがあるので、炎天下の外出を控え、日焼け止めや日傘などで外から皮膚を日光や紫外線から守りましょう。そして、食事からも皮膚を健康に保つ栄養素をしっかり摂り、紫外線に負けない肌作りをしていきましょう。
管理栄養士 MA
栄養科通信vol.179「食欲と色について」
人間には、「視覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」「聴覚」の五感というものが備わっています。それらの中で、料理を一目見た時に「美味しそうだな!」と判断するのに一番影響しているのは「視覚」です。「視覚」は87%というほとんどの情報を占めているので、料理の色合いが変わるだけで美味しそうに思えたり不味そうに思えたりするのです。
◎食欲が増幅する色
赤やオレンジ、黄色などの鮮やかで明るい色を見ると、血圧や脈拍数が上昇し、体温も上がって食欲増進につながります。また、単に赤色に染めるのではなく、他の色との組み合わせによって食欲増進効果をよりアップさせることもできます。色相環で反対の位置にある色を補色、反対の色の隣近辺の色を反対色といいます。グリーンサラダにトマト、まぐろの刺身に大葉を添えるなどは、同系色の盛り付けに対し補色を組み合わせた例です。単調で平凡になりやすい同系色の組み合わせに対して、5~10%の補色を使うとアクセントとなり、全体の印象にメリハリを付けやすくなり、食欲増幅につながります。
◎食欲が減退する色
「青」や「青緑」「紫」などを見ると、暖色系とは逆に体温や血圧が下がります。そうなると血流も悪くなり、内臓の働きも鈍るので食欲は減退してしまうという結果を招きます。
また、青が「自然界に存在しない色」であることも食欲が落ちる理由です。人間の脳が青い色を食べ物として認識しないようにできているため、青は食欲を想起させないという仕組みになっているのです。
料理の色だけでなく、お皿やランチョンマットの色を変えるだけで美味しそうに見せることができます。食欲が減退しやすいこれからの季節、暖色系の食材を使用したり、メリハリのある盛り付けをしたり、暖色系のお皿やランチョンマットを使用することで、見た目から食欲増進をはかっていくのもいいですね。
参考
日本メディカル心理セラピー協会 https://www.domap.net/
臨床栄養 第140巻 第7号(通巻964号)医歯薬出版株式会社
管理栄養士 Y.N
栄養科通信vol.178「発酵食品について」
気温や湿度が上がるこの時期は、カビや細菌が繁殖しやすくなることから食中毒が増えます。
基本的なことを守り食中毒には注意しましょう。さて、カビ、細菌と聞くと、体に有害で、食品を腐敗させる悪者というイメージがあるかもしれませんが、種類によっては、「発酵」を手助けするものもあります。そもそも発酵とは、微生物によって食品が変化し、人間にとって有益に作用することであり、反対に有害な場合は腐敗となります。つまり微生物が働くことで食品が変化するのはどちらも同じですが、人間の主観によって「発酵」か「腐敗」かが決められています。
発酵を助ける微生物
➀カビ
麹菌・青カビ・鰹節カビなどがあり、食品に付着し糸状の伸びた菌細胞が
また新たに胞子を作って、あちこちに広がっていくという作業を繰り返します。
味噌、醤油、ブルーチーズ、鰹節などがあります。
②酵母
糖を食べて泡のように膨らんでから分裂し、増殖していきます。
糖を食べるとアルコールと炭酸ガスに分解されるので、アルコール飲料や
パン作りに欠かせないものです。ビール、ワイン、パンなどがあります。
③細菌
ヨーグルトやぬか漬け、キムチなどを作る「乳酸菌」、大豆を発酵させる「納豆菌」、食酢を作る「酢酸菌」など、さまざまな種類があります。
発酵は、原材料にはなかった酸味やコク、甘さや香りなどが生み出され、保存性を高めることや、血中コレステロール改善、免疫を活性化させる効果、腸内環境を良く
するなど健康に役立つとされています。暑くなるこれからの時期、発酵食品を積極的に取り入れ、元気に夏を迎えましょう。
管理栄養士 A.T
栄養科通信 vol.177 『クロモジ』
上生菓子を食べるときに出てくる楊枝、これはクロモジの木から作られています。
クロモジ(黒文字)は日本の本州の関東以西、四国、九州北部や、中国に分布し、低山や疎林の斜面に自生するクスノキ科の落葉低木です。
黒文字の名は、若枝の表面に黒い藻類が付着し、黄緑色の地色に黒いまだら模様の斑紋が入るため、これを文字に見立てたものといわれています。
春には小さな花を咲かせ、秋には黒い実をつるクロモジの幹と枝は、高まった神経を鎮める作用や咳を鎮め気管支粘膜の充血を取るなどの作用がある漢方薬の烏樟(ウショウ)として用いられることもあります。
また、クロモジの葉や枝を細かく刻み入浴剤として使用されることもあります。
クロモジ風呂につかると神経痛やリウマチ、肩こり、腰痛、冷え性などに効果があります。
クロモジはその香りからリラックス効果のあるクロモジ茶をはじめ、様々な製品として使用されています。クロモジの枝から抽出した精油(クロモジ油)は心身の疲れを癒し、不眠症を解消する効果、抗菌作用などがありオイルや石鹸、入浴剤に加工され使われています。
最も一般的なものはクロモジ茶です。クロモジ茶にはクロモジの主成分でもあるリナロールやテルピオネールなどが含まれています。クロモジ茶の特徴は香りだけでなく、スッキリした味も特徴的です。
岡山県内では真庭郡蒜山に多く自生しており、道の駅などで乾燥させた葉や枝を購入することができるので、お茶にして飲んだり、焼酎に漬けてエキスを抽出したり様々な用途に活用できます。
5月病や梅雨の時期の鬱屈とした気分になるのが心配な方はクロモジを準備しておくといいですね。
管理栄養士 S.N
栄養科通信176「骨粗鬆症の治療、二次性骨折の予防は倉敷平成病院OLSにおまかせ」
「骨粗鬆症を持つ大腿骨頸部骨折患者では再び骨折するリスクが高いことから、専門的な治療・指導管理による骨折予防が重要」という考えから、今回2022年4月から継続的な二次性骨折予防に係る管理料が新設されました。
高齢化が進み、転倒して骨折してしまう高齢者は多く、骨粗鬆症の患者さんも増加していますが、
〇「大腿骨頸部骨折の骨粗鬆症患者」では生命予後が芳しくない
〇初回の骨折が2次骨折のリスク因子である(1度骨折すると骨折を続発しやすくなる)
〇骨折・転倒は要介護が必要となる大きな要因となっている
ことが分かっています。
そこで、
①2次骨折の発生リスクが高い者を特定する
②2次骨折リスクを評価する
③投薬を含む治療を行う
④患者のフォローアップを行う
といった流れによって2次骨折予防を目指す「FLS」(骨折リエゾンサービス)が我が国でも始まっています。
実は倉敷平成病院でも、すでにOLS(骨粗鬆症リエゾンチーム)が活動しています。
整形外科医師、病棟看護師長、外来看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士で入院中の骨折患者さんに対して骨粗鬆症の評価を行い、投薬を含む治療、リハビリ後の退院後の治療継続のフォローまでカンファレンスを行っていたので、新設の管理料に対してもすでに対応できているのですが、診療報酬改定にともない一層力が入ります。骨粗鬆症マネージャーの資格も看護師2名、管理栄養士1名が取得しています。
これからも、患者さんが、骨粗鬆症治療を開始でき、脱落なく薬物療法を継続でき、再骨折率の低下につながるよう活動していきたいと思います。
栄養科 管理栄養士 A子
FLS:骨折患者の2次骨折予防が主体
OLS®:骨折患者のみではなく、診療所や地域での一次骨折予防もその活動に包含する。
栄養科通信vol.175「姿勢と肥満が関係する!!猫背の方は注意」
新型コロナウイルス感染症の影響で自粛生活が長期化し、自宅で長時間座っていることも多くなりました。
周囲の目がないため姿勢が崩れ、首が前に出て背中が丸くなった、いわゆる猫背になっていませんか。
特に食事中や食後、どんな姿勢をとっているでしょうか?
食事中や、食後にパソコンを操作しながら猫背ぎみになっているという人は要注意です。姿勢が悪い状態で食事をすると、胃腸などの内臓が圧迫されて、消化・吸収に時間がかかったり、消化不良を起こしやすくなります。消化機能が低下することにより、基礎代謝(呼吸や消化・吸収など生きていくために最低限必要とされるエネルギー)が落ちます。また、猫背のまま食べていると、食べたものが胃まで流れるのに時間がかかるため満腹のサインが出るのが遅くなり、食べすぎにつながります。結果、肥満になりやすいと言われています。その他にも、猫背は首や肩、腰の負担が大きくなり肩こりや腰痛の原因になります。
食事中の姿勢をチェックしてみましょう。
・背中が曲がっている。
・肘をついている。
・足を組んで食べている。
・携帯を見ながら食べている。
・テーブルにもたれかかっている。
1つでも当てはまるものがあれば、猫背になっている可能性が高いです。正しい姿勢を確認してみましょう。
★正しい姿勢
1. 椅子に深く腰を掛け、顎を引いて座る。
2. 足裏を床につける。
3.体とテーブルの間はこぶし1つ分開ける。
4. 膝、腰は90度を意識する。
一人での食事ほど姿勢がおろそかになりがちです。太りにくくするためにも、食事中や食後の姿勢を意識してみましょう。
管理栄養士 Y.M