栄養科通信vol.178「発酵食品について」

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気温や湿度が上がるこの時期は、カビや細菌が繁殖しやすくなることから食中毒が増えます。
基本的なことを守り食中毒には注意しましょう。さて、カビ、細菌と聞くと、体に有害で、食品を腐敗させる悪者というイメージがあるかもしれませんが、種類によっては、「発酵」を手助けするものもあります。そもそも発酵とは、微生物によって食品が変化し、人間にとって有益に作用することであり、反対に有害な場合は腐敗となります。つまり微生物が働くことで食品が変化するのはどちらも同じですが、人間の主観によって「発酵」か「腐敗」かが決められています。

発酵を助ける微生物
➀カビ
麹菌・青カビ・鰹節カビなどがあり、食品に付着し糸状の伸びた菌細胞が
また新たに胞子を作って、あちこちに広がっていくという作業を繰り返します。
味噌、醤油、ブルーチーズ、鰹節などがあります。


②酵母
糖を食べて泡のように膨らんでから分裂し、増殖していきます。
糖を食べるとアルコールと炭酸ガスに分解されるので、アルコール飲料や
パン作りに欠かせないものです。ビール、ワイン、パンなどがあります。

③細菌
ヨーグルトやぬか漬け、キムチなどを作る「乳酸菌」、大豆を発酵させる「納豆菌」、食酢を作る「酢酸菌」など、さまざまな種類があります。

 

発酵は、原材料にはなかった酸味やコク、甘さや香りなどが生み出され、保存性を高めることや、血中コレステロール改善、免疫を活性化させる効果、腸内環境を良く
するなど健康に役立つとされています。暑くなるこれからの時期、発酵食品を積極的に取り入れ、元気に夏を迎えましょう。

管理栄養士 A.T