第13回日本認知症予防学会学術集会参加報告

第13回日本認知症予防学会学術集会が「人として輝き続ける社会の実現を目指して」をテーマに2024年9月27日(金)~29日(日)パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて開催され、当院からは5名が参加しました。
涌谷陽介認知症疾患医療センター長は、「認知症の多職種協働、専門職の躍動」についての座長と、「もの忘れ外来初診者におけるレカネマブ投与基準適合者の検討」についてポスターセッションをされました。

菱川望脳神経内科部長は「認知症関連疾患、認知症とCOVID-19」について評価委員を務められました。

■ポスター発表:「認知症における比喩理解と認知機能の関係―ADとDLBとの比較―」
藤本憲正(ST・CP科課長)
言語聴覚士からは、軽度アルツハイマー型認知症(AD)者とレビー小体型認知症(DLB)者のコミュニケーション障害は存在するのか?を比喩理解課題を用いて検証し、またそれはどのような認知機能と関連するのか?について発表しました。いずれも健常者よりも比喩理解課題成績は低下し、ADは失語症状と遂行機能障害によって低下する可能性、DLBは遂行機能障害によって低下する可能性が示唆されました。会場参加による発表は感染対策緩和以降初めてで、久しぶりの発表前段階の疲労感、発表直前の緊張感、発表後の達成感を思い出すことが出来ました。

■口演発表:「非薬物療法によるBPSDへのアプローチ―不安への対応でBPSDが落ち着いた一事例-」
安信 陽菜(ST・CP科 公認心理師)
公認心理師からは、病棟で関わった患者さんの事例を発表し、認知症の行動・心理症状への対応や、昨年度から開始した園芸活動について紹介しました。学会では認知症領域で働く公認心理師の取り組みを共有できただけでなく、他の病院・施設の方の報告を拝聴することで、今後公認心理師の強みを活かし、患者さんとどのように関わっていくか、改めて考えるきっかけとなりました。学会で得たアイディアを参考にしつつ、今後もチーム全員で患者さんと関わることを大切にして業務に励んでいきたいと思います。

口演発表:「通所リハビリテーションにおける軽度認知障害に対する認知症予防の取り組み」
坂本千尋(倉敷老健 通所リハビリテーション介護主任)
通所リハビリテーションにおける軽度認知障害に対する認知症予防の取り組みについて、予防リハビリとの合同研究の内容を発表しました。研究期間が短かったため、思ったような結果は出ませんでしたが、今後もMCI予防の為に、取り組んで参ります。このような大きな会場での発表は初めてで、とても緊張しましたが、無事に発表する事が出来、このような機会を頂けたことに感謝致します。

 

第12回日本認知症予防学会学術集会参加報告

第11回日本認知症予防学会学術集会で倉敷平成病院より3名発表、涌谷センター長は浦上賞を受賞

第7回認知症予防学会にて浦上賞受賞

サルコペニア

朝夕には秋の訪れを感じられる季節となりました。食欲の秋やスポーツの秋とはよく言いますが、皆様はしっかりとお食事を摂って運動をすることができていますか?今回は食事量の低下や運動不足により引き起こされるサルコペニアについて話をしていきたいと思います。

〇サルコペニア(筋肉減少症)とは?
サルコペニアとは、加齢にともない食事量や運動量が減少することで引き起こされる、身体の骨格筋量が減少した状態のことです。65歳の以上の男女の20%程度がサルコペニア状態にあると言われています。サルコペニアは移動能力の低下、日常生活動作能力の低下をきたし、転倒や骨折のリスクを高めるだけでなく、様々な病気の罹患率を高めると言われています。

〇サルコペニアの簡易チェック
・指輪っかテスト
両手の人差し指と親指で輪っかを作るようにして、利き足ではない方のふくらはぎの最も太い部分を囲んでみましょう。ふくらはぎの方が輪っかより太い、または輪っかとふくらはぎの太さがちょうどの場合は筋肉量が十分あると考えられます。反対に輪っかとふくらはぎの間に隙間ができる場合は筋肉量が低下しており、サルコペニアである可能性が高い状態と言えます。


〇サルコペニアの予防と改善のためには?
身体の筋肉量を増やすためには、ただ運動をすれば良いという訳ではありません。食事量が少ない、または栄養バランスが整っていない食事内容のまま運動を行うと、逆に筋肉量が減少してしまう場合があります。
空腹状態や低栄養状態のまま運動を行うと、身体を動かすためのエネルギーが足りなくなってしまいます。そうなると身体の細胞は、既存の筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。その結果、筋肉量を増やすために運動を行っているのに、逆に筋肉を分解して減らしてしまうということが起きます。
以上のことから、筋肉量を増やすためには栄養バランスの整った食事を摂った上で、筋力トレーニングを行うことが必要となります。特に筋肉を合成するためには、蛋白質の摂取が重要となります。毎食のメニューを決める際には蛋白質の多く含まれた食材を積極的に使用すると良いでしょう。

今回はサルコペニアについてお伝えしました。サルコペニアになると転倒や骨折のリスクが高くなるため、予防することが重要です。まずは指輪っかテストでご自身のサルコペニアのリスクをチェックされてみてはいかがでしょうか?

予防リハビリ K

◎お問合せ◎
社会医療法人 全仁会 倉敷平成病院通所リハビリテーション(予防リハビリ)
TEL:086-427-1128(相談担当 大段) ※営業時間 9:00~17:00

イラストAC:介護の無料イラスト素材集 けあぴく

グループホーム 2024秋祭り開催 ご報告

厳しい残暑もようやく終わりを迎え、少しずつ秋めいてきた今日この頃、グループホームでは毎年恒例の秋祭りを10月15日に開催しました。
「わっしょい!わっしょい!」とご入居の方々のかけ声のもと、職員手作りの神輿を担ぎ、秋祭りがスタートしました。ヨーヨー釣りに真剣なまなざしで取り組む方、焼きそばやフランクフルトを夢中で頬張る方、みなさんそれぞれ思い思いの時間を過ごされていました。
お祭りの雰囲気を少しでも楽しんでいただけたのではないかと思います。

ピースガーデン倉敷4階 グループホームのぞみ M.S

第59回のぞみの会だよりー9ー

カテゴリー: のぞみの会 | 投稿日: | 投稿者:

10月25日(金)で、第59回のぞみの会まで、ついにあと2日となりました。のぞみの会実行委員会をはじめ全仁会職員全員で、地域の皆様をお迎えする準備が整いつつあります。

4月から定期的に実行委員会で準備をしてまいりました。10月9日と23日には、管理職含め「拡大実行委員会」を開催し、ご来場の皆さまをお迎えする最終確認を行いました。

6年ぶりのフルサイズでの開催となり、今までの良かったところを生かしつつ、そこに新たな取り組みも加え、来場者の皆様に楽しんでいただき、地域の皆様に全仁会のことを知っていただき、好きになって頂く機会だと思っています。
第59回のぞみの会 「元気で自分らしく生きる~全仁会の予防と医療」皆様のご参加を心からお待ちしております。
心配されていたお天気もまずまずのようです。是非ご来場ください。

第59回のぞみの会実行委員 南町ケアプラン室 Y

 

 

家族会のご紹介

爽やかな秋風が心地よい日が続いておりますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
季節の変わり目でもあり、体調を崩しやすい時期になりますのでお気をつけ下さい。

本日は、当院で開催しております家族会についてご紹介させていただきます。

当院のもの忘れ外来に通っておられる方のご家族の方を中心としたコミュニケーションの場を持ちませんか?という主旨でご家族の方と倉敷平成病院スタッフにもサポートいただいて参加者全員で作る会です。ご本人のご参加も可能です。
毎月第3土曜日13:30~15:00まで病院で開催をしています。

元々は同グループのピースガーデン倉敷の交流センターを借りて開催していましたが、コロナが流行り、一時期はZOOMを用いてオンラインでの開催をしていました。今年からは開催場所を病院に移し再開しております。

内容としては、具体的なテーマは決めてはおりませんが、普段のご家庭の様子や近況報告、こんな時はどうしたらいいか?といった対応方法など、思い思いのことをテーマに話し合いながら意見交換を行っています。
実際に参加されている方の感想として、「認知症への考え方が変わりました」「認知症で大変なのは、自分の所だけじゃないんだと思い気持ちが少し楽になりました」など。
家族会に参加をしたからといって、必ず喋らないといけない訳でもありません。参加されて他の方の意見を聞いて帰られる方もおられます。
少しでも、皆様のより所になれるような家族会になればと思っていますのでお気軽にご参加いただければと思います。

認知症疾患医療センターとしても、随時ご相談を受け付けておりますので家族会に限らずお問い合わせください。

認知症疾患医療センター 精神保健福祉士 A

第59回のぞみの会だよりー8ー

カテゴリー: のぞみの会 | 投稿日: | 投稿者:

 

昨日まで暑かったと思ったら、急に寒くなったりと、寒暖差が激しく、体調管理が難しい季節ですが、どうぞご自愛くださいね。
わたしは、先日ご入居の方から「体で“首”が付くところを冷やさないように!(手首や足首など)」と教えていただき、早速実践しています。

さて、のぞみの会まで、10日となりました!今年も人気のコーナー「教えちゃいます!私の健康法」のコーナーがあります。今年は展示と動画でご紹介したいと思います。どんな健康法があるかお楽しみに!当日、皆さまにお会いできるのを楽しみにしております。

第59回のぞみの会実行委員 ローズガーデン倉敷 F

※ポスターは医事課が作成したものです。

収穫の秋

カテゴリー: 倉敷老健 | 投稿日: | 投稿者:

厳しかった残暑も過ぎ去り、気がつけば過ごしやすい季節になりました。急に涼しくなりましたが体調に変わりなくお過ごしでしょうか。

さて、今年から老健ではリハビリの一貫としてご入所の方と一緒にプランターで花や野菜を育てています。今年は6月頃に枝豆やトマトの苗、マリーゴールドの花を植えました。普段は椅子に座って過ごしている事が多いご入所の方も、いざ土や苗を目にすると張り切ってスコップを持ち、「これはいい苗じゃなあ」と言いながら一生懸命植えていました。

その後もリハビリの時間を利用してスタッフと一緒に水をやったり、草を取ったりして苗の成長を見守ってきました。
リハビリの時間以外にも無事に育っているか、大きく育っているかが気になり、ご入所の方同士で話をしたり枯れていないか見に行ってほしいと頼まれることもありました。

午前中に水やりを行っても夕方には葉っぱがしおれていることもありましたが、ご入所の方とスタッフで愛情込めて育てた結果、猛暑を乗り越えついに9月中旬に枝豆の収穫を行いました。一つずつ丁寧に摘み取っていました。
その後、みんなで収穫した枝豆を塩もみして湯で、「初めてにしては上出来じゃ」と嬉しそうにおいしく頂きました。

枝豆だけでなくマリーゴールドも順調に育ち、花が咲くのを楽しみに毎日プタンターを見に行っていたご入所の方も花が咲いた時には、とても嬉しそうに「今見に行っておいでえ」と報告してくれました。

今回、プランターではありましたが、野菜や花を育てることを通して、普段生活している場面では見ない笑顔や会話がみられ有意義な時間を過ごすことが出来ました。
今後も野菜の種類や花も増やしながら、ご入所の方の満足度向上につなげていきたいと考えています。

介護士 M.T

【令和6年度倫理事例研修会 開催報告】

カテゴリー: 看護部 | 投稿日: | 投稿者:

9月27日(金)、日本臨床倫理学会 副理事長の稲葉一人先生を講師にお招きし「令和6年度倫理事例研修会」が開催され、75名の職員が参加しました。
稲葉先生より「臨床倫理の基礎的アプローチと臨床倫理に関する法的ポイント」についてご講演いただき、法的要点の観点から応招義務について興味深いお話を聞くことができました。

講義の後、「意思確認ができない患者の治療、ケア継続が本人にとって苦痛であったのではないかと感じた事例(3西病棟)」と、「決定した治療方針が本人にとって最善なのかと思い、もやもやした事例(リハビリテーション科ST)」の2事例で事例検討会を実施しました。多職種で構成された8グループでの討議で、各グループともに活発な意見交換ができました。

多職種でカンファレンスをする機会や重要性は今後ますます高まることが予想されます。当院では今年度「適切な意思決定支援の指針」を作成しました。職員の倫理的感性を高め、患者さんの意思と権利が尊重された上で適切な意思決定を行えるよう今後も倫理コンサルテーションメンバーとして活動していきたいと思います。

医療倫理コンサルテーションチーム 看護師 Y

倉敷平成病院では継続的に倫理事例研修会を実施しています。

令和5年度 倫理事例研修会 開催報告

倫理事例研修会が開催されました

倫理事例検討会開催報告