栄養科通信vol.201 「口腔と栄養」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

毎日の歯みがき、歯間ブラシやフロス、舌ブラシを使うなど日常的な口腔ケアが健康的な身体づくりの第一歩になります。実は口の健康と栄養には深い関係があります。私たちの身体は、食べた栄養素で作られているため、効率的に栄養素を摂取するためにも口腔の健康状態を維持していくことが重要です。

○口の状態は全身の状態に影響口腔内で炎症が生じているときは注意しましょう。歯周病菌がもたらす毒素は血液を通して全身に運ばれ、悪影響を与えるといわれています。生活習慣病の悪化、誤嚥性肺炎の原因にもなります。口は全身の健康のバロメーターとして判断できる材料の一つです。

○健康な口、歯や歯茎に必要な栄養素口を健康に保つためには歯の原料となるカルシウムだけではなく、次の栄養素を不足なく摂ることが大切です。
① たんぱく質の不足は歯茎や歯が弱くなり、細菌やウィルスに感染しやすくなります。
魚、肉、卵、大豆製品、チーズ、ナッツなど。
② ビタミンB群の不足は口内炎ができやすくなり、唾液が少なくなります。
 豚肉、にんにく、葉物野菜、バナナなど。
③ 鉄の不足は歯茎から出血しやすくなります。
  豚肉、牛肉レバー、赤身魚、卵、納豆など。
④ 亜鉛の不足は味覚障害、口臭の原因になります。
  牡蠣、レバー、卵、ナッツ類など。

高齢になると口腔機能の低下がフレイルにつながりやすくなるため、口腔内の環境を良くすることが大切です。
健康な口を維持するために日々の口腔ケアを続けるとともに、バランスの良い食事で栄養補給しましょう。また、食事の際は十分に噛むことも大切です。よく噛むことで唾液の分泌が促され、栄養の消化吸収を助けることに繋がります。義歯を使っている場合は、清潔に手入れして、破損がないか随時確認をしましょう。

管理栄養士 MM

イラスト:フリーイラスト素材集 ジャパクリップより