日別アーカイブ: 2023年1月13日(金曜日)

尿もれの予防や対策について

カテゴリー: 予防リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

皆様こんにちは。寒い日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
以前尿もれに関わる骨盤底筋や尿もれのタイプについて紹介させていただきました(リンク:2022年8月12日)。今回は実際に予防リハビリで行っている対応や、効果的なトレーニング方法と生活改善についてご紹介いたします。

予防リハビリでは、実際に尿もれが起きる状況や、日々の排尿回数、水分摂取量などを問診票を用いてお伺いしています。約7割の方は、十分な問診をすることで尿もれタイプが分かると言われています。どのタイプの尿もれかが分かれば原因や対策も分かり、症状の改善に役立ちます。

腹圧性尿失禁の症状のある方は、便秘や肥満、運動不足も尿もれの原因と言われています。例えば、腹囲の増加や喫煙による咳嗽は腹圧性尿失禁を悪化させると言われており、食生活の見直しや運動の習慣化が出来るようにアドバイスを行っています。

切迫性尿失禁の症状のある方は“適度”な水分補給も必要です

。過度な水分摂取は頻尿の原因になります。一方で頻尿を気にして水分の摂取量を制限される方もおられますが、水分摂取量が少なすぎると、尿が濃縮となり膀胱を刺激してしまうため、頻尿の原因になっている可能性もあります。また、アルコールや利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーやお茶の摂取を控えることも尿もれ改善に効果があります。

また、上記2つのタイプの尿もれ

には、尿もれの予防と改善のための骨盤底筋トレーニングも有効です。骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉で排尿や排便をコントロールする役割があります。トレーニング方法についてご紹介しますで、ぜひ実践してみてください。

【骨盤底筋トレーニング】
座位や立位などさまざまな姿勢で行うことのできる運動ですが、余分な力が入りにくい仰向けの姿勢で始めることをおすすめします。

両膝を立てた状態で息を吸いながらお腹を膨らませ、息を吐きながら「尿を止めるように」意識します。
ポイントは①呼吸に合わせて行うこと②お腹に力を入れていきまないことです。はじめはうまく動かすことが出来ないことも多い運動ですが、約8~12週間トレーニングを継続していただくことで効果が現れてくると言われています。

このように、予防リハビリでは尿もれの相談をいただいた時は、骨盤底筋トレーニングや生活改善に取り組んでいただいたり、痛みや出血等の症状に応じて医療機関への受診をお勧めしたりしています。内服薬などで効果が得られる場合もあります。

また、尿もれケア用品についての情報提供も行っています。さまざまな種類があり何を使用したらいいのか分からないと悩まれている方も多いため、尿もれが起きる状況や量に合わせて適切な商品を紹介しています。
なかには尿もれケア用品を使用することに抵抗感がある方もおられます。尿もれケア用品を使用することで尿もれが改善するわけではありませんが、「もしもの時」に安心でき、「日々の活動を制限しない」ことにつながります。そう考えてみると尿もれケア用品を使用することも前向きな選択肢の一つではないでしょうか。
尿もれは誰にでも起こり得る症状です。一人で悩まず、ぜひご相談ください。

作業療法士 S

◎お問い合わせ◎
社会医療法人 全仁会 倉敷平成病院通所リハビリテーション(予防リハビリ)
TEL:086-427-1128(相談担当 大段) ※営業時間 9:00~17:00