日別アーカイブ: 2022年9月13日(火曜日)

急性低音障害型感音難聴

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

私事ですが先日、朝起きたら右耳の耳閉感があり耳鼻科を受診しました。
聴力検査を行ってみると右耳の低音が左に比べて聞こえにくくなっていることが発覚。右耳の急性低音障害型感音難聴と診断されました。

難聴と聞くと高齢の方に多いイメージがある方も多いと思いますが、この急性低音障害型感音難聴は男性よりも女性に多く、20代~40代くらいの年代に多い難聴と言われています。

難聴は音が耳の入り口から脳に伝わるまでのどの部位で障害されているかによって分類されます。外耳から中耳までの異常で起きる伝音難聴、内耳から脳までの異常で起こる感音難聴、2つが混ざりあった混合性難聴です

急性低音障害型難聴は内耳にある蝸牛と呼ばれる渦巻き型の管の部分に異常が発生して起こります。内耳にはリンパ液が入っていて、耳から入ってきた音の振動を電気信号に変換して脳に伝える役割があります。蝸牛のリンパ液がうまく排出できず増えすぎることにより内耳が浮腫んで、低音を感知する部分に影響し低音が聞こえにくくなってしまいます。

内耳にトラブルを起こす原因としては自律神経のバランスが大きいと考えられています。

バランスを崩す原因としてはストレス・肉体的な疲労・睡眠不足・体調不良の長期化などがあげられます。

私は投薬治療を受け聴力は10日ほどで回復、耳閉感も2週間経つ頃にはなくなっていました。耳の治療は早ければ早いほどいいと言われています。当院ではさまざまな耳の検査が受けられます。

当院で実施している主な聴力検査
●標準純音聴力検査(簡易聴力検査)
低音から高音までさまざまな音を聞き、聞こえの程度を調べる検査。

●標準語音聴力検査
「あ」や「か」など一文字ずつ聞こえてくる語音をどの程度聞き取れるかを調べる検査。

●ティンパノメトリー
鼓膜の動きやすさを調べる検査。

●耳小骨筋反射
音刺激を与えることによって生じる耳小骨の収縮の様子を調べる検査。

そのほかに耳鳴検査、SISI検査、聴性脳幹反応(ABR)などがあります。

聞こえにくい・耳鳴り・耳閉感・めまいなど、何かいつもと違う気がする…と思ったら早めに耳鼻科を受診することをおすすめします。

参考:臨床検査学講座 生理機能検査学(医歯薬出版株式会社)

臨床検査部 N.K