カテゴリー別アーカイブ: 糖尿病療養指導士

超簡単!糖尿病療養指導士による運動のススメ ~使ってますか? バランスボール~

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

“買ったまま放置の代表” バランスボール.しかし,使い方はあいまいで,押し入れの肥やしになりがちです.そこで今回は,ボールを使ったストレッチとトレーニングをご紹介します.梅雨が明けたら運動を!とお考えの方には,準備運動におススメです.

◇体幹筋のストレッチ
① 背筋を伸ばして椅子に浅く座ります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

② ボールを前に転がし,5秒キープします.

 

③ 左右に転がし,5秒キープします.

*一日5往復1セットからはじめましょう.
*ゆっくり転がすと効果的です.
*赤矢印の部分に“ツッパリ感”があれば,上手にできている証拠です.

◇腹筋と股関節筋のストレッチと筋力トレーニング
①仰向けで腕を組み,ボールの上に両足を乗せます.
②ボールを左右に転がし5秒キープします.

*1日5往復を2セットからはじめましょう.
*膝が開かないように気を付けましょう.
*ゆっくり上げ下げすると効果的です.

【注意点】
1:呼吸を止めないようにしましょう.息をこらえると,血圧の急な上昇に繋がります.
2:筋肉が伸びる感じがあれば上手に出来ている証拠です.それ以外の痛みが出る場合は中止しましょう.

倉敷老健 通所リハビリテーション
理学療法士 糖尿病療養指導士
H・T

りんご150gを正しく伝えるには?

カテゴリー: 栄養科, 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

倉敷平成病院栄養科では、年に1回学生実習を受け入れています。先日、実習に来た学生さんと糖尿病患者さんの資料を作りながら話題になった内容を紹介します。

「果物は適量を食べましょう。」というテーマに対し、最初に学生さんが用意したイラストは フルーツ盛り合わせでした。
これではカゴいっぱいの果物が食べられると思ってしまう可能性があるから変更しようという話になり、イラストを探してみたところ…

たとえば「りんご1/2個」で探すとこれだけのイラストが出てきました。
丸のままのもの、丸のままで表記だけ1/2個にしているもの、半分に切ったもの、切るんだろうなとイメージさせるもの、切り分けたウサギりんご、などなど。

糖尿病食品交換表ではりんご1/2個(150g(可食部)が80Kcalですと、さらっと話しただけで正確に分かる人がどれだけいるでしょうか?平均的なりんごの重さは250g~350gで、1個といっても個体差があるし、重さを伝えても、皮をむいたり芯をとる前に量るのか後で量るのか?果物好きなら1/2個といっても少し多めになっているかも?実際に食べている量は人によってさまざまな可能性もあります。まず自分がりんご150gを実際に量ってみること、患者さんにわかりやすく伝え、正しく理解されたか確認することが大切です。学生さんとの作業は、正しく伝えるということの難しさを再度認識する良いきっかけになりました。

※果物はビタミンや食物繊維を含み体にいい反面、果糖が多く、食べ過ぎると血糖値を上げてしまいます。糖尿病でも果物を楽しむには、いつでも食べ放題ではなく、適量を食後に食べることをおススメします。

糖尿病療養指導士 管理栄養士  A子

糖尿病性腎症について

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

血糖値が高い状態を長期間放置していると、糖尿病特有の合併症が発症します。
特に三大合併症といわれる細小血管の障害には、「糖尿病性神経障害」、「糖尿病網膜症」、「糖尿病性腎症」があります。今回は、このうちの「糖尿病性腎症」についてお話しします。

糖尿病性腎症の有病率は糖尿病の罹病期間とともに増加し、透析の新規導入者における原疾患の第1位となっています。この糖尿病性腎症は、臨床徴候によって病期が分類されますが、病期を決める要素として尿中アルブミン量が大きく関係します。
健康な腎臓ではアルブミンのような大きなタンパク質は尿中に漏れ出てきません。糖尿病性腎症では腎臓の糸球体という器官にある血管壁の透過性が亢進し、血液中のアルブミンが尿中に漏れ出てきます。また、高血圧により血液中のアルブミンが漏れ出てしまうという考えもあります。

尿中のアルブミンが30~299(mg/gクレアチニン)の状態を早期腎症期と呼びます。糖尿病性腎症では、早期腎症を早期発見し、早期に治療開始できるかによって予後が大きく左右されます。早期腎症では自覚症状はあまりありませんが、進行すると血液中の水分が血管外に漏れて浮腫(むくみ)が出てきます。浮腫が進行して胸水がたまると心臓に負担がかかり、体動時の息苦しさや胸苦しさが出てきます。

糖尿病性腎症の発症進行予防には、血糖と血圧のコントロールが重要です。
一般的な成人ではHbA1cが 7.0未満、血圧130/80mmHg未満が目標値ですが、高齢者など、患者背景によって目標設定が異なる場合があるので主治医によく確認してください。
最近になって、糖尿病に伴う腎症の進行を抑制する薬も登場しています。糖尿病治療に使用されるSGLT2阻害剤にも、慢性腎臓病の進行を遅らせる効果が認められているものがあります。
また、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬にも腎保護効果が認められているものがあります。高血圧のある患者さんは、食塩を摂りすぎないようにしましょう。早期治療で腎臓の悪化進行を予防して透析導入を遅らせ、健康な腎臓を長持ちさせるように一緒に取り組んでいきましょう。

薬剤師/糖尿病療養指導士 いっちー

画像:イラストac

低血糖について~糖尿病療養指導士より~

カテゴリー: 糖尿病療養指導士, 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

2023年も2月に突入し、寒い日が続いていますね。
今回は低血糖についてのお話です。
一般的に血糖値が70mg/dl未満になると低血糖といわれます。
主な低血糖症状は、冷汗、手のふるえ、顔面蒼白、動悸、頭痛、眼のかすみ等があり、重篤な場合だと意識を失うことや、痙攣がみられることもあります。

普段の血糖値がかなり高い方は、急に血糖値が下がることにより、70mg/dlより高い値でも低血糖症状が現れる場合があります。

低血糖を起こしやすい状態には、食事が不足した時(食事の時間が普段より遅れた、食事の量が少なかった、食事を摂らなかった、食欲がない、下痢をしている等)、アルコールをたくさん飲んだ時、過剰な運動をした時、薬を過剰に投与してしまった時、肥満が改善した時などがあります。

低血糖が疑われた場合には、普段血糖測定されている方はすぐに血糖測定を行い、血糖値と症状の関係を確認し、すみやかに対応することが大切になります。

低血糖が確認できれば、直ちにブドウ糖10g、砂糖であれば20gまたはそれに相当する糖質を含むもの(ジュースなど)を摂っていただき、15分以内に症状が改善しなければ、同じ対応を繰り返すようにしてください。

ここでポイントなのが、普段飲まれている薬がα-グルコシダーゼ阻害薬という分類の薬(ボグリボース・アカルボース)である患者様は、「砂糖」や「ジュース」ではなく「ブドウ糖」を摂るようにしてください。このお薬は消化管からの糖の消化・吸収を遅らせる働きがあるため、低血糖時にはブドウ糖でないと、血糖値の回復が緩やかすぎてしまうからです。
低血糖症状が改善した場合もすぐにかかりつけの病院を受診し、低血糖が起こったことを相談するようにしてください。

今回低血糖についてお話ししましたが、最も大切なことは低血糖にならないことです。薬は決められた通り服用し、規則正しい適切な時間に適切な食事・運動を行い、低血糖を起こさないようにしていきましょう。

参照:糖尿病療養指導ガイドブック

糖尿病情報センター

糖尿病療養指導士 薬剤氏MK

ソーシャル・ジェットラグを知っていますか?

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

平日は仕事に追われ、休日になったらたまった疲れをとるために寝続ける。十分眠ったはずなのに月曜日がだるい、このようなことを経験したことはないでしょうか?実は、ソーシャル・ジェットラグが原因かもしれません。

仕事や学校などがある平日の睡眠と、特に制約のない休日の睡眠との差によって引き起こされる、平日と休日の就寝・起床リズムのズレをソーシャル・ジェットラグと呼びます。朝寝坊した休日は太陽の光の刺激を受けるタイミングが遅れ、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が遅れたり、分泌が不十分になります。平日とのズレにより、体内リズムも乱れ、日中眠くなったり、眠りたい時間に眠れなくなってしまいます。また休日の2日間朝寝坊しただけで体内時計が30~45分遅れ、月曜日だけでなく平日の前半は眠気や日中の疲労感、集中力の低下が続くという報告もあります。さらに肥満、糖尿病、うつ病などの健康リスクを高める危険性も指摘されています。

【ソーシャル・ジェットラグを防ぐポイント】

・毎日決まった時間に起き、すぐ朝日を浴びる
光によって脳内の体内時計をリセットします。

・毎日朝食を食べる
体の臓器にも朝が来たことを知らせます。特に朝食もたんぱく質(肉、魚、卵などを食べると効果的です。

・適度に運動をする
日中に動くことで寝つきがよくなります。ただし寝る直前の激しい運動は避けましょう。

・寝る前は明るい光を浴びない
蛍光灯やパソコン、スマートフォンなどから強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、脳が覚醒してしまいます。

休日の寝溜めは平日の睡眠不足を補うためについやってしまいがちですが、平日のパフォーマンスの低下を防ぐためにも日頃の生活スタイルを見直してみましょう。

糖尿病療養指導士 管理栄養士 YM

参考:社会的ジェットラグと睡眠
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/24/8/24_8_32/_pdf/-char/ja

「糖尿病」の改称について

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

早いもので気がつけば12月、朝晩はすっかり冷え込むようになりました。
今年の冬はインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念されています。
寒くなってきていますが、換気、手洗い、マスクの着用など、基本的な感染対策を引き続き行っていきましょう。

国内に患者がおよそ1000万人いるとされる糖尿病について、病気の実態を示しておらずイメージも悪いとして、専門の医師らで作る「日本糖尿病協会」は病名の変更を求める方針を決めました。今後、新たな病名を提案したいとしています。

糖尿病は膵臓から出るホルモンのインスリンが不足するなどして血糖値が高い状態が続き、腎臓病や失明、神経障害などの合併症につながる病気で、免疫の異常や食べ過ぎ、運動不足などが関係して起きるとされています。

高血糖時には腎臓の働きで、血液中にあふれているブドウ糖(血糖)が尿の中に排泄され、尿糖としてからだの外に排出されます。これは、高血糖という異常事態を少しでも正常に近付けようとする、からだの正常な反応の結果といえます。糖尿病という病名は、この尿糖が出る(尿に糖が混ざる)現象から名付けられたものです。

日本糖尿病協会は、共通する症状は高血糖で、尿に糖が出ない患者も多く、症状を正確に表していないうえ、「尿」という言葉から不潔なイメージでみられるなどとして、病名の変更を求める方針を決めました。今後、1年から2年のうちに新たな病名について日本糖尿病学会とも連携して提案するとしていて、候補として共通する症状の「高血糖」を使うことなどが考えられるとしています。

長年、幅広い年代に理解され、認知されている「糖尿病」という名称を改名することは、簡単なことではないと思われますが、「○○○=糖尿病」と、誰もが誤解なくスムーズに理解していける名称に変更されることを願いたいものです。

糖尿病療養指導士 薬剤師 MM

参考:日本糖尿病協会ホームページ、糖尿病ネットワークホームページ

2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬について

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

11月に突入し、秋も深まり肌寒くなってきました。

今回は、2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬について紹介します。
GLP-1は、もともと私たちのからだにあるホルモンで、食事を摂ると小腸から分泌されます。
GLP-1受容体作動薬は主に膵臓に働きかけ、血糖が高くなるとインスリンの分泌を促して血糖値を下げます。血糖値が高くなるときに作用するため、単剤で使用する場合は低血糖を起こしにくく、また、中枢神経に働きかけ食欲を抑える作用もあるため、体重が増えにくいといった特徴のある薬です。
これまでは注射薬のみでしたが、2021年2月、世界初の経口GLP-1受容体作動薬である「リベルサス錠」が登場しました。GLP-1受容体作動薬は分子量が大きいため消化管での浸透が低く、また、胃の分解酵素により分解されてしまうため、経口投与に適さないと考えられていました。しかし、サルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を添加することで分解されにくくなり、胃からの吸収を促進することで経口投与が可能になりました。

リベルサス錠の飲み方には、次のような注意点があります。
①起床時(空腹時)に服用する
②コップ約半分の水(約120ml以下)と服用する
③服用後少なくとも30分間は、飲食および他の薬の服用を行わない

近年、GLP-1受容体作動薬を「痩せるホルモン」、「ダイエット注射」などと称して、美容・痩身・ダイエット等を目的とした適応外の使用を推奨していると受け取れる広告等がインターネット上の一部ホームページに掲載されています。
現時点で日本におけるGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病のみを効能・効果として承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性については確認されていません。広告に惑わされず、正しい理解、使用をお願いします。

 

参考文献 一般社団法人 日本糖尿病学会「GLP-1 受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」
ノボ ノルディスクファーマ 患者向け資材「リベルサス錠を服用される方へ」

糖尿病療養指導士 薬剤師 KF

「よく噛んで食べましょう」

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

よく噛んで食べれていますか?
よく噛んで食べることは、早食いを防止して満腹感が得られやすくなり、肥満予防につながります。また、ゆっくり食べることで消化、吸収もゆっくりになり血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

以下、「月刊糖尿病ライフさかえ2020年8月号」より引用。
「噛ミング30」という言葉をご存知でしょうか。これは「一口で30回以上よく噛んで食べましょう」という厚生労働省が提唱している運動です。皆さんも食事の際にぜひ一度、噛んでいる回数を数えてみてください。戦前は1回の食事で1400回ほど噛んでいましたが、現代は620回くらいが平均だという調査があります。
以前と比べて嚙まなくなった要因の一つが「メニュー」の違い、食材の変化によることが大きいと思われます。戦後に和食から洋食中心のメニューに替わりました。和食は比較的硬い物が多いので何度も噛みますが、洋食は軟らかいものが多く、よく噛もうと思っても飲み込んでしまいます。

☆たくさん噛むための「箸置き」と食べ方
おかずに箸をのばして口に運び、そこで一旦箸を置いて、ご飯(主食)やおかす(副食)をしっかり何回も噛んで味わっていますか?最近は忙しい人が多く、食事のスピードが速くなり、食卓から箸置きがなくなってきているように思います。また、カレーライスも具材によりますが、噛む回数は少ないと思いますし、丼物も同様の傾向があるようです。いつもとは言いませんが、和食を見直して定食形式で箸置きを用意してはいかがでしょうか。

のぞみの会の栄養科のレシピ動画ではよく噛む簡単レシピを紹介予定です。動画アップまでお楽しみに!

糖尿病療養指導士 管理栄養士 Y.N

最近治療をはじめた方、継続して治療している方へ

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

私が外来で服薬指導をする時、いつも心がけていることがあります。
それは、受診してくださったことに「ありがとうございます」と言葉で伝えることです。頑張っていること、頑張ろうとしているけどなかなかうまくいかないことにも傾聴するよう意識しています。

糖尿病と診断されると、食事療法や運動療法、薬物療法を指導されます。
はじめのうちは、我慢すること、続けるのがしんどいことがあると思います。
次第に治療に慣れてきても、お正月や誕生日にごちそうに呼ばれて血糖コントロールが悪くなり、がっかりすることもあるかと思います。そういったことがあっても、継続して受診・治療してくださる患者さんを尊敬しております。患者さんがまた次の外来に来ていただけるような服薬指導を行えるよう、日々精進しております。

治療をはじめた頃は三日坊主になることがあるかもしれません。
4日目にやり忘れたとに気づいた5日目から再開すればいいのです。これを7~8回続ければ、1ヶ月間続けられたこととほぼ同じになります。治療は毎日続くので、長い目で取り組む根気が必要です。最後に、意識や行動の変化に関わる6つのステージを紹介します。(参考文献:糖尿病療養指導ガイドブック2022)

①前熟考期
知識や意欲が不十分で、問題に抵抗や否定をしている。
②熟考期
自己の問題に気づいたが、まだ行動に移せていない。6ヶ月以内に行動を変えようと考えている。
③準備期
1ヶ月以内に行動を変えようとしている。行動に取りかかろうとしている。
④実行期
自己の問題に取り組んでいる。行動を変えて6ヶ月未満である。問題行動に逆戻りしそうな気持ちや誘惑に立ち向かっている。
⑤維持期
行動を変えて6ヶ月以上経過した。まだ、意識していないと一時的なつまずきや問題再発が起きることがある。
⑥完了期
行動が習慣化し、誘惑も存在しない。落ち込み、ストレスを感じることがあっても不健康な習慣に戻ることはない。

糖尿病療養指導士 薬剤師 K

糖尿病の基礎知識

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

今日は糖尿病についての基本をお話ししたいと思います。
糖尿病は、インスリンの作用不足により高血糖の状態が続く病気です。日本での糖尿病の患者数は、糖尿病有病者と糖尿病予備群を合わせて約2,000万人いるといわれています。

<種類>
糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目が1型糖尿病です。1型糖尿病はインスリン欠乏によるもので、すい臓がインスリンをほとんど、またはまったく作ることができないためインスリンを注射しなければなりません。糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人に1人もいません。若い方の糖尿病では1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。

2つ目が2型糖尿病です。2型糖尿病では、インスリンの量が十分ではないか、作られたインスリンが十分作用しません。食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。若い人でも発症する場合もあります。

<症状>
糖尿病の自覚症状として口渇・多飲・多尿がみられることがありますが、初期症状はあまりないため、血糖値を高いまま放置することで徐々に全身の血管や神経が障害されいろいろな合併症(神経障害、網膜症、腎症)を引き起こすことがあります。合併症を引き起こさないために、2型糖尿病の基本的な治療として食事療法、運動療法、薬物療法があり、きちんと血糖値をコントロールすることで合併症を予防することができます。

<検査>
また、病状を把握するために血糖値やHbA1cを継続的に検査することが必要です。HbA1cはブドウ糖が血液中のヘモグロビンと結合した割合で高血糖の状態が続くとHbA1c値も大きくなります。HbA1cは過去1~2ケ月の血糖コントロール状態を示しているとされているため、受診の直前に頑張って血糖を下げようとしても値には反映されません。検査値の目標は個々で異なるため主治医と確認が必要です。

<治療>
治療として飲み薬やインスリン注射が使用されることがあります。症状がないからと勝手に治療を中断しないでください。特に1型糖尿病の人はインスリン注射を自己判断で勝手に中止すると高血糖状態になり昏睡を招くこともあります。糖尿病の治療についてわからないことや不安なことがあれば主治医や薬剤師に相談してください。

厚生労働省:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html
https://www.myfreestyle.jp/patient/general/diabetes/tonyo/1-1.html
https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/symptom-type

糖尿病療養指導士 薬剤師 A