健康を保つために重要なビタミンについて

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

みなさん、『ビタミン』と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?
ビタミンにはさまざまな種類があるのですが、なんとなく体の機能を維持するために必要な栄養素という認識があるのではないでしょうか。最近元気が出ない…、足腰が弱くなってきた…、など体の不調を感じることがあれば、もしかしたらビタミン不足かもしれません。そこで今回は、当院でよくオーダーされているものをいくつかご紹介します。

ビタミンB12は、赤血球の形成と成熟、および細胞の遺伝物質であるDNAの合成、また、正常な神経機能に必要な物質です。肉や卵、牛乳、アサリ、カキ、マグロなどに豊富に含まれており、欠乏すると貧血、筋力低下、疲労などが生じ、重度になると神経が損傷され歩行困難や認知症のような症状が現れることもあります。

葉酸はビタミンB群の1つで、ビタミンB12と同じく赤血球の成熟やDNAの合成、特に胎児の神経系の正常な発達に必要とされています。生の葉野菜や柑橘類、レバーなどの内臓肉に多く含まれ、欠乏すると貧血になり、重度になると舌が赤くなって痛み、下痢、味覚の低下、抑うつ、認知症が生じることもあります。

ビタミンDは骨粗しょう症(骨が弱くなり骨折しやすくなる病気)をはじめとする代謝性骨疾患の判定に有用です。サケやキノコ類といった食事からの摂取に加え、紫外線を浴びることによって産生されます。現代人においてビタミンDの不足・欠乏は決して稀なことではなく、ある調査では50歳以上の女性の約半数がビタミンD欠乏状態であったと報告されています。また、ビタミンではありませんが、骨を作る骨芽細胞の活性度を反映する指標である骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)と同時に検査されることが多いです。

このように、いずれも心と体の健康を保つために重要な役割を果たしています。
血液検査で調べることができるので、気になった方は一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

引用
MSDマニュアル家庭版
ベックマン・コールター株式会社HPより

臨床検査部 K・A