眼瞼痙攣の鍼灸治験

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

最近、50代の男性が左目の眼瞼痙攣で当鍼灸院に訪れました。2か月前から眼瞼痙攣が発症し、体が疲れる時に症状が増悪します。普段から肩こりがあり、特別に目が疲れる仕事はしていません。

患者さんは2か月前に症状が気になってから、まず神経内科に通って服薬治療を受けましたが、改善が見られないため、神経内科の医師の紹介で、鍼灸院に来られました。

鍼灸医学の理論では、眼瞼痙攣は肝脾不和によるものが多いです。器官と臓腑の関連性から言えば、目の問題は多く肝に関連していますが、さらに五輪説の理論から考えれば、眼瞼は脾に属します。脾は筋肉の機能を管理しているため、脾の気が不足であれば、筋肉疲労が起こりやすくなります。また、痙攣のような症状は風のように多変性があり、風の邪気に関連が強い症状だと考えられています。眼瞼痙攣の場合、肝血虚によって生じた内風、つまり体内の乾燥から生じた風邪に関連があると考えられます。

実際、患者さんの顔色は黄色く、皮膚は乾燥、舌質は淡紅、苔は薄白、脈は虚緩などの状況が見られ、確かに気血両虚、肝脾不和の証だと考えられます。 これに対して、曲池、内関、合谷、足三里、三陰交、太衝、中脘、気海などのツボを取って、気血の生成を促し、肝脾の調和を行うようにしました。

一回目の治療をしてから、翌日に眼瞼痙攣の症状は大分軽減しました。一週間後にもう一回治療した後、症状はほぼ消えました。さらに一週間後に3回目の治療をしてから、治療を終了して様子を見るようになりました。

眼瞼痙攣はよく見られる症状であり、普通治療しなくても、しばらくしたら自然に治まる場合がほとんどです。症状が長引いたり、頻繁に痙攣が起きたりすれば、結構つらく感じます。その場合、体質状態を考えながら治療を行えば、改善されやすいです。

 

ヘイセイ鍼灸治療院   甄 立学