市民公開講座 第17回もの忘れフォーラム 開催報告

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

市民公開講座 第17回もの忘れフォーラムが、2019年3月2日(土)に倉敷健康福祉プラザで、開催されました。265名の市民の方が来場され、多数のご参加を頂けた事、感謝申し上げます。

今回は、第1部 鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科学分野講師 和田健二先生による、「認知症を正しく知ろう!~早期発見と予防のポイント~」、第2部 川崎医科大学精神科学教授 石原武士先生による、「こんな時どうする!?~治療と対応のポイント~」、の2講演を開催致しました。来場者に、〇×クイズで、正解と思われる〇×の紙を掲げて頂く参加型の講演内容を盛り込み、講師の先生のユーモア溢れるご講演で、笑いあり、クイズありのあっという間の時間でした。

さて、今回の内容にもありましたが、アルツハイマー病・認知症発症の促進因子は、様々なものがあります。そこで今回は、日々の暮らしの中に潜む、促進因子をご紹介致します。

まずは、聴力低下が9-17年後の認知症発症リスクを高めるという研究結果がなされています。次に喫煙ですが、血管性認知症や、アルツハイマー型認知症などを含めた認知症を増加させます。そして、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満)は、脳卒中のリスクがあると供に、血管性認知症、アルツハイマー型認知症のリスクを高めます。更に、睡眠時間と認知症発症の関連ですが、5時間未満の睡眠や、10時間以上の睡眠により認知症リスクが高くなることも証明されています。睡眠障害の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群が、認知機能低下と関連があるともいわれています。睡眠時無呼吸症候群は、持続的調圧呼吸により、認知機能低下を改善傾向に導くことも考えられています。このような危険因子に目をむけ、生活習慣の改善を図ることで、認知症予防に繋げて頂ければと思います。

最近は、よく「フレイル」=「筋力や心身の活力が低下した状態」という言葉を耳にします。みなさんも、フレイルかもと思う事がありませんか?体重減少(6カ月で2~3Kg減少)、わけもなく疲れる、筋力低下(ペットボトルの蓋が開けられない)、歩行困難(青信号の間に横断歩道が困難)、身体活動性低下(軽い運動・体操をしていない)がある等。認知症は、この「フレイル」を合併しやすい疾患です。予防のためには、栄養(食・口腔機能)+身体活動(運動)により社会参加(余暇活動、ボランティア)に繋げ、身体機能を維持向上する事が大切です。

今後も、認知症の治療、家族の支援、交流の場作り交流会や、このような市民公開講座を続けていき、市民の方のお力になれるよう、取り組んでいきたいと思います。

認知症疾患医療センター 医療秘書 S.U