2月22日(土)、倉敷平成病院で「第32回呼吸療法研究会(主催:岡山県臨床工学技士会)」が開催され、会場の当院、会議室には参加者とスタッフ含め32名の方がご参加くださいました。本研究会のテーマは「体外式人工呼吸器とNPPV実践ハンズオンセミナー」と題して、IMI株式会社、日本光電工業株式会社の講師に講演いただきました。
今回、2社の人工呼吸療法機器について聴講後、参加者が講師から説明や指導を受ける体験型のハンズオンセッションを行い知識と実践的なスキルを習得していただきました。
はじめに、IMI(株)講師の先生より「体外式陽陰圧人工呼吸器」の特徴について講演されました。陽圧換気だけでなく体外的に陰圧をかけることで横隔膜の引下げと胸郭の広がりにより呼吸補助・離脱補助・排痰補助などの改善効果が期待できることから、近年、救急・集中治療領域においても臨床応用が広まっています。特徴的なモードは胸部理学療法として肺と気道からの分泌物の除去を目的に使用され、より生理的な呼吸管理の実現が可能となっています。ハンズオンセッションでは、参加者が体外式人工呼吸器を装着して実体験をしていただきました。
また、日本光電工業(株)講師の先生より「NPPV:非侵襲的陽圧換気」の基礎知識や特徴について講演されました。一般的に酸素化の指標は動脈血ガス分析やSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を指標に換気のモニタリングを行いますが、換気低下が起こった場合にモニタリングに反映されるまで時間がかかり評価が適切に行えない可能性があります。
そこで安全な呼吸管理を目的として酸素投与中にPEtCO2(呼気終末二酸化炭素分圧)が測定可能な、NPPV専用マスクを用いることで、これまで困難とされてきたNPPV中のPEtCO2測定がリアルタイムにモニタリグ出来るようになり患者さんの容態を把握することが可能となりました。ハンズオンセッシンではNPPV専用マスクのフィッテイング方法やテストラング(テスト用の肺)を用いて自発呼吸サポートの実体験をしていただきました。
今回、座学に加えてハンズオンセッションを交えたことで、講演で得た知識を踏まえて実体験できたことが技術の習得に効果的であったと思われ、参加者の皆様には貴重な経験を提供できた研究会となりました。本研究で得られた知識や技術を、臨床現場で役立てていただけるものと期待しています。
引き続き、岡山県臨床工学会では呼吸療法セミナーや呼吸療法研究会といった知識を学ぶ場を提供していきたいと思います。
倉敷平成病院 CE副主任(岡山県臨床工学技士会 呼吸療法委員会) T