日別アーカイブ: 2020年10月6日(火曜日)

「よい聞こえ」が認知症予防につながる?

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

今年は厳しい暑さに加えて、コロナウイルスによる感染対策に追われ疲れが出てきている頃だと思いますがいかがお過ごしでしょうか?
今日は、認知症の予防について少しご紹介させていただきます。

「難聴」は「高血圧」「肥満」「糖尿病」などとともに認知症の9つの危険因子の一つに挙げられており、「予防できる要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」と指摘されています。
国内外の研究によって、難聴のために、音の刺激や脳に伝えられる情報量が少ない状態にさらされてしまうと、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきました。
また、難聴のためにコミュニケーションがうまくいかなくなると、人との会話をつい避けるようになってしまいます。そうすると、次第に抑うつ状態に陥ったり、社会的に孤立してしまう危険もあります。実はそれらもまた、認知症の危険因子として考えられています。だから、「難聴が最も大きな危険因子」だと言われているのです。
「よい聞こえ」が認知症予防につながるのです!
補聴器をつけたり聴力補助具を使ったりなどして難聴に正しく対処し、適切な「聞こえ」を維持して脳を活性化し、家族や友人とのコミュニケーションを楽しんでいれば、認知症を予防したり、発症を遅らせる可能性が高いというわけです。

         補聴器                   補聴器補助具

聴力の低下を感じたり、何度も聞き返すことが増えたなどあれば、放置せずきちんと耳の状態や聴力を評価してなるべく早く対処しましょう。「よい聞こえ」はQOL(生活の質)を高めるだけでなく、認知症の予防にもつながります。健康的でいるためのいわばアンチエイジングツールなのです。
当院の認知症疾患医療センターでは認知症予防のためにも、早いうちから耳鼻科にて耳のチェック(耳垢等)、聴力の評価をし、早めの補聴器使用もお勧めしています。

認知症疾患医療センター 看護師 A