先日、ある製薬会社が2型糖尿病患者のうち糖尿病治療薬(飲み薬)服薬中の患者約3000名を対象に、残薬(飲まずに残っている薬)に関する調査を実施しました。
その結果、
「残薬あり」と回答した方・・・約33%
医師に残薬があることを申告していない方・・・約35% と多く、
患者さんが困っていることは
1位;薬の種類が多い(約26%)。
2位;1度に飲む量が多い(約22%)。
3位;タイミングを守ることが難しい(約16%)。 とのことでした。
さらに「病識・治療態度」と「生活スタイル・性格」に関する回答を分析して6つのタイプにわけたところ、糖尿病治療薬(飲み薬)の残薬が生じている患者には「楽観的思考」と「治療あきらめ思考」の2つの傾向がみられたそうです。
楽観的思考・・・自分は軽症で服薬管理は難しくないと考えておられる方
治療あきらめ思考・・・多忙なため服薬管理が難しいと、あきらめも感じておられる方
現代社会では不規則なライフスタイルなどが原因で、思い通りに治療できていないようです。医師は、患者さんが残薬の無いように指示通りに薬を飲まれていると判断したうえで血糖コントロールがうまくいっていない時には薬を増やしたり変更したりされます。悪循環に陥らないよう、指示通りに内服して頂くためには服薬回数や種類を減らしたり、薬を一包化したりといった対策も可能です。医療費増大や増税が叫ばれている今、お薬を無駄にしないよう、治療がスムーズに行えるよう医師や薬剤師にご相談ください。
糖尿病療養指導士(薬剤師) M