日別アーカイブ: 2015年3月23日(月曜日)

最近話題の漢方薬

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

kanpou久しぶりの薬剤部からのブログです。
今日は、漢方の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)についてお話しようと思います。先日参加した日本静脈経腸栄養学会のシンポジウムや当院NST(栄養サポートチーム)でも話題になっている漢方です。

半夏厚朴湯は以下の生薬から成り立っています。
ハンゲ;サトイモ科カラスビシャクの球茎の外皮を除いて乾燥したもの。
去痰、鎮静作用。
ブクリョウ;サルノコシカケ科のマツホドの菌核
利尿作用、滋養、鎮静作用。
コウボク;モクレン科カラホオノキや凹葉ホオノキ、ホオノキの樹皮や根皮を乾燥したもの。健胃、鎮痛、鎮静、筋弛緩、胃運動促進、腸管運動抑制作用。
ソヨウ;シソ科シソの葉。解熱、鎮咳、鎮静、利尿作用。
ショウキョウ;ショウガ科ショウガの根茎。食欲増進、芳香辛味性健胃作用。

効能効果として咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、不眠症があります。この応用としてNSTや呼吸器科、高齢者の薬物治療ガイドラインでも半夏厚朴湯は嚥下反射や咳反射をよくするため、脳血管障害や胃逆流のある患者さんの誤嚥予防に有効であると言われています。顆粒のままでは飲みにくい方や胃瘻や胃カテーテルからの方も、粉砕せずにお湯に溶かして服用することが可能です。

ちなみに茯苓飲合半夏厚朴湯というのもあります。これは上記の半夏厚朴湯にチンピやキジツといったミカン系の生薬、チョウセンニンジンが追加処方されており、嚥下機能だけで無く消化機能もより改善すると言われています。

最近、飲み込みしづらくなったなと思われる方、医師や薬剤師に相談してみてください。

半夏厚朴湯で改善するかもしれませんよ。

薬剤師&NST M