カテゴリー別アーカイブ: 認知症疾患医療センター

「RUN伴2019」に参加しました

10月5日(土)「RUN伴2019(らんとも)」に参加しました。
RUN伴とは、認知症の人や家族、支援者、一般の人がリレーをしながら、一つのタスキをつなぎ、認知症の人と一緒に、誰もが暮らしやすい地域づくりを目指すイベントです。

倉敷エリアは、玉島地区、早島地区、グループホーム吉岡からスタートし、それぞれの地域でタスキをつなぎ、最後は昨年被災した真備支所までタスキをつなぎました。

倉敷平成病院からは認知症疾患医療センター長 涌谷先生をはじめとする5名が参加し、倉敷美観地区を走り、倉敷商店街までタスキをつなぎました。
途中、沿道で応援してくださる方もおられ、応援が力となり、最後まで走ることができました。

認知症の人がタスキを渡している笑顔や、頑張っている人を応援している姿を見ることができました。小さなことでもできた達成感や、一人では難しいことでも周りの人の手助けでできることもあると思います。できないことばかりに目を向けるのではなく、できること、できていることに目を向け、地域全体で支え合い、誰もが住みやすい町づくりの一助になれればと思いました。

倉敷老健 介護福祉士 T

「第3回オレンジメモリーウォークin倉敷」参加報告

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

 1944年「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、本人や家族への施策が充実されることを目的に啓発活動を行っています。
 その前夜祭として、9月19日「第3回オレンジメモリーウォークin倉敷」が開催され、全仁会グループ高尾理事長、認知症疾患医療センター長涌谷医師をはじめ全仁会スタッフが参加しました。
認知症のシンボルカラーであるオレンジ色のものを身につけ、
「忘れても 一人ひとりが主人公」
「認知症 つながる心が 笑顔呼ぶ」
「認知症になっても 安心して暮らせる倉敷市にしましょう!」を合い言葉に、
大原美術館からアイビースクエアまで地域の方々と歩きました。空もオレンジ色に染まっていき、みんなが思いを一つにして倉敷美観地区をゆっくり進んでいきました。目的地のアイビースクエアに到着後、「認知機能が低下しても豊かに暮らせる社会を」目指し、みんなの思いを寄せ書きにしました。
 認知症に対する理解が広がることを願い、当院疾患センターでは今後もこのような活動を継続していこうと思います。

精神保健福祉士 A

RUN伴2019 10月5日(土)応援お願いいたします !

このたび、認知症の人や家族、支援者などが少しずつタスキをつなぎゴールを目指すイベント「RUN伴(ラントモ)」涌谷認知症疾患医療センター長をはじめ倉敷平成病院スタッフ5名が参加します。
ルートは図のとおりですが、倉敷平成病院正面玄関でのタスキリレーセレモニーを皆で応援したいと思います。
10月5日(土)午前9時50分頃に倉敷平成病院正面玄関へご参集ください。また沿道での応援も大歓迎です!昨年のようすはこちらです。

秘書・広報課 R

認知機能と自動車運転

自動車運転には結構「五感を研ぎ澄ませる」ことが必要です。言い方を変えれば自分に備わった「認知機能」をフル稼働して頑張っているということなんです。
自動車運転には,視力・視野や運動能力がとても大事だとはパッとわかりますよね。でも、「認知機能」がどれぐらい関わっているかちょっとわかりにくいと思います。

自動車運転は、実は、記憶力、注意力・集中力、意欲、視空間認知、場所の認知、危険を察知したり推論したりする能力、行動の俊敏性や正確性(察知したことを素早く正確に運転動作に反映する力)、情動の維持(イライラ、カッカしないようにする)などなど、私たちに備わった「認知機能」と呼ばれる機能を総動員する複雑な作業なのです。

認知機能のどれかが極端に衰えたり、組み合わさって衰えたりすれば、安全な自動車運転はだんだんと難しくなります。
自動車運転に関連した場面の中で、認知機能の衰えを見つける下記のようなチェックシートもあるので。ご家族と一緒にチェックしてみてください。

 警視庁 やってみよう!「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」
チェック項目が多ければ,ぜひ「脳の健康診断」を受けてみましょう!!
(例えば「脳ドック」だったり「もの忘れ外来」だったり)

認知症疾患医療センター W

「認知症ケアと在宅介護 介護支援専門員の立場から」職員勉強会開催報告

8月9日(金)、倉敷在宅総合ケアセンター多目的ホールにて認知症・せん妄サポート委員会、認知症疾患医療センターの合同主催で、職員向け勉強会が開催されました。倉敷在宅総合ケアセンターケアプラン室の岩佐暁子課長が「認知症ケアと在宅介護 介護支援専門員の立場から」と題して講演いたしました。
ケアマネジャーの立場から様々な職種と連携してケアプランを立案し、認知症のある患者様が在宅で安全に生活が送れるように活動されていることが分かりました。退院される患者様の多くが、住み慣れた在宅へ退院したいという希望を持たれており、入院前とできるだけ同じ環境で過ごすことができるように患者さん本人やご家族の想いを聴取し、今まで関わってきた事例を踏まえ、どのように関わっているのかを具体例を挙げわかりやすく説明して下さいました。
近年では、近隣住民や行政へも協力を依頼したり、徘徊のある方にはGPS付きシューズやQRコード付きのシール(倉敷安心おかえりシール)を身に付けたりする事で、安全に生活が送れるように対策を取られていることも分かりました。
当院に入院される患者さんは認知症をお持ちの方もおられます。ご自宅ではどのような日常生活をされていたかをうかがい、入院時から退院後の生活について考え、個々に合った関わりができるように、今後も検討していきたいと思いました。

認知症・せん妄サポート委員(2階病棟看護師) S

 

レベルアップで広がる医療秘書の役割り

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

認知症疾患医療センターにおける医療秘書課の業務では、検査や診察の代行予約、かかりつけの先生方への、診断結果や今後の治療方針等の書類代行作成を行っています。
毎月、平均約57.8人の初診患者さんや、月平均543.6人の再診患者さんが認知症疾患医療センターを受診されます。医療秘書は医師と協力し、医師から学んだ知識で書類の代行作成を行っています。

そんな中、レベルアップを図る為に、私たちは勉強会を重ねています。
先日は、製薬会社に依頼して、薬剤についての勉強会を開催していただきました。
勉強内容は、書類を代行作成するうえで必要な、症状にあわせた薬剤調整についてです。薬剤調整については、自らが書くことが難しかったのですが、薬剤勉強会で、症状にあわせた薬の使い方を学ぶことができ、今後の業務へも早速反映できそうです。

また、6月12日には、「岡山医師会館の認知症に関する改正道路交通法協議会」へもセンター長と参加することができました。各々の医師の意見や社会全体で改善すべき多くの問題を議論する場に参加できました。

このように医療秘書が活躍できる場も増えてきています。医師と連携しながら知識向上を図り、積極的な活動を続けていきたいと考えています。

8月31日、9月1日には、「第10回 日本医療秘書実務学会 記念大会」へも参加し、認知症疾患医療センターにおける医療秘書の活動実績報告も発表予定です。当院での医療秘書の業務内容や研究成果、幅広い業務を行っていることを全国大会で発表します。
今後も、医師の右腕として更なるレベルアップや教養を身に着けたいと考えています。

医療秘書課 S.U

正常圧(せいじょうあつ)水頭症(すいとうしょう)(iNPH)とは?

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

こんな症状はありませんか?

特発性正常圧水頭症ウェブサイトより

もしかしたら、その症状は正常圧水頭症かもしれません。
水頭症とは、頭蓋内を循環して脳や脊髄を保護している脳脊髄液の循環が悪くなる疾患です。そのことにより、脳室の拡大を認め、歩行障害・認知障害・尿失禁などの症状が進行していきます。
症状に加えてCTやMRIなどの検査により、正常圧水頭症をみつけることができます。
疑いが強い場合、脳脊髄液を採取し、脳脊髄液を排出することで症状の改善がみられるかどうか検査(タップテスト)し、外科的治療(シャント術)の必要性を調べることが出来ます。
外科的治療を行うことで、症状の改善を得ることが出来る方も多くおられます。
もし、気になる症状があればぜひ医師へ相談してみてください。

認知症疾患センター   外来看護師 M

第9回 わくわくカフェ開催

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

2019年5月18日(土)、第9回目となる「わくわくカフェ」を在宅ケアセンター4階 多目的ホールにて開催しました。わくわくカフェは、以前は「もの忘れ予防カフェ」という名前で開催していました。こうした、いわゆる「認知症カフェ」とは、厚生労働省が、認知症の方の、地域での日常生活・家族支援の強化に向けた取り組みの1つにあげているものです。当院では2013年12月より、もの忘れ予防カフェの開催を行い、認知症の方の普段はみられないご様子をみることが出来るきっかけ作りや、ご家族同士が知り合える場の提供を目指してきました。

参加者さんからの名前案のご応募があり、第7回目の開催より「わくわくカフェ」と名前を改めて開催しています。わくわく!する気持ちと、認知症疾患医療センター長の涌谷先生のわくわく!がかかっている素敵なカフェ名で、この度は令和初!の開催となりました。

当日はお天気にも恵まれ、19家族38名の方のご参加をいただきました。そのうち6家族の方には、ボランティアとして、事前の打ち合わせに始まり、受付や喫茶の担当や、ゲームタイムや交流タイムの担当もしていただきました。スタッフは、医師、看護師、精神保健福祉士、心理士、医療秘書、高齢者支援センター、訪問看護、通所リハビリ、広報と多職種が集い、協力して準備と運営を進めました。

まずは涌谷先生から、認知症予防のためには、「身体」「頭」そして「心」を動かしていくことが大切であるというお話をいただきました。このカフェがまさに、その3つを動かしていくきっかけになると素敵だと思いました。そして、通所リハビリスタッフより、認知症予防体操として「わくわく予防体操」を披露いただきました。坂本九の「明日があるさ」に合わせて、リズム良く身体を動かしていく楽しい体操でした。その次は、「わくわくパズルゲーム」を行いました。テーブルごとにグループに分かれ、牛乳パックで出来たパズルピースを参加者さん同士で協力して組み合わせていただきました。出て来たのは…「令和」の文字と、「涌谷先生の似顔絵」!ここでボランティアの方々に、たくさんサポートをいただき、参加者さん同士の交流を促進していただきました。笑いにあふれ、参加者さん同士もお話がはずむ様子がみられました。その後は、「料理コーナー」でミニパフェを作ったり、「創作コーナー」でマイうちわのデコレーションをしたり、「昔の遊びコーナー」で昔懐かしの玩具を手にして遊んだり、「脳トレコーナー」でタッチパネル式の頭の体操を行ったりと、様々なコーナーにご自由に回っていただきました。最後は、サプライズゲストの当院スタッフによる平成歌声バンドに、東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」、中島みゆき「糸」の生演奏をいただき、涌谷先生がマイクで美声を披露して下さる中で、参加者の皆さんも、声を合わせて歌っていただきました。10時から12時までの開催だったのですが、本当に、楽しい時間があっという間に過ぎてしまっていました。

当院でのわくわくカフェの取り組みは、次回の2019年11月16日(土)で10回目となります。「年々、内容がパワーアップしている」とボランティアの方々からも言っていただいておりますが、今後とも、認知症の方やご家族の方にとって、わくわくカフェがより楽しく、わくわくと交流できる場になれるよう企画していきたいと思います。また、より地域に根ざした活動になれるように、ボランティアの方々とも協力していきたいと感じております。

心理士 M

※許可を得て写真を掲載しています。

認知症疾患医療センターでは本を貸し出しています

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

まだ気候が安定しない日が続いていますが、皆様体調はいかがですか?令和元年の5月になり新生活を始めた方は疲れが出始めた頃ではないでしょうか。無理をせずに休めるときはしっかりリフレッシュしましょう。

さて、今回は認知症疾患医療センターにあります旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント(編著者:井庭崇・岡田誠 2015)という貸出本を紹介します。

この本は認知症の方やそのご家族、支えている専門職が実践している認知症とともによりよく生きるための工夫が「旅のことば」として記され、日々の暮らしに役立http://tabinokotoba.sfc.keio.ac.jp/about.htmlつ具体的なヒントがたくさん載っています。ご本人が読むのもよし、ご家族が読むのもよし、専門職が読むのもよし、認知症に興味がある方が読むのもよし、という本となっています。

さらにこの本はご自身だけで読むだけでなく、この本を使って他の方と経験や工夫について語り合うこともできます。家族会や認知症カフェをされている方は取り入れてみてはいかがでしょうか。

認知症だけではありませんが病気というものは人それぞれで症状であったり、進行の具合であったりというのは異なりますよね。それは十人十色といわれるように人にはそれぞれ違う色を持っているからであると思っています。そのため1冊の本が全てご本人さんに当てはまるというのはなかなか・・・。

こういった“アドバイス“や“工夫”が記載されている本はこの世にたくさん出版されており、認知症疾患医療センターにもたくさん置いてあります。ぜひ覗いてお好きな本を探してみてくださいね。

精神保健福祉士 P

先生と93歳女性Aさんとの診察室での会話

私:Aさんおかげんはいかがですか?顔色もいいですね。食欲もいいですか?
Aさん:あんまり欲しくないけど三度三度食べとるよ
私:でもまんじゅうは美味しいでしょ
Aさん:そりゃな
私:そういえば出るものも出ていますかねえ
Aさん:そりゃ出んかったらえらいことじゃ
私:それはよかった。ありゃ、このあいだ誕生日ですね。93ですか?すごいなあ、どうやったら93まで生きられるんかなあ。ぼくは男だし全然自信ない
Aさん:先生は長生きするよ
私:でも医者の不養生っていうしなあ
Aさん:先生は全然太っとらんが
私:長生きの秘訣はなんじゃろ
Aさん:普通にしとるだけじゃからわからんよ
私:医者は普通とはいえんからなあ。Aさんやっぱり教えてよ
Aさん:そんなこと言われてもわからんが。先生、私は種松山に行きたいと思っとるんよ
私:桜が咲き始めてきっといい感じだもんねえ。ぼくも週末の朝はやく、車が混まんうちに行ってみようと思っとるんよ。まだ倉敷に来てから行ったことないしね
Aさん:別に花見じゃなくて、種松山から登る煙になりたいんよ
私:まあ確かに高いところから見た方が桜も綺麗だろうなあ
Aさん:もっともっと上の方のことじゃ
私:もっと上の方かあ...言われてみれば土の中からは桜は見れんもんなあ
Aさん:先生ようわかっとるが。もうそんな気持ちじゃ
私:でも食べるもん食べて、出るもん出て、寝るときに寝て、息切れも目立たんし、足腰もぼちぼち。絶対桜を見に行った方がいいよ.
Aさん:そうじゃなあ。最後の桜になるかもしれんし
私:それはそうと診察せんとね......心臓はいい音で、もうちょっと頑張るって言っとるよ
Aさん:また先生そんなこと言って。年寄りの気持ちがわからんのじゃなあ
私:ごめんなあ。その年になったことがないし、なれる気もせんからなあ
Aさん:先生は長生きするって
私:頑張ります
Aさん:奥さんによくしてあげんといけんよ
私:頑張ります
Aさん:ありがとう言わんといけんよ
私:Aさんは人に言ってるの?
Aさん:そりゃ、この世でしか言えんことじゃろ
私:全くその通りじゃなあ
Aさん:仕事あんまり頑張りすぎたらいけんよ
私:そうします
Aさん:ほんじゃ薬出しといて。ちょっとボケとるけど、また先生のところに来るわ
私:また会いましょう

一期一会。生き死にの話、感謝の気持ちの話。

 

認知症疾患医療センター W