栄養科通信vol. 135「『こむら返り』を予防するポイント」

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行楽やスポーツなど、体を動かすことが心地よい季節となりました。皆さんは運動中や睡眠中、突然、足がつってしまった経験はありませんか?これから、寒くなると特に足がつりやすいと言われています。『足がつる』とは、足の筋肉が突然強い痙攣を起こす状態のことをいい、特にふくらはぎに起こることが多く、それを『こむら返り』といいます。今回は、こむら返りが起こる原因と予防方法をご紹介します。

●こむら返りの主な原因
①筋肉の疲労…過度な運動などで筋肉が疲労している場合、筋肉が急に収縮するため起こりやすくなります。逆に、運動不足での筋力低下や、普段とは違う筋肉を動かすなどして筋肉に強い刺激を加えることでも起きやすくなります。

②水分不足…水分が不足すると血行不良となり、その影響で筋肉が収縮して起こることがあります。

③栄養素(ミネラル)バランスの乱れ…カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、筋肉などの動きを調整するはたらきがあるため、このバランスが乱れると、筋肉の収縮と弛緩がうまくできなくなり、こむら返りが起こりやすくなります。

④冷え…冷えによる血行不良で、筋肉が緊張し、収縮しやすくなります。とくに睡眠時は血行不良になりやすいため、足がつることが多くなります。

⑤病気…糖尿病や肝硬変、甲状腺機能低下症、神経系や筋肉の病気、薬の副作用からも起こることがあります。※こむら返りは健常な人でも起こる事がありますが、何度も繰り返す場合には病気が原因の可能性があるため、医療機関へ受診することをおすすめします。

ちなみに、妊娠後期に起こりやすいこむら返りは、おなかが大きくなり足の血管が圧迫されることによる血行不良や胎児の成長によるミネラル不足、運動不足などが原因となります。

●こむら返りを予防する食べ物
筋肉の収縮・弛緩に関わるカルシウム、ミネラルを含み、毎食主食・主菜・副菜の揃ったバランスのよい食事を心がけましょう。
カルシウムを多く含む食品…牛乳、小魚、チーズなど。
カルシウムの吸収を良くする食品…魚介類、卵類、きのこ類など
マグネシウムの多い食品…大豆製品、魚介類、海藻類など。
食事以外の予防法としては、
・こまめな水分補給をする。(水分ばかりを摂りすぎず、ミネラルも補給しましょう。)
・下半身を冷やさないように衣類の工夫やお風呂に入って身体を温める。
・運動不足にならないよう、日ごろから適度な運動やストレッチを行う。
などがあります。ご紹介した予防方法を日常に取り入れ、こむら返りになりにくい健康な体作りを目指しましょう。

管理栄養士 K.M