パーキンソン病と睡眠障害について

パーキンソン病では、運動障害の他にもいろいろな症状がみられます。
たとえば、意欲低下、認知機能の障害、幻視、幻覚、妄想、嗅覚の低下、痛み、しびれ、浮腫(むくみ)などです。
(表:パーキンソン病の症状)

これらは「非運動性症状」と呼ばれます。
睡眠障害は、非運動性症状の中で最もよく見られるものの1つで、患者さんの約8割が悩んでいる症状です。
睡眠障害を放っておくと、その後の生活の質(QOL)が悪くなってしまいます。
そのため、睡眠障害にはきちんと対応しなければなりません。

睡眠障害には「不眠症」「日中の強い眠気」「レム睡眠行動障害」「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」などがあります。
レム睡眠行動障害とは、身体は休んでいて、脳が覚醒している「レム睡眠」時に大声で叫んだり、暴れたり、動き回ってしまうなどの異常行動のことです。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは、脚に虫が這っているような違和感や、電流が流れているような不快感をともなうものです。
パーキンソン病の患者さんは身体が硬く、睡眠中も思うように動けません。
うまく寝返りができないので、身体の違和感が強くなり目が覚めてしまうのです。
また、神経や筋肉が過敏になっているため、こむら返りがよく起こります。
悪夢を見ることも多く、これも不眠の原因になります。
さらに、トイレが近いため夜中に何度も起きなければなりません。

当院では、終夜睡眠ポリグラフィ検査(PSG)という検査を行っています。
1泊入院していただくものと自宅にて行うものと2種類あります。
なるべく普段の睡眠状況を調べるため、自宅で簡単に行える検査をおすすめしています。
睡眠障害の対策の基本は、ストレスを溜めないこと・規則正しい食生活・定期的な運動・適正な睡眠リズムを保つなどの生活習慣の見直しですが、ニューロモデュレーションセンターではPSG検査を行っていただくことでパーキンソン病の方の治療の指標とさせていただいてます。

倉敷ニューロモデュレーションセンターでは、これからも専門職がチーム医療で患者さんの治療にあたってまいります。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 外来看護師M