メディカルチェックについて 〜「Timed Up & Go Test」ってなに??〜

カテゴリー: 予防リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

20160509桜も散り、徐々に暑さが増していることを実感する今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。皆様始めまして。私は4月より、病棟から予防リハビリに配属となった理学療法士のSです。倉敷平成病院に入職し、早6年目となりました。これまで入院・外来の患者様や訪問看護利用者様リハビリに従事してきました。通所系のリハビリは今回が初めての経験となります。当事業所は月曜日から土曜日の営業(祝日を除く)であり、1日に40人程度の方が利用されています。異動直後は業務を覚えることに加え、利用者様一人ひとりの顔と名前を一致させることに大変苦労しました。約1ヶ月が経ち、現在は業務の流れもつかめてきたところです。利用者様のニーズに合わせ、包括的な関わりができるよう、日々努力しています。
さて、今日の内容は、現在予防リハビリで行っているメディカルチェックについて説明致します。メディカルチェックは、利用者様の身体機能を簡易的かつ効率的に確認するために実施します。主にリハビリスタッフがチェックを行っており、初回利用日および3ヵ月毎の定期的なチェックをベースとし、必要に応じて適時実施しています。内容は、①握力、②片脚立ち、③5m最大歩行時間、④Timed Up & Go Test(以下、TUG)の4項目です。その中から、今回は皆様があまり聞き慣れないであろう、TUGについてご紹介します。
TUGは片脚立ちとともに、転倒リスクの把握やロコモティブシンドロームの指標としても用いられるなど、全国各地で行われているテストです。方法は、椅子に深く座り、背筋を伸ばした状態で肘かけがある椅子では肘かけに手をおいた状態、肘かけがない椅子では手を膝の上においた状態からスタートし、無理のない速度で歩き、3m先の目印で折り返し、スタート前の姿勢に戻った時点で終了とします。この一連の流れに、どれだけの時間を要するかで評価を行います。このように、TUGは立ち座りや歩行、方向転換といった複合的パフォーマンス捉えることができます。ひとつの指標として、TUGが13.5秒以上の場合、日常生活における転倒リスクが高まると考えられています。
予防リハビリでのメディカルチェックを行うことで、利用者様自身が、自分のカラダの状態を把握し、現状に気づくことができます。介護予防(転倒予防)において、その気づきが大きな一歩であると思います。予防リハビリを通じて、皆様が健やかな日々を送れるよう、理学療法士としてサポートしていきたいと思います。

参考資料:身体的虚弱(高齢者)理学療法診療ガイドライン、日本理学療法士協会
日本運動器科学会ホームページ http://www.jsmr.org/index.html

~お問い合わせ先~
社会医療法人全仁会 倉敷平成病院通所リハビリテーション
TEL:086-427-1128   (管理者:隠明寺 悠介)

予防リハビリ 理学療法士 S