今回のブログでは、顔面神経麻痺の患者さんの症例を紹介します。
80代の女性で、12月上旬に右顔面神経麻痺になった方です。最初鍼灸院に来院された時には、「目を閉じられないこと、口の中に食べ物が残ること、右目に力を入れると、後頭部に痛みがあること、味覚がないこと」などを訴えられました。
東洋医学では、末梢性顔面神経麻痺は、主として陽明経(ようめい)の障害として捉えます。
風邪(風寒の邪)が陽明経に侵入して気血の運行を阻滞するために発症すると考えます。特徴として、突然に顔面の麻痺が発症します。このような場合手足の陽明経の経穴や「風」の付く経穴を選択して治療します。
主に曲池(きょくち)、手三里(てさんり)、合谷(ごうこく)、足三里(あしさんり)、豊隆(ほうりゅう)、太衝(たいしょう)、風池(ふうち)、風門(ふうもん)、地倉(ちそう)、頬車(きょうしゃ)、下関(げかん)などのツボを使って施術しました。
2、3回の治療で味覚がないことや後頭部の痛みは取れてきました。
その後も週1回のペースで約半年治療を続け、ほとんど日常生活に困らないほどに回復してきました。現在も顔の筋肉をもう少しつけるため治療は2,3週に1回のペースで続けています。
急な顔面神経麻痺に悩まれている方もいると思いますが、薬などの他に鍼灸も治療の選択肢の1つになるかもしれません。早めにご相談ください。
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