花粉症について

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

花粉症の季節になりました。花粉症の症状がでている方もいらっしゃるかもしれません。

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。医学用語では、季節性アレルギー性鼻炎といいます。
花粉症を引き起こす植物といえばスギ花粉がよく知られていますが、このほかにも日本では約60種類あるといわれています。春先のスギやヒノキ、初夏のシラカンバ、秋のブタクサやカナムグラなどです。

症状として現れやすいのが、鼻と目です。鼻の三大症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり。目の三大症状は、目のかゆみ、充血、涙です。
花粉が目や鼻から入ってきて、体内の免疫システムによって「異物=敵」とみなされると、敵に対抗するための抗体(IgE抗体)が作られます。
このIgE抗体は、花粉に接触するたびに作られるため、少しずつ体内に蓄積されていきます。蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの花粉症の症状を起こします。
去年までは大丈夫だったのに急に花粉症になってしまうのは、これまで蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったからです。

花粉症を起こしている原因植物も、症状の出方も人によってさまざまです。まずは原因を探り、自分にあった治療方法を見つけることが大切です。

本当に花粉症なのか、花粉症ならば何が原因なのかは、血液検査で分かります。
血液検査には、血中の総IgE抗体が多いか少ないかを調べる検査と、花粉に反応するIgE抗体(特異的IgE)を調べる検査があります。当院でも実施出来ますので、ご相談ください。

花粉症の治療法のひとつに、舌下免疫療法があります。
舌下免疫療法の治療期間は3~5年が推奨されていて、内服薬や点鼻薬が不要になる、あるいはその必要量が減る可能性はあります。必ずしも全員に効果があるものではないですが、私の息子も花粉症で、この時期になると鼻水や目のかゆみに悩まされていましたが、舌下免疫療法を2年半前から実施して鼻水の症状はずいぶん改善されました。もし興味がある方は、当院耳鼻咽喉科に相談していただけたらと思います。

     (参照:みんなの医療ガイド「花粉症について」:公益社団法人全日本病院協会)

                              臨床検査技師R.A