予防接種のルールが変わります

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10月1日から当院でもインフルエンザの予防接種が始まりました(ただし10月中は、当院かかりつけの65歳以上の方が対象)が、予防接種のルールが10月から変更になったことはご存じですか?

予防接種とは、人の免疫の仕組みを利用し、病気の予防に有効であると確認されたワクチンを接種することで、病気に対する抵抗力を高める方法のことです。ワクチンは、感染の原因となるウイルスや細菌をもとに作られています。成分の違いから、大きく「生ワクチン」・「不活化ワクチン」・「トキソイド」に分類されます。

「生ワクチン」は、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られるワクチンです。毒性が弱められたウイルスや細菌が体内で増殖して免疫を高めていくので、接種回数は少なくて済みますが、十分な免疫ができるまでに約1か月程度かかります。例)麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、ロタウイルスなど

「不活化ワクチン」は、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせた(=不活化)ものを原材料として作られます。生ワクチンと比べて生み出される免疫力が弱いため、1回の接種では十分ではなく、何回か追加接種が必要になります(接種回数はワクチンの種類により異なる)。例)季節性インフルエンザ、肺炎球菌、B型肝炎、日本脳炎、ヒブなど

「トキソイド」は、病原体となる細菌が作る毒素だけを取り出し、毒性をなくして作られます。不活化ワクチンと同様、数回接種して免疫をつけます。例)破傷風、ジフテリア

2020年9月末までは、不活化ワクチンの接種後6日以上、生ワクチンの接種後27日以上の間隔をおかなければ、次のワクチン接種を受けることができませんでした。
しかし、これまでに集められた情報や専門家による提言、外国の状況などを検討した上で、2020年10月から異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールが一部変更となりました。下記の3つのルールを守れば、前のワクチン接種からの間隔に関わらず、異なるワクチンの接種を受けることができるようになります。

~3つのルール~
① 注射生ワクチンから次の注射生ワクチンの接種を受けるまでは27日以上の間隔をおく
② 同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合はワクチンごとに決められた間隔を守る
③ 発熱や接種部位の腫脹(はれ)がないこと、体調が良いことを確認し、かかりつけ医に相談の上、接種をうける

薬剤部 N.H
参考:厚生労働省ホームページ