第5回日本認知症予防学会学術集会へ参加しました

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平成27年9月25日~27日、神戸国際会議場にて、認知症予防学会の学術集会に参加してきました。当法人の関連施設や病院、認知症疾患医療センターからも演題を発表しました。20151006
認知症予防学会という学会名ですが、皆さん予防という単語からは、認知症の発症を予防する、というイメージが想起されやすいのではないかと思います。ですが、予防には一次予防・二次予防・三次予防という区分があります。

・1次予防:認知症でない人が認知症になるのを予防する
・2次予防:認知症の早期発見・早期治療
・3次予防:認知症の進行予防

認知症予防学会の学術集会では上記区分をテーマにした様々な演題発表・シンポジウム・教育講演が盛大に行われました。今回の学術集会のテーマとして、「エビデンス(科学的根拠)の高い認知症予防を目指して」という文言が盛り込まれていました。現在、テレビや雑誌などで認知症をテーマにしたものをよく見かけるようになりました。世間の認知症に対する関心の高さがうかがえます。そういった情報の中で「認知症予防には○○が効果的」といったうたい文句を多く見かけます。しかし科学的根拠という視点から見ると、それらはまさに玉石混合といった状態なのが実情でしょう。そういった状況を打開すべく認知症予防学会ではエビデンス(科学的根拠)創出委員会というものが設立されました。認知症の1次予防・2次予防・3次予防それぞれの分野で、より科学的根拠が高い結果・効果の検証がなされることで、より精度の高い知見を得ることができるようになります。このことは国の認知症施策にも沿っており、認知症を有する方や、その援助をおこなう方々だけでなく、認知症に関わるすべての人々の利益に直結するのではないかと考えられます。

認知症疾患医療センター  阿部弘明