昨年ニュースになったデング熱

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

毎日、暑い日が続いています。熱中症で病院に搬送される人も多いというニュースもよく見ます。職場では検査機器が多いので、機器のためにずっとエアコンが稼働していて、外と比べるととても涼しく快適です。そこから外に出ると異常な暑さで、温度差に体がついていかず暑さにやられている感じです。8月も中旬になり徐々に暑さも和らいでくることを期待しつつ、先日テレビを見ていたら、デング熱の話をしていました。デング熱はデングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症です。ヒトからヒトへの直接感染はしませんが、デングウイルスに感染した患者を蚊が吸血し、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することで感染します。日本にいる蚊ではヒトスジシマカに媒介能力があります。昨年は約70年ぶりに国内症例が報告され、関連のニュースが毎日報道されていました。その国内症例が報告されたのは8月下旬でした。先日のテレビでは、蚊の活動至適温度は25~30℃ということでした。高温になると成虫が活動しないだけでなく、卵を生む水たまりが干上がるので、蚊の数が減少します。猛暑は蚊にとってもつらいもののようです。しかし、これから秋にかけて徐々に気温が下がり、快適に過ごせるくらいになったら、同じように蚊も活発に活動できるようになるので注意が必要です。今年は第29週までで国内症例は出ていませんが131件の輸入症例が報告されています。デングウイルスには1~4型の四つの型があり、昨年の国内感染者は全て1型でした。たとえば1型にかかった場合、1 型に対しては終生免疫ですが、他の血清型に対する交叉防御免疫は数ヶ月で消失し、その後は他の型に感染する可能性があります。この二度目の感染時に、重症化する確率が高くなるといわれています。今年は帰国後に発症した患者から1型だけでなく2型の感染が確認されているようです。今シーズン2型が流行すると、過去に感染した人の重症化も懸念されます。そのため、蚊に刺されないようにすることが必要です。

個人でできる予防方法として
①長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履きを避けるなど、肌を露出しないようにする。
②暗い色の服に寄ってくる傾向があるので、白などの明るい色の服を着る。
③防虫スプレーを使う。
④デング熱の発生情報に注意し、発生した場所にはできるだけ近づかないようにする。
⑤自覚症状が現れない人も多いので、流行地域から帰国したときには、他人に移さないよう、蚊に刺されないように注意する。
⑥室内の蚊の駆除を心がける。
⑦蚊幼虫の発生源である水たまりを作らないように注意する。

などがあります。まだ蚊の活動時期は続きますので、予防をしっかりして蚊に刺されないように気を付けましょう。

 臨床検査部 TaMa