日別アーカイブ: 2021年8月6日(金曜日)

高齢者の運転

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

「いつまでも安全に運転を楽しみたい」と多くの方が願っていますよね。
今回は高齢者の運転について少しお話したいと思います。

当院の認知症疾患医療センターを受診された方の中には、自分自身の運転に不安を感じていたりご家族の方が心配に思われている状況も多くあります。ニュースなどでもよく聞く高齢者の事故。加害者になってしまうことも心配。でも車がない不便な生活を考えると、免許返納もなかなか決心できない。そこで、ご自身がこれからも安全運転を続けていくための情報や、免許返納について、返納後の生活について紹介したいと思います。

高齢者ドライバーによる交通事故の代表例としてよく取り上げられるのがアクセルとブレーキの”踏み間違い”です。
しかし、事故の原因は踏み間違いだけではありません。高齢になることで認知・判断・操作のそれぞれの能力が低下していくことが様々な事故を引き起こすリスクにつながります。

高齢化による運動能力の変化
「思い込み」と「操作能力の低下」に注意!
高齢者ドライバーは実際に確認をせず、「思い込み」で運転する傾向が強い。
(例)・ 信号や標識を確認せず、見えているクルマの動きだけで運転
・ギアがパーキング(P)に入ったと勘違いし、ブレーキペダルから足を外してクルマが動き出す。
このような運転傾向になる原因としては、認知・判断・操作の能力が低下、また認知や判断ができたとしても、思ったように身体が動かないために操作の誤りや遅れが発生することなどが挙げられます。同じように車庫入れや駐車時に、「何度も切り返し」「脱輪」「ブレーキやアクセルの操作遅れ」などが起きるのも、”頭の中のイメージに身体がついてきていない”ことが理由です。
高齢ドライバーほど「運転に自信がある」と思う傾向が強いそうです。しかし、どんなに運転に自信があっても、加齢とともに運転技能は確実に変化します。それを踏まえ、「トレーニング」や「運転方法の改善」「安全装備の使用」などをおこなっていくことが大切です。

運転免許の返納
・有効期限内に自主的に免許を返納すれば「運転経歴証明書」を申請することができます。
「運転経歴証明書」は運転免許証の代わりに身分証明書の代わりになります。
・「おかやま愛カード」は免許を自主返納または失効した方で、希望される方に渡されます。
このカードで、路線バス運賃半額、タクシー割引など、県内の協賛店で色々なサービスを受けることができます。

この機会に運転について、免許の返納時期について、1度考えてみてください。

認知症疾患センター 外来看護師 F