日別アーカイブ: 2016年10月8日(土曜日)

栄養科通信vol.110 「セカンドミール効果」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b01みなさんはセカンドミール効果という言葉を聞いたことがありますか?セカンドミール効果とは、1日の中で最初に食べる食事(ファーストミール)=朝食が、次に食べる食事(セカンドミール)=昼食以降の血糖値に影響を及ぼすという理論です。

もともと私たちの体は、食事を摂ると血糖値が上がりインスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンが分泌されます。しかし、血糖値が急激に上がってしまうとインスリンが多く分泌されてしまうことがあり、糖質を脂肪に変える働きが過剰になり太ってしまう原因になります。血糖値がゆっくり上昇するようになると筋肉や脳でのエネルギー利用が適切になされ、糖質を過剰に脂肪に変えることはなくなります。つまり糖質が脂肪に変換されにくくなるので太りにくくなるということです。そのため血糖値を急激に上げないことが重要になってきます。セカンドミール効果がある食品は血糖値の急激な上昇も防いでくれます。

  • セカンドミール効果のある食品…大麦、海藻類、キノコ類、ごぼう、オクラ、納豆、こんにゃく等

主に食物繊維を多く含む食品が挙げられます。%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b02

食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」がありますが、特にセカンドミール効果を期待するならたくさん摂りたいのは水溶性食物繊維です。粘度の高い水溶性食物繊維は、胃から小腸へと食物が移動する速さと小腸での糖質の消化の速さを遅らせてくれる為、糖の吸収が穏やかになるのです。

そして、水溶性食物繊維をどの食品よりもたくさん含んでいるのが大麦です。大麦に含まれる水溶性食物繊維(β-グルカン)の働きでより高いセカンドミール効果が期待できます。国内外の様々な研究により、朝食で大麦を食べた人は血糖値が上がらない状態を一日中キープできることも分かっているそうです。

昼食や夕食にセカンドミール効果のある食品を食べても次の食事に効果が期待されるという研究結果もありますが、一番効果がありオススメなのは、朝食に食べることです。

上手に血糖値をコントロールすることで太りにくく健康的な食生活を送ることができます。みなさんも、セカンドミール効果のある食品をとり入れた食事作りをしてみてはいかがでしょうか?

管理栄養士 M.S