今年6月に倉敷平成病院に新しい骨塩定量検査装置が導入されました。
今まで骨粗鬆症の原因は、骨密度が低下して骨折しやすくなる病気とされていたため、予防にあたっては「骨密度」を中心に考えられていました。
しかし、骨密度が正常範囲であるにもかかわらず骨折リスクが高い方がいることがわかり「骨質」も加えた「骨強度」が重視されるようになってきました。
「骨密度」は骨の中のカルシウムなどのミネラル量が非常に大きな役割を果たします。
一方「骨質」はコラーゲンの質が重要になります。
骨の構造は、言わば鉄筋コンクリートの建物のような構造になっています。
建物の強さは内部にある鉄筋の構造と、それを囲むコンクリートの丈夫さで決まります。
これと同じように、「骨強度」は鉄筋のような働きをする「骨質」と、それを補強するコンクリートのような働きをする「骨密度」の2つで構成されます。
骨粗鬆症の定義は「骨強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気」と改められ、「骨強度」には「骨密度」が70%、「骨質」が30%関係していると説明されるようになりました。
つまり骨粗鬆症は、骨密度の低下と骨質の劣化、その両方が影響しあって骨折リスクが高まる病気といえます。
従来の装置では、「骨密度」の測定のみ行っていましたが、今回導入した装置では「骨密度」の他に「骨質」の測定ができるようになりました。
「骨質」とは骨の微細構造、骨代謝回転の速さ、微小骨折の有無、石灰化の密度により示されています。
当院では骨の微細構造を評価するTBS(Trabecular Bone Score)iNsight を導入し、骨粗鬆症の臨床診断に役立てています。
TBSは腰椎骨塩定量測定画像における各画素の濃度変動を表すテクスチャー指標で、骨強度の決定要因の一つである海面骨微細構造の簡便な評価法として期待されているものです。骨の内部の海綿骨の構造を評価し、骨折のリスクの部分を色で評価する方法です。骨の内部(海綿骨)が緻密で有れば緑色です。内部が粗になるにつれて、赤色で評価されます。
高齢者の骨折しやすい場所として1位が脊椎、2位が大腿骨近位部、3位が腕の付け根といわれており、とくに大腿骨近位部を折ってしまうと「寝たきり」になりやすいと言われています。また、「寝たきり」によって身の回りのことを他人へ任せてしまうことから、認知症がはじまるきっかけになるとも言われています。
自分の骨の強さを知り、骨粗鬆症のリスクや変化を知る事で生活習慣の見直しや予防に努めることができます。
骨粗鬆症は骨折するまで自覚症状がありませんので心配な方はぜひ検査を受けてみてください。
AM



微生物とは、文字通り、通常肉眼では見ることの出来ないような微小な生物であり、細菌・真菌・藻類・原生生物(アメーバやゾウリムシなど)・ウイルス(※)など多種類の生物が含まれます。

ところが、『倉敷在宅総合ケアセンター・ショートステイ(以下、ケアセンター・ショート)』では、2016年6月よりリハビリ専門職の個別機能訓練を実施しています。現在では、このリハビリ訓練自体が目的の、ケアセンター・ショートご利用の方もいらっしゃいます。


私が異動して間もない頃、あるご利用の方から、「背中が丸くなって、なかなか背中を真っ直ぐにしたまま立つことができない、綺麗な立ち姿でいたい」。という悩みを伺いました。
感染対策の日々が続いており、活動量の減少に伴う身体機能の低下を引き起こしやすくなってきています。そのため、予防リハビリでは今回ご紹介した方のように、ご自宅でも可能な自主トレーニングの指導をさせていただきながら、身体機能の維持・向上に繋がる支援を行っています。皆様も、感染には十分に気を付けながら、ご自宅で可能な運動や家事などを継続して、コロナウイルスに負けない充実した日々をお過ごし下さい。
今年は早くに梅雨も明け、海や山の恋しい季節となり、蝉の鳴く声が夏の暑さを強調させる今日この頃です。
人間には、「視覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」「聴覚」の五感というものが備わっています。それらの中で、料理を一目見た時に「美味しそうだな!」と判断するのに一番影響しているのは「視覚」です。「視覚」は87%というほとんどの情報を占めているので、料理の色合いが変わるだけで美味しそうに思えたり不味そうに思えたりするのです。