倉敷ニューロモデュレーションセンターにおける臨床心理士の役割

倉敷ニューロモデュレーションセンターが平成29年4月に開設し、あっという間に1年が過ぎました。倉敷ニューロモデュレーションセンターでは、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなどに対する脳深部刺激療法(DBS)、慢性疼痛に対する脊髄刺激療法(SCS)を行っております。当院のセンターは本年度より日本定位・機能神経外科学会の技術認定施設となりました。
今回は臨床心理士のセンターでの役割・仕事について述べたいと思います。臨床心理士と聞くと「何をする人?」と思われる方も多いかもしれません。当センターにおいて臨床心理士は【検査、手術後の心理療法(カウンセリングなど)】を主に行っています。
臨床心理士はリハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語療法士)と協力して手術前後の患者さんの検査を実施しています。手術前の患者さんの認知機能や精神面の検査を行い、DBSやSCSの手術適応や治療効果、手術のリスクについて検討します。また、手術後においても認知機能や精神面の検査を行い、手術の効果、副作用の出現などをチェックしています。
また、SCSを受ける患者さんに対してはうつ・不安などの精神症状を合併しやすい方が多いため精神面の検査も行っています。
手術後においては、入院のストレスが強くなる方、せん妄や認知機能低下が出現する方、精神症状(うつ、意欲低下)の増悪を伴う方に対して個別に話をしたり、気分転換になる活動の提供、脳トレ(脳活性)などを行っています。
この1年間でも医療機器は進化しており、DBSでは細かい刺激調整が可能になり、SCSでは刺激方法が増えました。今まで以上に、治療効果は高くなっているように感じています。日々アップデートしている環境の中で遅れないように勉強を行い、患者様に喜んでいただけるようなセンターを目指したいと思います。

リハビリテーション部ST課CP