栄養科通信 vol.130 「カフェイン」

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コーヒーの健康効果が最近話題になっています。

国立がん研究センターは、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人では肝がんの発生率が約半分に減少し、1日の摂取量が増えるほど発生率が低下し、1日5杯以上飲む人では、肝がんの発生率は4分の1にまで低下し、発生率の低下は男女に関係なく見られていた」という研究結果を発表しました。
また、「最近、糖尿病などにコーヒーの予防効果が報告され、カフェインによるのではないかと推察されていますが、本研究の分析では、コーヒーと同じくカフェインの多く含まれている緑茶の場合、多く飲んでいる人でも肝がん発生率の低下がほとんど認められなかったことから、カフェインというよりは、コーヒーにのみ含まれている別の成分が関与しているものと思われます。」とも発表されています。

よく耳にするカフェインですが、健康に良いとも悪いとも言われています。
カフェインには、覚醒作用、利尿作用、リラックス効果などがあり、副作用として、めまい、興奮、不眠、吐き気、などがあります。
また、1度に多くのカフェインを摂取すると、カフェイン中毒を引き起こす可能性があります。一般的に普通の成人で3時間以内に17㎎/㎏以上の量のカフェインを摂取するとほぼ100%中毒症状が出ると言われており、1時間以内に6.5㎎/㎏以上の摂取で約半分の人に症状が出ると言われています。
体重50㎏の人は850㎎となり、ドリップコーヒー(150ml)8~9杯分になります。
では、コーヒーにはどれくらいのカフェインが含まれているのでしょうか?また他の飲み物のカフェインの量はどれくらいなのでしょうか?

下のグラフは150ml当たりの主な飲み物のカフェイン含有量です。エスプレッソコーヒーは40ml、
コーラは350ml当たりです。
インスタントコーヒーの場合は、粉末2g(コーヒー1杯分)当たり60㎎です。

コーヒーよりも玉露がダントツでカフェイン含有量が多いことをご存知でしたか?
しかし、お茶にはタンニンという成分が含まれています。お茶に含まれるカフェインはタンニンと結合するため、カフェインの効果が抑制されます。紅茶に含まれるテアニンもカフェインの効果を抑制します。
最近ではカフェイン含有量の高いエナジードリンクも多数販売されており、カフェインの過剰摂取による死亡例も出ています。
これから暑さが本格化します。飲み物のよい一面だけを信じて過剰摂取することがないよう気を付けましょう。

管理栄養士 S.N