倉敷ニューロモデュレーションセンターにおける臨床工学技士のかかわり

倉敷ニューロモデュレーションセンターが開設されて本日で1年となりました。あっという間に過ぎた印象です。
臨床工学技士と聞いて知っている方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。臨床工学技士は1987年に誕生した比較的新しい国家資格です。現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストです。ニューロモデュレーションでは多くの医療機器を使用します。それは病院で使用する機器もありますが、患者さんにお渡しする機器もあります。機械のことは難しくて分からないと不安になる方も多くいます。臨床工学技士は患者さんやご家族に機器の使用方法について丁寧に何度も説明を行います。入院中や外来、緊急のときは電話でも使用方法について説明を実施しています。

臨床工学技士は脳深部刺激療法(DBS)や脊髄刺激療法(SCS)において密接に関係しています。手術室では神経活動測定する機器操作や刺激電池の登録作業を行っています。病棟や外来ではSCSの痛み調整を医師の指示のもとで実施しています。患者さんのそばにほぼ毎日、何度も出向いて痛みがよくなるよう刺激調整を行っています。痛みが強く、苦悶して動けない患者さんにSCSを実施し刺激を開始すると、痛みが緩和され、表情もよく、起き上がってリハビリを一生懸命すると表情が良くなっていきます。退院時に「ありがとう」と話してくれるととてもうれしくなります。

この1年はセンター開設、新しい刺激システムへの対応、学会や講演など忙しい日々を過ごしていました。しかし患者さんの多くがニューロモデュレーションに期待していることを感じる1年でもありました。これからニューロモデュレーションを多くの方に知っていただくような活動をしていきたいと思います。臨床工学技士はその他にも医療機器の管理から操作まで幅広い業務を行っています。興味のある方はぜひインターネットで検索してください。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME