栄養科通信vol.94『食物繊維について』

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20150608季節の変わり目になると体調を崩される方、結構多いのではないでしょうか。今回は意外と多い便秘についてです。「便秘には食物繊維がよい」と、たくさん野菜を食べる方も多いかも知れませんが、実は野菜の種類によってはかえって便秘がちになってしまう場合もあります。
食物繊維には2種類あり、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けられます。不溶性食物繊維は水に溶けないので胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して便を出す働きを活発にし、便通を促してくれます。代表的な食品ではゴボウや切干大根といった繊維質な野菜、キノコ、穀物類、豆類があります。
対して水溶性食物繊維は水に溶けて粘着性を持ち、胃腸内をゆっくり移動しながら胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排出してくれます。これはワカメ、昆布、寒天といった海藻類、果物類に多く含まれています。
高齢者に多い弛緩性便秘では腸内の便を出す働きが弱いので、不溶性食物繊維を含む食品を摂って腸内を刺激すると便通が良くなると言われます。逆に季節の変わり目などストレスを受けた時になりがちな痙攣性便秘では、水溶性食物繊維を含む食品を摂って便を柔らかくするとよいです。
このように便秘のタイプに応じて、種類の違う食物繊維を上手に摂取していきたいですね。また水分補給や軽い運動も効果がありますよ。

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