有効性のあるがん検診の薦め

カテゴリー: 平成脳ドックセンター | 投稿日: | 投稿者:

一定年齢が過ぎると、自治体等からがん検診の通知が届きます。

男性は「肺がん」「胃がん」「大腸がん」の検診、女性は前記に加えて「乳がん」「子宮頸がん」となります。厚労省が推奨するがん検診はこれらの5種類のみとなっています。

ところが、これらは日本においてであって、国際的に認められているがん検診は「大腸がん」「乳がん」「子宮頸がん」の3種類に留まります。

つまり、「がん死亡を減らすという利益が確認できないもの」「検診そのものが返って害が大きいもの」は推奨されないことになっています。

検査の性能・精度(感度・特異度)を得るためには、自覚症状がなくてがんであるかどうかが分かっていない一集団を対象にしたsingle-gate design studyが必要です。
ところが、感度・特異度が90%前後であるため非常に優れていると謳う方法の中には「がんと診断された集団」と「がんではない集団」と既にわかっている別々の集団から統計をとったtwo-gate design studyが存在しています。
すなわち、推奨されているがん検診はがんが発見できたかどうかではなく、がんによる死亡率を減少させるかどうかで決定されているということです。

したがって、がん検診を受ければ受けるほど良いわけではなく、偽陽性や過剰診断による不要な検査や治療を行うことになり、またそれまでの期間の精神的負担(不安や苦痛)などの大きな弊害に繋がりかねません。実をいうとがん以外にもtwo-gate design studyにて得られた検査精度を公表していることが意外に多いのです。

日本では有効性が高いとされる5種類のがん検診は自治体から補助があり、無償か少ない自己負担で受診可能です。

コロナ禍で停滞気味といわれていましたが、これらの検診については最低でも年に一度はしておく方がお薦めです。特に女性の方の受診をお勧めします。

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