笑顔で過ごせるように

先日、ニュースの介護特集を見ました。身の回りのこと全てに介助を要するお父さんを介護されている娘さんが、同居する家族に協力を求められずに孤立し、うつ状態になってしまったことを振り返られていました。また、お父さんも、追い詰められていく娘さんに心を痛めつつも、イライラしながら介護をされて、つい嫌味を言ってしまうことも多かった様子でした。インターネットで介護者仲間と出会ってからは、家族に支援を求めたり、お父さんと離れる時間を設けたりすることができるようになり、娘さんの表情には余裕が見られ、お父さんも落ち着いて生活されていました。

tatemono_kaigo_shisetsu私も、介護者である御家族とお話するなかで、「デイサービスやショートステイは、本人が嫌うから行かせたら可哀相」とか「本人を預けて、自分が遊びに行くわけにも行かないしねぇ」というような発言を聞くことがあります。その度に、「御家族がしっかり休息をとること・自分の時間を持つことが、御本人の『できるだけ長く自宅で暮らしたい』という思いを支えることになるのでは?」とお伝えしています。介護は短期集中ではなく、先の見えない長期的なものです。御家族が頑張りすぎて疲れた表情をしていたり、イライラした様子で介護をされていたりしたら、御本人もきっと辛いのではないでしょうか。ましてや、体調を崩して介護が続けられなくなってしまっては本末転倒です。御本人の思いも尊重しながら、適切に介護サービスを利用し、御家族とともに自宅で長く暮らすことができるように、お手伝いができればと考えています。

 

医療福祉相談室 ペーパードライバー