「インスリン治療」糖尿病が悪くなったの?

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

皆さんはインスリン治療に対するイメージはどんなものでしょうか?
○インスリンを打つってことは症状が悪くなったのかな…
○始めたら一生打ち続けるのだろうか…
○注射は怖いし痛い…
など悲観的・否定的に捉えている方がいるかもしれません。今回は“インスリン注射”という治療法の正しい知識について、注意点を交えてご紹介しますinsulin_woman

インスリン治療はもともとヒトが生理的にもっているインスリンを補うため、最も自然で、確実に血糖値を下げる治療法です。インスリン治療が必要と考えられるのは、1型糖尿病や妊娠糖尿病の患者さんで、他にも2型糖尿病の患者さんではすい臓を休める目的で早期にインスリン療法を開始することがあります。インスリンを体外から補充することで、疲れたすい臓を一時的に休めることができます。すい臓の機能が低下する前にできるだけ早くインスリン治療を開始して、よりよい血糖コントロールを目指すのです。すい臓の機能が十分回復し、血糖値が下がれば、インスリン治療をストップできたり、内服薬だけの治療が可能になることもあります。
また、インスリン注射で使う専用の注射針は細くて短く、採血で使う注射針の3分の1くらいの細さで、痛みが少なくなるようデザインされています。注射する場所はおなかが一般的ですが上腕部、太ももなども可能です。ただし注射部位によって吸収速度が異なるので注意が必要です。

インスリン治療がしっかり継続されれば、すい臓の機能回復に加えて、血糖コントロールもよくなり、合併症予防やその進展を遅らせることができます。医師の指導の下、正しい理解を身に付けて、きちんと治療を続けていくことが大切です。
わからないことや不安な事があればいつでも主治医の先生へ相談してください。

糖尿病療養指導士 薬剤師 なか