認知症疾患医療センター 心理士の仕事

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

暖かい春の日差しで心地のよい毎日が続いていますね。4月ということで、新しい環境での生活をスタートされた方も多いかと思います。期待と不安と花粉が入り交じる季節なので、皆さま体調にはどうかお気をつけになって、フレッシュな気分でお過ごしいただけたらと思います。

さて、4月という新年度なので、今回は認知症疾患医療センターでの心理士の仕事について改めて紹介させていただきます。
心理士の保有する資格に、「公認心理師」がありますが、これは2017年に公認心理師法が施行され、2018年から誕生した国家資格の一つです。当院でも、受験資格のある心理士(実務経験5年以上、もしくは大学院で所定の単位取得)は2018年に公認心理師資格を取得し、今後も受験資格の得られた心理士が資格取得に挑戦していく予定になっています。

心理士の認知症疾患医療センターでの主な仕事としては、①認知機能検査、②ご家族・お付き添いの方への問診、③ご家族への個別カウンセリング、④認知症カフェ(わくわくカフェ)、⑤家族教室、⑥家族会(オアシス会)などが挙げられます。

まず、①認知機能検査は、患者さんを個室にご案内し、心理士と一対一で検査を行います。検査を受けることや、慣れない環境の中で、緊張が強まる方もいらっしゃるので、暖かい雰囲気で受検していただけるように配慮しつつ、フリートークも挟みながら実施します。また、検査中の患者さんのご様子についても注意深く観察を行い、診察場への情報提供を行っています。
②ご家族・お付き添いの方への問診では、普段の生活のご様子を知る方に情報を教えていただきながら、生活場面での認知機能の状態や、BPSD(認知症の行動・心理症状)の有無・程度について評価を行っていきます。ご本人がおられる場ではお話しにくい内容もあるため、必ずご家族も個室へご案内し、プライバシーに配慮しながらお話を伺い、診察場へ情報提供を行います。
中には、ご本人の対応についてストレスや不安を感じているご家族もおられるので、そうした場合には③ご家族への個別カウンセリングを実施したり、④認知症カフェ(わくわくカフェ)、⑤家族教室、⑥家族会(オアシス会)といった、他のご家族との交流をはかったり、気分転換が出来る場のご案内を行います。
また、社会的な制度やサービスについては、精神保健福祉士や高齢者支援センターなど専門職・専門機関への紹介を行い、安心して地域でお過ごしいただけるように連携を図っています。
心理士もこの4月から新しい仲間を迎え、新メンバーでの業務がスタートしています。今後とも皆さまにとって、認知症の予防・治療が身近で安心できるものであるように、私たちも日々力を合わせて頑張っていこうと思います!

心理士 M

参照イラスト:イラストAC