保湿剤

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3月に入り、体の乾燥も和らいできたでしょうか?
保湿剤には大きく分けて3種類あります。ワセリン製剤、ヘパリン類似物質製剤、尿素製剤です。今回はその特徴と使用するときの注意点についてお話させていただきます。

ワセリンは水と混じりにくい疎水性で、皮膚の表面に油の膜を形成し、肌の水分を逃がさないようにする作用があり、保湿効果は弱いです。そのため乾燥した肌に塗るのではなく、お風呂上りの角質が十分に水分を含んだ状態で使用することが大切です(入浴後10分以内)。

ヘパリン類似物質製剤は親水性で角層内の水分と結合し、肌に水分を補給する作用があります。入浴後に保湿すれば効果的ですが、1分後でも1時間後の塗布でも効果に差はあまりなく、忘れずに塗布することが大切です。ヘパリン類似物質製剤の使用は入浴後だけではなく、乾燥肌の機能改善のために頻回に使用するのがよいそうです。塗布回数が塗布量よりも重要です。すでに乾燥肌の症状が発現している場合、肌の表面が荒れてしまっていることもあるので、すり込まないように多めに塗りましょう。すり込むと物理的刺激で赤くなったり痒くなったりしますよ。ヘパリン類似物質製剤は色々な剤形があるので、選択基準を以下に示します。

尿素製剤はヘパリン類似物質製剤と同様の作用と角質融解作用も持っています。ただし、乾燥が強いところや赤みのあるところに塗ると刺激を感じることもあります。

製品の特徴を把握して、使用感の好み(しっとりorさっぱり)や塗る範囲、季節や使用する時間によって使い分けてみてください。

薬剤部 MO